呑んで食べて1人1万円以下
さしつさされつ、 今宵はエレガントに

|嗜む日本酒[09]|
エレガントに日本酒を嗜む和の店|
地元に愛されるお店

優雅な設えの中、しっかりした日本料理が食べられてかつ日本酒には一家言あり。程よく2、3杯日本酒をいただき、お腹も満たして1人1万円以下に収まる気前の良いお店をご紹介します!料理とお酒の美味しさに、ついつい杯と皿を重ねて、1万円オーバーしてしまってもあしからず…。

地元に愛されるお店

都心部をはなれて、お店を営んでいるからこそできること。料理の内容や、日本酒選びの基準も然り、近所の常連さんの心と胃袋をがっつりつかんでいるお店はなんとも魅力的。ちょっと足を伸ばしても行ってみたい理由はなんでしょう?

岸由[ 落合 ]

静謐な和の空間で愛でる食と酒が織りなす四季折々

一見庶民派な早稲田通り沿いに、ひっそりと佇む「会席料理 岸由」。一歩足を踏み入れると、にぎやかな町中から一転。炉のある茶室や??席ほどのカウンター。店内の棚には、店主の坪島完次さんが選んだ作家ものの皿や盃がずらりと並ぶ、静謐な空間が広がります。一品一品の料理を通じて、季節感を楽しんでほしい。そんな理由から、お店で提供するのはコースのみ。名物・自家製のカラスミや季節の魚を使った棒寿司にはじまり、旬の食材が盛り込まれた繊細な皿が並びます。日本酒は常温でも勝負できる無濾過の原酒が中心。旬の魚の味わいと、料理を引き立てるコクがあってまろやかな原酒。体がしみじみ満たされるマリアージュを、堪能してください。

【BEST MARIAGE】八寸(コースの一品。磯つぶ貝の含め煮、やりいかのお寿司、揚げ銀杏、からすみ、湯葉)×宗玄 純米八反錦 無濾過生原酒

【BEST MARIAGE】
八寸(コースの一品。磯つぶ貝の含め煮、やりいかのお寿司、揚げ銀杏、からすみ、湯葉)×宗玄 純米八反錦 無濾過生原酒(石川県・宗玄酒造)一合1,000円

常時7~11種類ほどの無濾過の日本酒のなかでも、八寸に合わせるのは口に含んだ瞬間に広がる旨みと、キレのある後味が特徴的な石川県の「宋玄」。上品な塩気と濃い旨味を持つ自家製カラスミはもちろん、芳醇な甘みのやりいかなど、幅広い味わいを一層に引き立ててくれる。なお、コース料理は6,000円、8,000円のものの2種類から

きしよし
TEL:03・3360・5736
住所:東京都中野区東中野5・25・6
営業時間:12:00~13:30LO、18:00~22:00 日定休

セキハナレ[ 世田谷 ]

本当は、ほろ酔いくらいがちょうどいい分別もついて年をとった大人の居場所

夜毎賑わう三軒茶屋の人気店「夕(セキ)」が、2号店を出した。そのニュースはすぐに酒好きたちの間で話題に。「駅から離れたくて夕を始めんですが、まだまだ離れ足りなかったみたいで。とうとう三茶を離れました」と笑う、店主の川久保賢志さん。その心は、静かに料理に集中したかったから。まだ初々しいヒノキの一枚板カウンターには、狙い通りしっとりと盃を傾ける大人が集います。蔵元には実際に足を運び、20蔵ほどをセレクト。「酒には人柄が現れる。やさしい人が造る、やさしい酒が好きですね」。「夕」で包丁を握っていたときよりも、心なしか川久保さんの表情が柔らかい気がするのは、そんなお酒に囲まれているせいでしょうか。

【BEST MARIAGE】埼玉武州鴨と茄子の治部煮×旭菊 大地 純米

【BEST MARIAGE】
埼玉武州鴨と茄子の治部煮×旭菊 大地 純米(福岡県・旭菊酒造)

猟師が仕留めた野鴨をこっくりと煮た和のジビエ料理、治部煮に、48℃まで温めた「旭菊」を。「燗に付けるとおこげのような香ばしい香りがして、これが鴨の脂の旨みとよく合うんです」。ふっくら広がった味わいが鴨の脂をそっと包んで流してくれる、度量の広い酒。こちらは「ハナレおまかせコース」4,860円の1品。

せきはなれ
TEL:03・5450・5870
住所:東京都世田谷区世田谷3・1・3
営業時間:18:00~翌1:00LO 月定休

春草[ 駒沢大学 ]

彩り豊かな料理と日本酒で目でも口でも味わう和食

世田谷界隈で「旬がいただける和食屋さん」として知られている「春草」。季節の食材をできるだけ詰め込んだ料理の数々。落ち葉や栗などの自然の贈り物も皿に盛り込み、四季折々を丁寧に再現した料理の華麗さは、食べるのがもったいないほど。そして、お供の日本酒には「『食べ物を呼ぶ酒』を揃えています」と語る店主の今井良和さん。和食は、選ぶ酒との組み合わせ次第で、一口ごとに変わるもの。味の変化を存分に楽しめるよう、個性はありつつも、箸が進むようにと爽やかな飲み口の酒を置くよう意識するそうです。また、現代作家ものからアンティークまで、幅広く取り揃えたなかから、自分の盃を選べるのも店での日本酒の楽しみ方のひとつなのです。

【BEST MARIAGE】八寸(コースの中の一品。子持ち鮎の昆布巻き、ゴルゴンゾーラの松風焼き、鱧の山椒煮など)×七田 七割五分磨き 純米

【BEST MARIAGE】
八寸(コースの中の一品。子持ち鮎の昆布巻き、ゴルゴンゾーラの松風焼き、鱧の山椒煮など)×七田 七割五分磨き 純米(佐賀県・天山酒造)

佐賀県産の「七田」(800円)は店の定番銘柄のひとつ。スッキリとして深みのある味わいが特徴で、上品で繊細な味付けの煮物から、こってり濃厚なゴルゴンゾーラの松風焼きまで、どんな和食ともその相性抜群。この酒で口を洗い流すたびに、いくらでも箸が進んでしまうこと間違いなし。基本はコース料理で、4,500円、6,000円、8,500円~の3種

しゅんそう
TEL:03・6450・7818
住所:東京都世田谷区野沢2・5・1
営業時間:11:30~14:00(売り切れあり平日のみ)、18:00~21:45LO 水定休

さくらい[ 学芸大学 ]

料理と日本酒の変化を通して四季の移り変わりを味わい尽す!

閑静な住宅街が広がる学芸大学駅付近で、日夜和食好きな地元の食通の憩いの場が、和食店「さくらい」。旬の魚や野菜を中心に組み立てられた献立は、その日に仕入れた素材次第で内容が変わります。さらに、店で置かれる日本酒は、店主の櫻井正明さん自身が「その季節に一番美味しいお酒を入れたいから」と、??本ごとに厳選して仕入れます。そのため、常に店には、有名どころから、限定もののレアな日本酒まで、さまざまな銘柄が。毎日通っても、料理にも酒にも変化があるので、頻繁に通う常連客も多いのだとか。ここに来れば、その季節の折々に絶対に食べておくべき旬の料理と日本酒が心ゆくまで楽しめる。そんな安心感が人々を惹きつけているのでしょう。

【BEST MARIAGE】百合根饅頭カニときのこのあんかけ×東北泉 吟醸

【BEST MARIAGE】
百合根饅頭カニときのこのあんかけ1,200円×東北泉 吟醸(山形県・高橋酒造店)一合1,000円

同店いち推しの日本酒は、香り豊かな含香が特徴の山形県の「東北泉」。百合根の甘みとあんの旨味がマッチした一品料理「百合根饅頭」とは、1口、1杯重ねるごとに味の深みが増す相性の良さ。さらに「この酒は米料理にも合う」とのことなので、最後の〆には店の看板メニューで、新鮮な紅葉鯛が入った「鯛めし」(二人前2,500円)で

さくらい
TEL:03・3791・9120
住所:東京都目黒区鷹番2・21・17 学大横丁 2F
営業時間:11:30 ~13:30LO、17:00 ~ 22:45LO 水定休

Text:藤村はるな、浅井直子
Photo:宮崎純一(eat photo)、よねくらりょう、柳大輔

※こちらの記事は2014年11月20日発行『メトロミニッツ』No.144掲載された情報です。

更新: 2016年12月26日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop