ここ数年で続々とオープン!東京“ハイカジ”中華料理店

|東京ハイカジ中華[9]|
名店から独立した店主が営む店

有名ホテルや、高級中華料理店、名シェフが腕を振るう店で磨いた実力。それを自分の目の届く範囲の規模感で、自らの中華料理を表現している、そんなチャレンジングでインディペンデントな中華料理店はこちらです!

神楽坂/膳楽房 ゼンラクボウ

名店の遺伝子が目指す、ネオクラシックな中華

「マスターは、冷蔵庫を開けてその場で次に何を作るか考えるんですよ。応用力がかなり鍛えられましたね(笑)」と、修業時代を振り返るオーナーシェフの榛澤知弥さん。オープン前に年学んだお店は、知る人ぞ知る幡ヶ谷の名店『龍口酒家』。あっと驚く食材使いや化学調味料不使用の滋味深い味が堪能できるお店から榛沢さんが受け継いだのは、クラシックな料理を見直す、ということ。30~40年前に出版された陳建民他著の『中国料理宴席料理』を手に取りながら榛澤さんは続けます。「単に昔を懐かしむのではなく、基本に忠実な料理を掘り下げたくて。お世話になった前店は、シェフおまかせコースがメインのため、ある意味アヴァンギャルドに見られがちでしたが、軸足は昔ながらの素材を生かす料理。自分も、その上で個性を加えていけたらと思います」。独立時には、元同僚で年のキャリアを持つ台湾出身のシェフ、張さんと組み、好きだった小岩『楊州飯店』のジューシーな腸詰を再現するなど、独自の取り組みも展開。届いた食材を眺めながら2人で当日のメニューを相談する姿からは、一つの研究テーマに取り組むような熱心さが伝わります。そうそう、ちなみに、お店のロゴに、小さく添えられた「ZENLab.」(ゼンラボ)という文字。「実は、中華料理の研究所みたいになれたらと思って…」。理系出身シェフは、今日も静かに探究心を燃やしているのでした。

左.この夏登場の冷やし担担麺950円(夜1,100円)。ねりごまのタレは『龍口酒家』仕込み。そこに台湾の沙茶醤(干しエビなどのピリ辛ソース)やピーシェン(四川省にある有名な豆板醤の産地)の豆板醤を加えて独自に進化させた/右.もたれないやさしく深い味わいに、名店出身の系譜が見てとれる。金針菜と海老の炒め1,250円

左.背中から割った海老はふわふわの食感下左.自家製の甜麺醤、豆板醤が添えられた思い入れのある腸詰850円/右.もともと台湾料理が好きだっただけに、自家製の台湾風干し肉なども厨房に待機している

神楽坂/膳楽房 ゼンラクボウ

TEL:03・3235・1260
住所:東京都新宿区神楽坂1-11-8
営業時間:11:30~14:30、17:00~22:00LO

中目黒/胡桃茶家クルミチャヤ

フレンチのエッセンス満載!“河野料理”をどうぞ!

かつてベルギー料理店だったというモダンな店内。そこでいただけるのは美しく盛り付けられたひと皿。一見すると「フレンチ?」と思いつつ、箸をとればふと中華に出合う…。オーナーシェフの河野利之さんは調理師学校時代より中華一筋に経験を積み、ヌーベルシノワの先駆者である脇屋友詞シェフのもと腕を磨いてきました。その後、中国料理『翠嵐』の副料理長を経て独立し、かねてより思い描いていた「中華の枠を越える」という自身の理想を形にしたのが、ここ『胡桃茶家』です。料理の決め手となっているのは、料理に合わせて20種類以上を使い分けているという色とりどりのソースです。訪れる人のほとんどがオーダーするという「十種十彩ちいさな前菜の盛り合わせ」には、一皿に7種類ものソースが用いられ、味にアクセントを加えるだけでなく、宝石のようなきらめきを添えています。そんな中、確かな中華料理らしさを感じさせてくれるのが、山椒やネギ、ニンニクなど、中華特有の香り高さ。「香味野菜やスパイスの使い方で中華という軸がブレないようにしています。でも、僕は中華の料理人という感覚はあまりなくて、ジャンルに縛られない"美味しいものを作る人"でありたい」と河野さん。だからこそ、胡桃茶家のコースは次にどんな料理、どんな味に出合えるのか、ワクワクが桁違い。大人の遊び心を満たしてくれるレストランとして、知っておきたい一軒です。

前菜の盛り合わせの内容は人参、絹皮なすなどの珍しい野菜も並ぶ。低温調理でジューシーさを引き出した鶏肉、コリコリとしたクラゲなど、味、香り、食感と様々なバリエーションも楽しめるひと皿です

「仔羊のロースト特製ネギソースでどうぞ」はコースのメイン料理として。4カ月までの子羊を6カ月間熟成させたその肉は、柔らかくクセがない。1種類ほど揃う「工芸茶」もこちらのウリの1つ。ポットの中で、ゆらり揺れながら大きな花開く。食後のひと時を美しく演出してくれます

中目黒/胡桃茶家 クルミチャヤ


TEL:03・5708・5692
住所:東京都目黒区東山1・21・26Q.G.HIGASHIYAMAB1F
営業時間:12:00~14:30LO、18:00~23:00LO日定休(月はランチ休み)

阿佐ヶ谷/ビストロシノワ陽 ビストロシノワヒナタ

中華の油っぽい印象を払拭したいと、あっさり食べ疲れない料理を提供する小川シェフ。年配の方には薄味に仕上げたり、気遣いもうれしい

まかない飯が店の原点!創作中華の新星、住宅街に現る

洋食店風の外観に、店名は「ビストロシノワ」。ともすると中華料理店とは思えない風貌ですが、「なんの店かなと思ってもらっていいんです」と話すのは、若き店主、小川陽介シェフです。専門学校を卒業後、「銀座アスター」で年ほど修行した小川シェフ、当時のまかない当番の経験が店の原点なのだとか。「毎日中華だと飽きられるので、独自にアレンジを加えて作るのが面白くて」。メニューにはオーソドックスな中華料理も並びますが、黒板に掲げられた週替わりメニューはじめ、創作系料理こそが小川シェフの真骨頂。「今ハマり中」というバジルをソースに使った海老チリは、イタリアン風味の新感覚中華。住宅街の新店と侮るなかれ、未経験の楽しさが待っています。

右.天使の海老のバジルチリソース1,050円。中華にバジル、これが驚くほど合う!左.マコモダケの天ぷら特製ソルト900円。特製ソルトには、干し海老や干し貝柱、ベーコンやフライドガーリックを混ぜて

ウッディな店内

阿佐ヶ谷/ビストロシノワ陽 ビストロシノワヒナタ


TEL:03・5364・9835
住所:東京都杉並区阿佐谷北4・6・29
営業時間:11:00~14:00LO

六本木/CHINA三丁目 チャイナサンチョウメ

「常連さんは電話口の声だけで、誰だか分かります」と語るのは店長の蔡さん

老舗中華料理店出身の黄金コンビによる上海料理

住所から決めたというわかりやすい店名とは裏腹に、本格的で複雑に味が重なる上海料理と最上級のサービスを味わえるのがこのお店の魅力。というのも、『中国飯店』で料理長を歴任してきたシェフと、同店で年間総支配人を務めた店長・蔡さんの2人がタッグを組んで独立。フカヒレや鮑をはじめ高級食材を使用しつつも、酒麹や豆板醤といった調味料は手作りしコストを抑え、お値段はカジュアル。例えば「大正海老の自家製酒麹辛味炒め」は厳選した大正海老を酒麹などの自家製調味料でうま辛に炒め、高級店をしのぐ唯一無二の味わい。料理もさることながら、スタッフひとりひとりのホスピタリティと蔡さんのフレンドリーな人柄で、絶妙な居心地の良さを実現しています。

左「.大正海老の自家製酒麹辛味炒め」2,700円。エビのぷりぷり食感がたまりません/右.「干し豆腐とシャンサイの家庭風和え物」1,080円は、あっさりとした味付けで女性に人気

六本木/CHINA三丁目 チャイナサンチョウメ

TEL:03・6804・2898
住所:東京都港区西麻布3・20・3
営業時間:11:30~14:30、17:30~22:00L.O日定休

Text:唐澤理恵、三宅あゆみ、浅井直子、河島まりあ
Photo:片桐圭、牧田健太郎、加藤純平

※こちらの記事は2014年7月20日発行『メトロミニッツ』No.141に掲載された情報です。

更新: 2016年11月28日

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