|TOKYO BEERNIST[3]|
世界のビアニスタの動向

クラフトビールのトレンド発信地は自由で伝統に縛られないアメリカ。しかし、その源流はヨーロッパにあります。最近人気となっているセゾン、サワーエール、ゴーゼなどのスタイルはヨーロッパ発祥。アメリカのSTONEブルワリーがドイツ・ベルリンに醸造所を作り話題になりましたが、スコットランド発祥のブリュードッグはアメリカのオハイオ州コロンバスに醸造所を建設中です。今、ビールの世界はグローバルに変革が進み、国という単位に縛られず、誰がどんなスタイルの革新的なビールを作ったか、が注目される時代となっています。

今、ビールが熱い国のトレンドと醸造所数

アメリカ(醸造所 4100箇所)
醸造所の数はあっという間に全米で4000を越え、禁酒法以前の数を上回りました。クラフトビールの輸出も増え、日本へも大量に輸入されるようになっています。クラフトビールの発信地として目が離せません。

オーストラリア(醸造所 200箇所)
オーストラリアは、近年新しい品種のホップ生産地として評価されています。ネルソン・ソーヴィン、ギャラクシーというホップが大人気。大手メーカーとマイクロブルワリーが協力してビール人気を盛り上げています。

台湾(醸造所 20 箇所)
台湾では2002年にマイクロブルワリーが解禁され、20社以上の醸造所があります。クラフトビールが若者の間で好まれ、台北には20TAPのクラフトビール専門店が開店し人気です。

ベルギー(醸造所 160箇所)
ベルギービールと言えば伝統的と思われがちですが、実はベルギーは世界の革新的なビールも作っています。例えば、現在醸造所建設中のファーイーストブルーイングの「馨和」を作っている醸造所はベルギーにあります。

フランス(醸造所 500箇所)
フランスにおいては若者がワインに負ず劣らずビールを好むようになっているそう。マイクロブルワリーも増え始め、パリではブルワリーパブやTAPが24個もあるクラフトビアレストランが開店し人気となっています。

イタリア(醸造所 800箇所)
今、イタリアでも空前のクラフトビールブーム。醸造所が2年で2倍になり800カ所。人気のビアスタイルもドイツ発祥の、酸味があるビールに塩を加えた「ゴーゼ」が人気なのだとか。食に合わせるイタリアならでは。

ドイツ(醸造所 1350箇所)
ヴァイツェンなどの伝統的なスタイルのビールが作られているドイツにおいても変革が押し寄せています。今まではなかったペールエール、IPAなどがドイツの流儀で作られ、品質の高さから輸出するまでになっています。

イギリス(醸造所 1700箇所)
この5年間で1000以上の醸造所がオープンし、ロンドンではクラフトビールが大人気。ロンドンだけで5 0 以上の醸造所がありブリュードッグをはじめとした新しいスタイルのビールに注目が集まっています。

世界に羽ばたく日本のビール

今、日本の4大ビールメーカーは積極的に海外のメーカーを買収したり、アジアに工場を建設して世界に市場を展開しようとしています。日本のクラフトビールも、海外の著名な審査会で数々の金賞を受賞した品質の高さを背景に輸出が増えてきました。木内酒造の常陸野ネストは30ヶ国以上、COEDOやFar Yeast は、10ヶ国以上にビールを輸出し好評を博しています。特に常陸野ネストは、2000年代にホワイトエールをアメリカに輸出し、アメリカのクラフトビール業界がウィートビール(小麦のビール)の魅力に気づくきっかけとなったと言われています。品質の高いビールを作り続けている日本のクラフトビールは今後さらに世界に羽ばたくことでしょう。

国際的な品評会で日本のビールが大活躍!

「ワールド・ビア・カップ2014」
サウスジャーマンスタイル ヘーフェヴァイツェン部門シルバーメダル受賞
「ヴァイツェン」(富士桜高原麦酒/山梨県)

「ヨーロピアンビアスター・アワード2015」
ジャーマンスタイル・シュヴァルツビール部門 ゴールドメダル
「漆黒ーShikkokuー」(COEDO/埼玉県)

「ブリュッセルビアチャレンジ2015」
ラガー・インターナショナルスタイル
ピルスナー部門 ゴールドメダル
「アサヒスーパードライ」(アサヒビール/東京)

「ワールド・ビア・アワード」
ワールドベスト スモークフレーバービール ゴールドメダル受賞
「ラオホ」(田沢湖ビール/秋田県)

Text川野亮(クラフトビール東京)
※こちらの記事は2016年3月20日発行『メトロミニッツ』No.161に掲載された情報です

更新: 2016年10月25日

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