SPECIAL INTERVIEW

世界一の料理人
オステリア・フランチェスカーナ
マッシモ・ボットゥーラ氏が語る
“一流の料理人”とは

Text 河﨑 志乃 Photo よねくら りょう

”のべおか国際食卓会議”に参加するため来日した、世界一の料理人と評される”オステリア・フランチェスカーナ”のオーナーシェフ「マッシモ・ボットゥーラ氏」に、メトロミニッツWEBのコンセプトである”一流の料理人”について、そのフィロソフィーを尋ねた。

【プロフィール】

■マッシモ・ボットゥーラ(Massimo Bottura)
■1962年9月30日 生まれ
■イタリアのモデナで、ミシュラン・ガイド3つ星のレストラン「Osteria Francescana」(オステリア・フランチェスカーナ)を経営。

【受賞歴】
>サンペレグリノ 世界50ベスト・レストラン - 6位(イタリアでは1位)
>英国「レストラン・マガジン」・2011年の世界のベストレストラン50 - 4位
>ガンベロ・ロッソ - 3本フォーク
>ミシュラン・ガイド - 3つ星
>Accademia Internazionale di cucina - 世界最優秀シェフ

世界一の料理人が日本からメッセージを発信

世界のレストランシーンを牽引する料理人マッシモ・ボットゥーラさんが「のべおか国際食卓会議」に参加するため来日されました。イタリア・モデナのレストラン「オステリア・フランチェスカーナ」のオーナーシェフとしてミシュラン三ツ星を守り続け、2016年には「世界のベスト・レストラン50」の第1位に輝いた世界一の料理人。

一方、2015年のミラノ万博では、賞味期限の近い廃棄対象食材をアラン・デュカスさんや成澤由浩さんなど世界のトップシェフたちと共に料理し恵まれない人々に振る舞う「レフェットリオ」を開設。その活動は今やブラジル、イギリス、フランス、アフリカ、カナダへと拡大し、地球全体の問題である“フードロス”への取り組みとして、広く知られています。

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ブラジル オリンピックの余り食材を利用 貧困者向け本格レストラン

「小野二郎」 × 「マッシモ・ボットゥーラ」

そんなボットゥーラさんが今回来日したのは、11月3日〜5日に宮崎県延岡市で開催された「のべおか国際食卓会議」に参加するため。

料理評論家 山本益博さんを発起人とするこのイベントに、ボットゥーラさんは料理人として、また友人として強い絆を感じているという「すきやばし次郎」の小野二郎さんとともに、特別ゲストとして参加しました。自国の食の伝統から新しいものを見出す視線と、捨てられていく食材を救う“もったいない”の精神を持つ2人が対談し、ボットゥーラさんは「レフェットリオ」の料理などを再現。

日本の延岡から、食の未来へ向けたメッセージを世界に発信しました。小野二郎さんに初対面で「あなたの前世は日本人だな」と言われ、日本には強い縁を感じているというボットゥーラさん。今回の来日も光栄なことだと話してくれました。

東九州バスク化構想

ボットゥーラさんが思う「一流の料理人」とは?

延岡へ向かう当日の朝、東京で私たちに食への熱い思いを語ってくれたボットゥーラさんに、「一流の料理人の条件とは」と問いかけると、返ってきたのは「感情を表現すること」という言葉。「これは私の考えですが、レストランでは感情を表現することが大切なんです。

純粋に食べることを楽しむトラットリア(食堂)なら、ただ料理を出せばいい。ですが、トップレストランと呼ばれる店はそれではいけない。感情、すなわち私が今まで何を食べてきたか、何を見てきたか、そしてどう感じてきたか。それを料理で表現するのがトップシェフの仕事です。

私の料理を食べれば、その人の物の見方が変わる。新しい扉が開くのです。人の物の見方を変えるのは難しいことだけれど、それができるのが一流の料理人だと思っています」。

「自分の文化を知ることが料理人にとって最高の食材である」

また、ボットゥーラさんは若い世代の料理人たちに向けて、「自分の文化(アイデンティティ)をもっと理解してほしい」とも話してくれました。「自分の文化について勉強熱心な若い料理人はまだあまりいないように思います。

自分がどんな食文化を持つ国に生まれたのか。そして何を食べて育ってきたのか。自分は何を作ってきたのか。そういった自分の文化(アイデンティティ)を理解すれば、他の料理人とは違う自分だけの料理を生み出すことができます」。

常に「自分の文化を知ることが料理人にとって最高の食材である」と言ってきたその思いを、改めて伝えてくれたボットゥーラさん。そんなボットゥーラさんの哲学をより深く知るために読みたい一冊の本が、この日本で発売されます。

世界一の料理人に迫る、世界初のドキュメント

わずか28席の小さなレストラン「オステリア・フランチェスカーナ」を世界一に導いたボットゥーラさんの内面に迫る、初のドキュメント『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』。

イタリア2000年の食の歴史を誰より愛しながら打ち壊してきた料理人としての挑戦と、代表的な12の料理のレシピが収められた一冊。ボットゥーラさんの両親のルーツから生まれたアミューズや、イギリス北部の小さな町から「オステリア・フランチェスカーナ」に入ったわずか19歳の青年が生み出した、ボットゥーラさんがこれまで食べた中で最高だというスフレなど、12のレシピひとつひとつのエピソードにも、ボットゥーラさんの哲学があふれんばかりに詰め込まれています。世界一の料理人の真髄を知りたい方は、ぜひ手に取ってみて。

『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』
池田匡克 著
11月20日発売
2,500円
河出書房新社

左)池田匡克氏

『世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ』新刊を2名様にプレゼント

更新: 2017年11月29日

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