呑んで食べて1人1万円以下

|嗜む日本酒[7]|
エレガントに日本酒を嗜む和の店「勢いのある新参店」 後編

優雅な設えの中、しっかりした日本料理が食べられてかつ日本酒には一家言あり。程よく2、3杯日本酒をいただき、お腹も満たして1人1万円以下に収まる気前の良いお店をご紹介します!料理とお酒の美味しさに、ついつい杯と皿を重ねて、1万円オーバーしてしまってもあしからず…。

はし本[ 三越前 ]

思わず背筋が伸びる正統派和食と希少酒を

例えば、トマトのコンポートは、火入れせず冷蔵庫で一昼夜味を染み込ませて…。小さな料理ひとつひとつにできる限りの手間暇をかけた八寸には、お店の考えが凝縮されています。「八寸は花鳥風月を表現するお皿。旬の素材に誠実な仕事をするだけなんです」と、控えめに語る店主・橋本眞一さんは、東京の老舗料亭で23年間技を磨いたベテラン料理人。日本酒もご自身でセレクトしています。「珍しいお酒もありますが、あくまで基準は料理に合う〝きれいなお酒?かどうか」。余計なことをしないのが日本料理、とも語る橋本さんの料理には、自ずと洗練された日本酒が選ばれるようです。

【BEST MARIAGE】八寸×呼友 純米大吟醸

【BEST MARIAGE】
八寸(ある日のコースより)呼友×純米大吟醸(新潟県・朝日酒造)

フォアグラとポートワインのにこごり、ゴリの飴炊き、蟹の黄味酢、トマトのコンポートといった9品が彩る八寸には、久保田でおなじみの朝日酒造の秘蔵酒を。グラスから放つ、爽やかな吟醸香が食欲をより引き立てます

はしもと
TEL:03・6225・2456
住所:東京都中央区日本橋本町2・3・6協同ビル 1F
営業時間:11:30 ~ 14:00LO、17:30 ~ 21:00LO 不定休

八丁堀こまつ[ 八丁堀 ]

カウンターでゆったりふくよかな日本酒を

やけに寛げる理由は、まだ残る新木の香りともうひとつ。「カウンターの高さにはこだわりました。お客様と同じ目線の方が寛いでお食事を楽しんでいただけるかと思いまして」と語る、こまつのご主人。ご近所の築地には毎朝出かけるそうで「これからの季節なら、アマダイやマナガツオの焼き物、カニ鍋やフグ鍋もいいですね」。と聞けば飲みたくなるのが日本酒。ご主人の趣味だと言う、特別純米や山廃などうまみが感じるしっかりめの日本酒たちが揃います。自慢の魚料理に合わせた日本酒のセレクトもお手の物。身も心もカウンターに委ねて、ゆっくり杯を傾けましょう。

【BEST MARIAGE】ニシンと茄子の煮物×純米無濾過生原酒 三光正宗 天賦

【BEST MARIAGE】
ニシンと茄子の煮物1,200円×純米無濾過生原酒 三光正宗 天賦(岡山県・三光正宗)950円

5日間かけて作る甘辛なニシンの煮つけ、別鍋で干しエビで炊いた茄子の煮物を1皿に。心地よい酸みと米のうまみをたっぷり感じる「三光正宗」の懐の深さが、味わい異なる2つの煮物を受け止めます

はっちょうぼり こまつ
TEL:03・6280・4673
住所:東京都中央区湊1・2・7 カワジリビル1F
営業時間:11:00 ~ 14:00、17:30 ~ 22:00 日定休

丸しま[ 湯島 ]

幅広いセレクトで日本酒談義に花が咲く

ソムリエの資格も持つ、店主・丸島宏介さんが厳選する日本酒は常時20種ほど。「自分の好み、流行、お客様の薦め、いろいろ揃えています。知らない日本酒を飲むと、料理のアイデアも浮かびますし」。ちなみにこの日は「雁木、新政、獺祭、花垣、豊盃、〆張鶴…」。確かに幅広い! すでに常連さんをつかんでいるのは、美しい料理に器はもちろん、丸島さんの日本酒熱も一因かも。

【BEST MARIAGE】八寸×杉勇 大吟醸

【BEST MARIAGE】
八寸2,200円(2人前)×杉勇 大吟醸山形県・杉勇蕨岡酒造場 900円

いが栗盛り、焼目栗ブランデー煮、きぬかつぎ、秋刀魚柚庵スモーク焼きなど秋の味覚がふんだんに詰まった八寸には、吟醸香控えめで品の良い杉勇の大吟醸。特に秋鯖寿司には、鯖が持つうまみをきれいな酸みが引き立ててくれます

まるしま
TEL:03・3835・1729
住所:東京都文京区湯島3・13・8 湯島不二ビル
営業時間:11:30~14:00 月~金17:30~23:00 土17:30~22:00 日定休

namida[ 下北沢 ]

喜びの涙を流すための美酒と「飲ませる」料理

下北沢の喧騒を離れたエリアにポッと灯った、大人の飲み手に嬉しい希望の光。店主で料理人の田嶋善文さんが、「あくまでも主役はお酒。それに合わせて臨機応変に料理を出したい」と、気の利いた「飲ませる」小皿十品のおまかせコース5000円が基本。かつおだし、みそ、しょうゆと味付けは和の基本を踏襲しつつ、自由に食材を組合せた「ジャパニーズタパス」が楽しめます。

【BEST MARIAGE】鴨の低温含め煮ひじきの焼きリゾット添え×松の司 純米吟醸 竜王山田錦

【BEST MARIAGE】
鴨の低温含め煮ひじきの焼きリゾット添え(コースの中の1品)×松の司 純米吟醸 竜王山田錦(滋賀県・松瀬酒造)

58℃で1時間じっくり煮た鴨はジューシーな味わいのロゼ色に。足腰のしっかりしたボディと淡い甘みのバランスがとれた「松の司」は、田嶋さんの味覚の軸になる酒です。「この酒に自分の料理が合わない時は、軸がぶれている時なんです」

なみだ
TEL:03・6804・7902
住所:東京都世田谷区北沢2・28・7エルフェアシティⅡ 1階
営業時間:18:00~24:00LO 不定休

割烹 わたら瀬[ 渋谷 ]

好みの日本酒に出合えるコニュニケーション重視の店

天然木の飛騨産家具、酒器にも用いられる錫を使用したカウンターで、渋谷っぽくない大人な雰囲気。「だけどカジュアルに和食と日本酒を楽しんでほしい」と語るのは料理長の箱石昇平さん。お酒のサーブもおまかせあれで、対話しながら、お酒も料理も決めていきたいとあえて席数を減らしたそのこだわり。こちらでは日本酒の好みだけ伝えて「あとはおまかせ!」が正解です。

【BEST MARIAGE】鯛と栗の土鍋ごはん×秋とんぼ 山廃 山田錦

【BEST MARIAGE】
鯛と栗の土鍋ごはん(4,000円のコースより)×秋とんぼ 山廃 山田錦(神奈川県・泉橋酒造)1,000円

神奈川県にある泉橋酒造は米を自家栽培するほど米にこだわりを持つ酒蔵。「秋とんぼ 山廃」は、鯛の旨み、栗の甘み、出汁がきいた土鍋ご飯にも負けない、米感満載の1本。酒杯も茶碗もすすむこと間違いなし

かっぽう わたらせ
TEL:03・6427・6141
住所:東京都渋谷区東1・14・12 常磐松マンション1F
営業時間:17:00 ~ 24:00 火定休

Text:辺土名悟(gringo&co)、浅井直子
Photo:鈴木泰介

※こちらの記事は2014年11月20日発行『メトロミニッツ』No.144掲載された情報です。

更新: 2016年12月5日

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