料理と教室#2

料理家の料理と教室

料理家
近藤幸子さんの教室
馬田草織さんの教室

Photo:キムアルム(近藤さん)、野呂美帆(馬田さん)
Text:立石都(近藤さん)、浅井直子(馬田さん)

旅のワクワクする感じを、おいしい週末の料理に込めて。

料理家 近藤幸子さん :料理教室『おいしい週末』主宰。仙台の料理学校でアシスタント、講師を務めた後、料理研究家に。近著に『おいしい週末、だれか来る日のごちそう献立』(天然生活ブックス)ほか、9月1日に『がんばりすぎないごはん(主婦と生活社)』を発売予定。

台湾、ハワイ、エスニック...旅の思い出と共に、感激した『現地の味』を持ち帰って料理に込める「おいしい週末」の料理教室。ご自身も子育てをしていることもあり、ママさんたちが日常から少し離れた空間で、彩りも いい世界の味をお腹いっぱい楽しめる時間を過ごせるレッスンです。

近頃、話題のスポットが続々と増えている清澄白河。そこに、自宅兼仕事場としてリフォームしたマンションの一室を構え催される近藤さんの料理教室では、旅先で出会った味とインスピレーションを元に、誰にでも手軽で作りやすい家庭料理を教えています。
「いらっしゃる生徒さんは30代から40代の方が多いですね。非日常な気分を楽しんでもらいたいので、インテリアもオーダーメイドで統一感のある雰囲気にしています。私も子どもが2人いて、海外旅行にはまだちょっと早いから、以前の旅の思い出とともに『旅に行きたいな〜!』という欲求を、最近はレシピにぶつけているかも(笑)。ママだと外食も自由にならないことがよくわかるので、教室での時間をリフレッシュに楽しんでもらいたいですね」と語る近藤 さん。

大きいテーブルを囲んで、生徒さんは予め下ごしらえされた料理を切ったり炒めたりと、ポイントになる部分を実践しながら行程を進めます

大学で管理栄養士の資格を取得したのち、もっと自分がおいしい!楽しい!と感じる料理の方向を模索して、まず地元・仙台の料理学校のアシスタントになり、講師の仕事を始めた近藤さん。その後、さらに自分らしい仕事を考えた時に、料理研究家の道へ。「もっと、フードイベント的な、オープンにわいわいと料理を楽しむ場が良いなと思って、身内で料理教室をしていたら、人気が出てきて...。だから、結局は今に繋がるまで好きなことをただただやっているという感じですね」。旅も料理も、人生も、ワクワクする方向が正解。近藤さんの教室が人気なのも、生徒さんに肌で、舌 で、そのワクワクする感じが伝わるからなのかもしれません。
「仙台時代、師匠に『私 たちの仕事は、料理の翻訳家なのよ』と言われました。美味しい食材や知識は知っていて当たり前。それをどう知恵を絞って、家族に楽しんでもらう家庭料理にしていくかを考えるのがプロということ。今でも心に残る言葉ですね」。近藤さんが旅先で心が躍るほど、おいしい食材と出会うほど、料理教室のレパートリーも進化しそうな予感です。

この日のメニューは台湾家庭料理。「おしゃれでおもてなしにも使えて、でも簡単なお料理を、ノンジャンルで。そんなところが、この料理教室の好まれる理由かも」と近藤さん

教室DATA

「おいしい週末」


■開催日: 「おいしい週末」Facebookページ やインスタグラムで告知 http://oishisyumatsu.com/
■内容: 世界の家庭料理を中心に、6~8 品程度が学べる。随時変更あり。
■料金: 7,000円
■定員: 8名

気楽な立飲みスタイルで学ぶポルトガル料理

料理家 馬田草織さん: 雑誌や書籍などで、食や旅にまつわる取材活動を幅広く行なう傍ら、ポルトガル料理とワインを楽しむ「ポルトガル食堂」を主宰。著書 に 、『ようこそポ ルトガル食堂へ』( 産業編集センター、幻冬舎文庫)、『ポルトガルのごはんとおつまみ』(大和書房)がある。

2006年以来、ポルトガルの様々な地域に何度も足を運び、ポルトガル 料理のエッセイ本や、レシピ本を出版している馬田草織さんが、2013 年から始めた料理教室「ポルトガル食堂」。ポルトガルワインをこよな く愛する馬田さんらしく、グラス片手に学べる教室です。

うちに来ても調理をしない人が9割(笑)。最初は料理を覚えるつもりで来ても、帰り際には〝また習いに来ます〞ではなく、〝また食べに来ます 〞って 、皆さん言うん です。料理教室というよりも、食事の場として印象に残るみたいで」と笑う馬田さん。教室は、毎回ポルトガルワインでの乾杯からスタート。
メニューは季節によって異なり、前菜、メイン、デザートの3、4品を馬田さんが作るデモンストレーション形式。乾杯後は、グラス片手にオープンキッチンの周りに集まり、わいわい飲みながら調理の過程を見学します。「そもそも、料理教室を始めた きっかけは、周りの友人からのリクエストが半分。もう半分は、大好きなポルトガルワインをいろいろ飲みたいから。ワインありきの料理教室なんです」と馬田さんは言います。

会場はいつも馬田さんのご自宅という環境も手伝ってか、「その時に、使用した調味料について聞かれたり、じゃがいもの素揚げをしていると、揚げたてを食べてみたいと手が伸びたりしますね」と、ホームパーティのようなリラックスした雰囲気で進むそう。そのため、1名で参加してもすぐに打ち解け、一緒にポルトガル旅行に行った参加者も生まれるほど。どうやら、馬田さんの教室は、単なる「料理教室」の枠を超えて、ワインや旅行などポルトガルの魅力をより深く発信する場となっているようです。「もう何度もポルトガルに足を運んでいますが、飽きることがないんです。料理は魚介類や米を使うなど、どこか和食に通じる部分があり親しみが持てますし、人柄も、一度輪に入ると温かく迎えてくれる人が多い。ワインやチーズもいいものがたくさんあるのに、積極的に宣伝する気がなく素朴。だから、勝手に応援したくなっちゃうんですよね」と、どうやら 馬田さんのポルトガル熱は、まだまだ冷めそうにない様子。東京に居ながらにして、ポルトガルの空気に触れたくなったら、ぜひ馬田さんの料理教室へ。おいしいワインと料理が待っています。

一見、意外な組合せにも見える、パプリカペーストで味付けした豚とあさりの炒め物。海に近く、イベリコ豚の飼育で知ら れるアレンテージョ地方の料理がベース。肉と魚介の旨みをたっぷり吸ったじゃがいもが絶品

教室DATA

「ポルトガル食堂」 今後のスケジュール


■開催日: 次回9月30日(土)予定  
■内容: 季節ごとのポルトガル料理の前菜 1~2品、メイン1~2品の試食と作り方を学べる。
品数はボリューム により変更あり。
9月30日は、ワイン約8種を飲み比べながらポルトガルのおつまみを立食で楽しむタスキーニャ(居酒屋)スタイルで開催。詳しくはブログで確認を。
■ 料 金 : 5 , 0 0 0 円(デザート 、コーヒー付き)、グラスワイン1杯500円http://badasaori.blogspot.com

Text:立石都(近藤さん)、浅井直子(馬田さん)
Photo:ムアルム(近藤さん)、野呂美帆(馬田さん)
※こちらの記事は2017年8月20日発行『メトロミニッツ』No.178に掲載された情報です。

更新: 2017年12月30日

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