TOKYO BEERNISATA 2017 #1

飲みながら考えた、おいしいもの

Text:立石郁、森亜紀子 Photo:宇壽山 貴久子

「食」に精通し、ビールとともに日々を楽しんでいるビアニスタの皆さんは、今日もお気に入りの1杯を飲みながら、何を“食べたい”と思うのでしょう。6名のビアニスタに、まずはイチオシのビールとおいしいもの、おいしい話をアレコレ伺いました。

枝豆を見ると、唐揚げを食べると、餃子の香りが漂ってくると…、無性にビールを欲してしまう人は“ビアニスタ”になれるポテンシャルを秘めています。今月の特集は、毎年恒例の「ビアニスタ」をお届けします。例えば、ファッショニスタと言えば、最新ファッションに敏感で、おしゃれを楽しむことで日々を素敵に過ごしている人だと思いますが、ビアニスタと言えば、ビールの最新情報に心を動かされ、毎日美味しく飲むことで暮らしを豊かに過ごしている人や、そのライフスタイルのこと。ビールはしっとりとした雰囲気より、賑やかで笑顔が多い時間が似合うお酒です。だから、ビアニスタな人々が増えれば東京はもっと明るく元気な街になっていくはず…という思いを込め、造り手、売り手、飲み手など立場を超えて、この春から皆で“ビアニスタ”を目指そう!とご提案します。で、今回、ビアニスタを目指す皆さんへのお題は「ビールと料理を楽しもう」。定番のおつまみはもちろん、ビール×料理の多彩なマリアージュを味わってみて、ビールを飲む毎日の魅力をグングン上げていきましょう。

イェンス・イェンセンさん×金柑 Blond

鎌倉の小高い丘の上で、家族とDIY生活を送るイェンスさんが大切にしているのは、ご近所同士の「つながり」が産みだす、さり気なくも朗らかな毎日の暮らし。「美味しくて新鮮なものは、できるだけシンプルにいただくのが好み」だそうです。美味しい地元野菜に地元のクラフトビール <Yorocco Beer>があれば、言うことなしなのです。

{BEERNISTA PROFILE} 
Jens H. Jensen
デンマーク出身。大使館で務めた後、北欧の暮らしやデザイン、DIY などのライフスタイルを日本に提案する編集者・活動家に。一般社団法人 日本コロニヘーヴ協会・代表理事。近著に、『イェンセン家のホームディナー』(文藝春秋)など。

{BEER PROFILE}
Yorocco Beer 金柑Blond
生産地:日本(神奈川)
スタイル:金柑ブロンドエール
アルコール度数:6%
“もっちゃんの畠”で採れた金柑を、収穫したその日にビールに。フレッシュな金柑のフレーバーが楽しめる期間限定商品。
小規模ながら地元の人たちに愛されて大人気のブルワリー「ヨロッコビール」は、現在ビールの販売店舗は少ないものの、地元のカフェ「ビーチマフィン」で定期的にタップルームを行っている。詳しくは、Webサイトのインフォメーションをチェック。
http://www.yorocco-beer.com/

半径1km以内の恵みでいただく、
シンプルで贅沢な組み合わせ。

地元野菜のパクチーマヨディップ
【材料】・お好みの新鮮な野菜 5~6種類・パクチーお好みの量・A:マヨネーズ 大さじ2、白味噌 大さじ2【作り方】①パクチー1束を茎までみじん切りにする。②Aとみじんぎりにしたパクチー①をよく和える。③野菜は、軽く洗ってそれぞれ食べやすいサイズにカット。②にディップしていただく。

「デンマークは本当にビールをたくさん飲む国。僕も間違いなく、日本にいる今よりも、たくさん飲んでたね(笑)」と語るイェンスさん。かく言う今は、味わい深いビールをじっくり楽しむスタイルに変わったと言います。この日紹介してもらった「金柑ブロンド」は、イェンスさんが鎌倉に移住して出会った農家の友人、もっちゃんが育てた金柑が使われています。この季節限定ビールをつくったのは、こちらも友人の逗子のパン工房併設ブルワリー〈Yorocco-Beer B&B〉。イェンスさんの家からは1kmぐらいの距離だとか。
「東京から鎌倉に移住してよかったと思うのは、こういうご近所同士のつながりができたところ。このビールも、大好きな友達の作物を使って、大好きな友達がつくるビールだからこそ、さらに美味しく感じます」とイェンスさん。気になるビールの味わいは、やや濁りがあり、まろやかな口当たりながら、金柑の甘い柑橘香とホップのアロマ、ピールの優しい苦味が爽やかに鼻を抜けていきます。
こちらに合わせたのは、家から歩いてすぐにあるという、もっちゃんの畑で採れた白カブやビーツなどの新鮮な野菜。パクチーを刻んでマヨネーズと白味噌で和えたコクのあるディップソースをつけていただきます。「パクチーは金柑の風味やニンジンと意外なほどよく合います。ぜひ試してみてください」近所の仲間がつくる美味しいビールと、みずみずしい地元野菜をいただく。最高に贅沢な組み合わせなのかもしれません。

きじまりゅうたさん×黒ラベル

日々の晩酌はビールからスタートすることがほとんどという、ビアニスタのきじまさん。お気に入りは、<サッポロ生ビール黒ラベル>だそうで、若き日にファーストビールとして飲んだのもこれ。「休日にビール片手に唐揚げを揚げつつ、揚げ立てをつまむのは至福の時。この美味しさは作る人の特権です(笑)」

{BEERNISTA PROFILE} 
Ryuta Kijima
祖母は料理研究家の村上昭子、母は料理研究家の杵島直美という料理家一家に育つ。現代のライフスタイルに合った、無理なく作れるレシピを、テレビや雑誌、料理教室などで発信。

{BEER PROFILE}
サッポロ生ビール黒ラベル
生産地:日本
スタイル:ピルスナー
アルコール度数:5%
サッポロビールのロングセラーブランド。「旨さ長持ち麦芽」を新採用し、「生ビールのひと口目のうまさ」を長く楽しめる「大人の生」。

何度食べてもやっぱり美味しい。
唐揚げとビールという小確幸

料理研究家の祖母と母を持ち、その家庭環境から自然に料理に親しんできた、きじまりゅうたさん。「僕が提案しているのは家庭料理。特別な素材やこだわりの調味料を使わなくても美味しくできて、繰り返しテーブルに上がっても食べ飽きず、ほっとするような味を心がけています」。そんな料理に合わせるのは、〈サッポロ生ビール黒ラベル〉。「祖母も母もお酒は大好きで、我が家のビールと言えばもっぱらこれ。僕にとって最も慣れ親しんだビール。時にはクラフトビールの個性豊かな味わいも美味しいし、他の銘柄を楽しむこともあるけど、結局戻っちゃうんだよなぁ(笑)。バランスの良い味わいはどんな家庭料理にも合います」
今回教えていただいたのは、ビアニスタの必修科目ともいうべき〈鶏の唐揚げ〉。下味や切り方やサイズを変えて色々なタイプの唐揚げを作るそうですが、ビールに合わせるならコレ! という王道にして珠玉のレシピ。「下味に生姜とニンニクを加えて風味とパンチを少々。衣は小麦粉と片栗粉を半々にすることでサクッした食感にしつつ、卵を加えることでふっくら感もプラス。奇をてらわず食べ飽きない、家庭料理としての唐揚げを追求しました」。合わせる副菜は〈新玉ねぎの卵黄キムチ和え〉。切って混ぜるだけの簡単さで、旬の食材が味わえる気の利いたレシピ。みずみずしさや辛み、シャクシャクとした食感は唐揚げの合いの手にぴったり。あぁ、幸せの三角ループが止まりません。

鶏のから揚げ
ポイント:ビールとのペアリングのカギを握るのが衣の存在。濃いめに作り厚めに纏わせることで、 新玉ねぎの卵黄キムチ和え肉の旨味も閉じ込めつつ、ふっくらとした衣の美味しさも堪能できる。
[材料]2人分
鶏もも肉:300g 溶き卵:1/2個分 小麦粉:大さじ2 片栗粉:大さじ2 揚げ油:適量
A 醤油:大さじ1 酒:大さじ1/2 おろしニンニク:小さじ1 おろし生姜:小さじ1
[作り方]
① 鶏肉は脂肪や筋を除いて、一口大に切る。ボウルに入れてAを加えて手で揉み込む。
② 卵を入れてかき混ぜ、小麦粉を加えてドロッとするまでしっかりと混ぜる。
③ 片栗粉を少量ずつ加え、粉っぽさが残る程度にザックリと混ぜる。
④ 鍋の3~4㎝くらいの深さまで揚げ油を入れ、中温まで熱したら衣をつけた鶏肉を入れる。
⑤ 3分ほど経ったら火を強める。
⑥ 途中、鶏肉を揚げ網で引き上げ、空気に触れさせることがカリッとさせるコツ。

新玉ねぎの卵黄キムチ和え
[材料]2人分
新玉ねぎ:1/2個  キムチ:50g 卵黄:1個
粗挽き黒こしょう:少々
[作り方]
① 玉ねぎを繊維と垂直向きに極薄切りにし、水に5
分ほどさらす。繊維を断ち切ることで、柔らかい仕上
がりに。キムチも細切りにする。
② 玉ねぎの水気をしっかりと切り、キムチと和える。
③ 器に盛って胡椒を振り、卵黄を載せる。

※こちらの記事は、
2017年3月20日発行『メトロミニッツ』No.173に掲載された情報です。

更新: 2017年3月20日

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