カルチャーミックスが生んだ焼肉という芸術品

|東京ミートアカデミー[6]|
?焼肉学部 カルビ専攻?
[5限目]目利き Learning of Evaluation

家焼きのための〝目?を養う。
家でも美味しいカルビが食べたい人のための、肉の目利きから教わる肉と、肉屋さんの選び方。また、目利きにこっそり教わった、目利きの店もガイドします!

[5限目]目利き Learning of Evaluation 学講師 肉の田じま 田島雅之先生

たじま・まさゆき

1階が精肉店、2階が焼肉、3階がすき焼き・しゃぶしゃぶ・ステーキと、ビル丸ごとお肉の殿堂という「肉の田じま」の専務取締役。毎日芝浦の食肉市場に出かけ、自らの目で目利きして肉を買い付けてくるエキスパート。

今日は家で焼肉だ!という時に、普通に困るのがお肉をどうするか、である。近所のスーパーのお肉でいいのだろうか。買う時はどういう基準で選んだらいいのだろうか。というより、美味しいお肉というのはそもそも何処で買えるのだろうか。そうだ、タレも用意しなければ…。こういった具合に、買い物に行く前の時点からハードルが上がりまくり、仕舞いには今日はよしておこう、という結末にもなりかねない。
でも、いつまでもお肉選びから逃げていてはいけない。そこで今回は、江東区は扇橋にある肉の名店「肉の田じま」の専務取締役、田島雅之さんに〝目利き?の知恵を指南していただいた。この店、最寄りの住吉駅からは徒歩10分ほど、近くに他の商店もないような場所でありながら、ひっきりなしにお客が訪ねてくる。しかもその多くが、田じまを目当てに車を飛ばしてやってくる、遠方のお客さんであるというほど、田島さんの目利きには定評がある。「うちは東京食肉市場で競りにも出ていますが、肉を見る時に注目しているのは大きく3つ。〈肉の色〉〈サシの入り具合〉〈脂のつき具合と脂の色〉です」と、田島さん。一般的に、脂の色は白っぽい方が甘みがあるとされているそうで、和牛や国産牛の脂は白っぽく、オーストラリア産は黄色っぽいのが特徴。また、「サシ」というのはお肉の内部の脂のことを指すが、上カルビともなると、花が咲いたような美しいサシが入る。脂のつき具合は「歩留」とも関係しているが、サシとは別に肉のサイドに付いている余分な脂のこと。「余分な脂の残し方によって、肉の値段は変わってきます。当然、脂がたくさん付いていれば、その分の目方も増えますから肉の値段は安くなります。でも、多少値段が上がってしまっても、周りの脂やスジをしっかり外すなど、ちゃんと〝仕事?してあるお肉屋さんは信頼していいと思います。また、最近は手切りのお店自体も少なくなっていますが、そういったこだわりのあるお店を探してみるのもいいと思います」
これは予測でしかないけれど、仕入れにこだわっているお肉屋さんほど、そのお肉を最大限に美味しく食べてもらうための〝仕事?にも余念がない、と、言えるだろう。逆に言えば、仕事が丁寧なお肉屋さんであるならば、肉質でハズすことも少ないのかもしれない。美味しいレストランが、仕入れにも料理にもこだわっているように。
もちろん場数を踏んで経験値を上げねばならないが、いいお肉屋さんに出合いたければ〝仕事?を見る。これがきっと、先決だ。
最後に、田島さん流・家焼きのコツ。「できれば網で焼くのが一番ですが、ホットプレートなら、脂がしっかり落ちるよう波型プレートを推奨します。タレは漬け込んだりせずに、焼く前にさっと付ける程度で。シンプルに、塩こしょうか、わさび醤油で食べるのもおすすめです」

カルビが美味しいSHOP GUIDE

目利き指南をしてくださった「肉の田じま」をはじめ、最高のコストパフォーマンスで旨肉が入手できる良心店をご紹介。家焼きの魅力が100倍アップします。

吉澤商店 築地

国産黒毛和牛バラカルビ用(1,480円/220g)

銀座で高級割烹も営む仲卸「吉澤」の肉をデイリープライスで入手可能

東京食肉市場の仲卸でもある吉澤。その目利きによる肉が銀座「吉澤」の精肉部で買えるのは有名だが、築地場外市場でも買えることは案外知られていない。骨付で長期熟成させた雌牛のみを揃えた銀座に対し、築地では骨付熟成こそしないものの、肉質の良い肉を安く提供することに心血を注ぐ。目利きのコツを仕入れを一手に担う吉澤畜産の吉澤直樹社長に伺うと、答えは単純明快「経験と直感」。超一流の目利きをリーズナブルに!

TEL:03・3451・4656
住所:東京都中央区銀座3・9・19築地場外市場
営業時間:7:00~14:00 日・祝・市場休市日定休
※カルビは黒毛和牛の雌牛のバラを使用。

肉の田じま ミート&デリカ

(左)和牛上カルビ(840円/100g)、(右)和牛カルビ(630円/100g)

芝浦の食肉市場に自ら買い付けカルビはもちろん、内臓系に滅法強い!

同ビル内で営む焼肉店も評判の田じま。1階のミート&デリカでは、焼肉店で提供しているのと同じカルビが、良心価格で買えるのも素敵である。カルビは、しっとりと旨みのあるバラの部分で、みすじやざぶとんといった希少部位も並ぶ。また、内臓系の卸問屋でもある田じまでは、小腸やハツモト、上ミノなどホルモン系が非常に充実している。「競りで実際に牛を見て買えるのが最大の強み。品物には自信があります」

TEL:03・3649・4419
住所:東京都江東区扇橋1・4・1
営業時間:10:00~19:30 日・祝定休
※カルビは他に「豪州産カルビ」(370円/100g)、「豪州産味付けカルビ」(350円/100g)も。

明治屋 広尾ストアー

(左)短角牛カルビ焼肉用(680円/100g)、(右)黒毛和牛カルビ焼肉用(1,250円/100g)

黒毛和牛はA5ランクの雌牛のみスーパーでは珍しい、短角牛の扱いも

目利きの担当社員が東京食肉市場の競りに直接参加し、全店分を一括で仕入れる。黒毛和牛はA5等級の雌牛のみで、店の奥にて手作業で〝仕事?が施される。その他、赤身が多く柔らかで肉自体の味わいが深いのが特徴の、和牛の一種の短角牛(日本短角種)や、脂肪の少ない国産牛の交雑牛も。黒毛和牛は「値段だけを見たら確かに高いかもしれませんが、牛肉のレベルを考慮すればお値段以上であると思います」と、自信の肉が揃う。

TEL:03・3444・6221
住所:東京都渋谷区広尾5・6・6広尾プラザ1F
営業時間:10:00~21:00 無休(休館日あり。年末年始は1/1~3休)
※取り扱っている黒毛和牛は基本的に、ブランド牛である松阪牛、米沢牛、前沢牛、奥沢牛が中心。

クイーンズ伊勢丹 品川店

国産クイーンズ黒毛和牛カルビ焼肉用(肩ロース)(980円/100g)

A4以上の国産黒毛和牛雌牛を一頭買いで仕入れるこだわりよう

都内を中心に店舗展開をするクイーンズ伊勢丹。精肉は全ての店舗共通で、脂の融点が低く、常温で脂と肉がよく馴染むという雌牛のみを、岩手、宮城、茨城、山形の4県から仕入れている。数ある店舗のなかでも品川店は、駅直結の好立地に加えて食肉市場にも近いため、競りにこそ出ることはないが、じかに肉を見る機会が多くスタッフの知識も豊富。ちなみにトモサンカクやイチボなどの希少部位は予約で完売してしまうほどの人気。

TEL:03・6717・6262
住所:東京都港区港南2・18・1アトレ品川3F
営業時間:10:00~22:00 無休(年末年始休)
※カルビは主にバラ、肩ロースを使用している。

※現在一時閉店

Text:根本美保子
Photo:柳大輔

※こちらの記事は2011年1月20日発行『メトロミニッツ』No.098掲載された情報です。

更新: 2016年11月2日

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