日本酒新時代のムーブメント

|SAKE INNOVATION[7]|
日本酒の進化を紐解く12のキーワード
12 Keywords of Evolving Sake
【03 EVANGELIST】

日本酒の進化について、大きな流れを掴んでいただけたでしょうか? こちらでは、さらに12のキーワードから、日本酒に関わる様々な現場で起きているイノベーションな事例を、シリーズでご紹介していきます。

【03 EVANGELIST】 その情熱は日本人以上?

21世紀のSAKEの素晴らしさを世界中に伝えたいと語る、熱き日本酒伝道者がいます。現在の日本酒ブームは、日本人以上に的確に日本酒を捉える彼らの活躍抜きには語れません。

ドミトリー・ブーラフさん(ロシア出身)

日本酒との出会いは、日本の調理専門学校で料理とワインの勉強していた頃。常連だったバーでワイングラスに注がれた「黒龍 火いら寿」に「度肝を抜かれた」そう。そのおいしさ、今までに味わったことのない世界観に魅せられ、日本酒伝道者としての道を歩み始めます。「最近は若い造り手がメキメキと頭角を現し、少し前の“淡麗辛口”一辺倒ではない、非常に幅広い香味の清酒が楽しめる時代だと思います」。そういった現在の状況を踏まえつつ、日本酒の魅力がもっと世界へ知れ渡るにはどうすればいいか聞いてみました。「まずは日本にいらっしゃる外国の方が気軽においしい日本酒を楽しめて、お土産に買って帰れる環境を整えることが大事。現状だと日本に知り合いがいない限り、どちらも難易度が高い…。あと日本酒のラベル表示を簡素化し、素人に分からない技術的情報を省く必要性も感じますね」。

主な普及活動は?

飲食店勤務を経て、世界?酒師コンクール第三位に輝いたドミトリーさん。『日本酒学講師』の資格を活かした日本酒セミナー、モスクワでの日本酒の試飲会やセミナー、国内でのペアリング・ディナー、英語で日本酒を語るセミナー、訪日外国人向けの日本酒説明会などで活躍しています。2015年9月にバースタイルで楽しむ“情熱”の日本酒イベント「Bar The Passion」を企画。https://www.facebook.com/barthepassion

レベッカ・ウィルソン=ライさん(ニュージーランド出身)

Photo:Bar Zingaro

日本酒コンサルタント、日本酒ソムリエとして活動し、今年はIWC(インターナショナルワインチャレンジ/日本酒部門もある世界大会)で審査員を務めたレベッカさん。そんな彼女も10 年前の来日時は、日本酒のことなど何も知りませんでした。ある日、振る舞われた「磯自慢」の清潔でフルーティーな香り、そして爽やかな味わいに衝撃を受け「わたしの日本酒ジャーニーが始まった」そう。ジョン・ゴントナー氏のもとで訓練を積み、2014年には日本酒ソムリエの資格を獲得します。「日本酒を勉強することは私の人生を豊かにしてくれること。まだまだ学ぶことはたくさんあります」。勤勉なレベッカさん。彼女が日本酒をどう捉えているのかも聞いてみました。「日本酒は日本の豊かな文化遺産の中に織り交ざっている透明な糸。それが日本の文化伝統、自然や人々を結びつけているのだと思います」。

主な普及活動は?

「日本酒の多様な味わいとスタイル、一瓶一瓶に込められたパッションとスキルを世界に伝えることが使命」と語るレベッカさん。日本酒に関する講演や執筆、海外向けの日本酒PR活動も行っています。芸術家・村上隆氏のカフェ「バー・ジンガロ」とコラボし、定期的に日本酒教育講座×試飲会を企画。今後も気軽な試飲会を通して日本酒の簡単な専門用語を教え、消費者の日本酒マーケットに関する知識と意識を高めていく活動を続けていくそう。
www.ichi-forthemichi.com

海外の人に日本酒の説明をしたいなら「標準的英語表現リスト」を参考に

「清酒の専門用語が一般的な和英辞典にないことが多くて困る」という意見を受け、酒類総合研究所が発表した「標準的英語表現リスト」。ドミトリーさん、これ実際に使えるの?「基本的にはいいと思います。日本酒を英語で伝える場合は、ワインなど洋酒の表現を借りて伝えるのもコツです」。

【清酒の標準的英語表現リスト一例】

杜氏・・・toji,a chief sake maker
純米酒・・・jyunmai(-shu),pure-rice sake
徳利・・・tokkuri,a small carafe
ひやおろし・・・hiyaoroshi
酸味・・・acid,sourness
吟醸香・・・fruity aroma
まるい・・・mellow

Edit:浅井直子
Text:馬渕信彦

※こちらの記事は2015年10月20日発行『メトロミニッツ』No.155に掲載された情報です。

更新: 2016年11月23日

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