小粋で優雅なプラチナタイムへスイッチする

|21時からのファインダイニング[7]|
中村孝則さん、渡辺康啓さん、清水 将さんが語る
”その楽しみ方”

さて、実際店を訪れるとなったら、願わくば思い切り、その時間ならではの楽しみを満喫したいもの。世界中のレストラン事情に精通し、様々なメディアに食にまつわる寄稿をしているコラムニストの中村孝則さん。料理家として教室を開催するほか、雑誌の連載などを持ち、個性的アプローチで料理を表現する渡辺康啓さん。そして2013年8月のオープン以来、日に日に評価を高める初台のフレンチ「アニス」清水将シェフ。いわば〝客のプロ?である中村さんと〝料理のプロ?清水さん、そしてその双方に関わる立場である渡辺さん。このお三方に、遅い時間ならではの楽しみを伺うとしましょう。言うなれば実践編、21時以降のファインダイニングをより効果的に、思う存分楽しむための指南です。

左)渡辺康啓さん【料理家】
COMME des GARÇONS勤務後、美味しいもの好き、食べ歩 き好きが高じて2007年に料理家として独立。独自の美意識 をいかして、二子玉川のスタジオで料理教室をメインに活動 中。今年6月に初の著書『5分15分30分の料理 シンプルで 美しい68の皿』(マガジンハウス)を発表。お店選びは慎重派 で、最近は決まった店に何度も足を運ぶことが多いとか。

中)中村孝則さん【コラムニスト】
食をはじめ様々な分野で雑誌などのメディアに寄稿。シャンパーニュ騎士団シュバリエ(騎士爵位)の称号を持ち、またノルウェー王国大使館より、ノルウェー初の『Hr.StyleNorway』に任命され、現在、両国を結ぶ親善大使の役割も担っている。名店の厨房に入り看板料理に自ら挑戦した『名店レシピの巡礼修業』(世界文化社)より発売中。

右)清水 将さん【Anisシェフ】
半導体メーカーに1年半勤務後、料理の世界へ。2002年に 渡仏し、リヨンのビストロ、3ツ星「マルク・ヴェラ」、パリの「ア ルページュ」で「肉の魔術師」と言われるアラン・パッサールに 師事。帰国後、銀座のグランメゾン「ラール・エ・ラ・マニエー ル」で料理長を務めた後に独立。2013年の8月、初台に「Anis」 をオープン。

店のことを知り、店にも自分を知ってもらう 。大人の楽しみ方がはじまるのは21時から!

活躍するジャンルの異なる3人ですが、みなさん21時以降の食事情については、共通する意見が多い様子。まずは中村さん、渡辺さんのレストランとの付き合い方から話がスタート。

何軒かは知っておきたい
21時以降に行くべきお店

中村「僕たちの業界では夜遅くまでやってる店を知っていることがマスト。シェフの知り合いも多いから、一緒に食べに行くとなると、どうしても遅い時間になる。ジャンルごとに絞って使えるアドレスをおさえてあるし、常に新しい店を探していますね」
渡辺「僕は夜が更けてきた頃の店の雰囲気が好きなんですよ。すでに店の空気ができあがってて、入りやすいというか。1人でも友人と一緒でも、ふらりと店へ行きたくなる時間帯です」
中村「お店側にも、いい意味でのルーズさがあるんだよね」
清水「ここ『アニス』でも、遅い時間まで働いている方々にも利用してほしくて、この時間アラカルトをやってるんですよ。あと、初台という場所柄、観劇後に来てくださるお客様も多くて」
中村「あ! それで1つ思い出したよ。こないだ女性の仕事仲間と映画の試写に行って、終わったのが21時。その付近で妥協して入った店が良くなくて、気分的に盛り下がったね。せっかく観た映画が『007』だったのに(笑)」
渡辺・清水「それはショック(笑)」
中村「映画や舞台って、観た後の余韻を残したいじゃない?そんなとき行く店はやっぱり雰囲気が良くないと。近場で探しまわるくらいなら、すぐタクシーを飛ばしてお気に入りの店へ向かうのも、エンターテイメントになって面白いと思う」
清水「あと、この時間使えるレストランを知ってるって、少しツウっぽさもありますよね。スマートに誘える感じ」
渡辺「確かに。バーに誘うよりカジュアル。この店は21時以降になるとね…って誘い文句もいいじゃないですか」

21:00からのファインダイニング ”楽しむための6つのポイント”

1|普段から21時以降でも入れるレストランの情報をチェック。思いたったときにすぐ動けるよう、いくつか持ち駒をそろえておくべし!

2|シェフとの会話をより楽しめるのが21時以降という時間帯。料理や食材の話に花を咲かせたいならカウンター席へ。しかも定位置をチェック。

3|オーダーの仕方に迷ったら、まずはおおまかな予算と、どのくらいの腹具合かを伝えてみるのもおすすめ。店の実力も知ることもできます。

4|たった1回の来店では、その店の良さが把握できないもの。その後も何回か通うつもりで、シェフやスタッフとコミュニケーションしてみては。

5|オーダーの際は、シェフをやる気にさせる注文をしてみるのも◎。これもコミュニケーションです。でもわがままや無茶ぶりは禁物!

6|なじみの店のシェフに、オフの時間どの店へ食べに行くか聞いてみよう。閉店後シェフたちが集まる店は、名店の確率高し!

Text:唐澤理恵
Photo:加藤純平

※こちらの記事は2013年12月20日発行『メトロミニッツ』No.133掲載された情報です。

更新: 2016年11月10日

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