この1品にはこの1本!を紹介してもらいなか゛ら巡る

|和食とワイン[11]|
東京「和食とワイン」の名店
その先駆けの店「小田島」 ー六本木ー

ワインか゛料理を、料理か゛ワインを、互いに良いところを引き出してくれる。「この組み合わせか゛たまらない!」とその店の店主やソムリエか゛自信を持って提案する「和食とワイン」をせ゛ひこ゛堪能くた゛さい!

約80種をク゛ラスて゛提供するワイン好きの遊園地

ムッシュの愛称で親しまれる店主の小田島稔さんは、1969年からパリで3年のワイン修業を経て開業。「和食とワイン」のパイオニアであるとともに、当時、前衛的だった名物メニュー「フォアグラ大根」の生みの親でもあります

和食とワインのメリーコ゛ーラント゛に酔いしれる

創業から年。親子2代、3代に渡って通うファンも多い「小田島」て゛は、ワインをホ゛トルて゛注文する人はあまりいません。というのも、料理に合わせたク゛ラスワインをおまかせして、次々と替えなか゛ら愉しむ人か゛ほとんと゛た゛から。

料理もおまかせコース1本なのて゛、言わは゛「全てを委ねる心地よさ」。ムッシュの稔さん、マタ゛ムの美智子さん、若旦那の大祐さん一家によるおもてなしには押し付けや気取りはカケラもなく、ふわりと自然に身を委ねているうちに、満足た゛けを残して時間か゛過き゛ていくという感覚。

そんな訪れる人を魅了し続ける元祖「和食とワイン」のマリアーシ゛ュを解説してくれたのは、ソムリエて゛もある大祐さん。ある日の献立を再現してもらいました。コースの幕開けはイカの塩辛とシャンハ゜ンという、セオリーを覆す組み合わせ。

水揚け゛から3日以内のスルメイカか゛なけれは゛作らないムッシュ自慢の逸品て゛、刺身のようにフ゜リフ゜リのイカか゛クセのない肝のコクをまとい、塩辛の概念を変える味わいて゛す。「食事の始まりには、骨格のはっきりした組み合わせか゛ひ゜ったり。

味付けのしっかりした塩辛と柚の香りに、熟したフ゛ト゛ウの風味て゛飲み応えのあるシャンハ゜ンの酸味か゛つなか゛り、食欲も増進してくれます」と大祐さん。そして、忘れてはならない名物と言えは゛「フォアク゛ラ大根」。

ムッシュか゛年前に考案した不朽の逸品て゛、「世界一!」と自信を持ってすすめるのか゛貴腐ワインとのマリアーシ゛ュ。そこには和食た゛からこその秘訣か゛!

フレンチではフォアグラにソースで甘みを足すのが王道ですが、こちらのフォアグラは油を引かずにソテーしてふろふき大根に乗せ、かつおだしと塩でまとめたあっさり味。料理に余分な甘さがないため、貴腐ワインの上品で自然な甘みがソースになり、口の中で一体になった旨みが何倍にも膨らみます。

世界に誇れる「和食とワイン」です。お造りひとつ取っても、刺身醤油を添える時は香ばしいニュアンスが醤油と共通するブルゴーニュの赤、塩で食べるなら柑橘系の酸味と塩味がある重厚で華やかな白を選び、両者の塩味で魚本来の華やかな旨みを増幅させます。

このような縦横無尽の組み合わせを可能にするワインは80種をグラスで提供しており、1杯を2人分に分けてもらって多種類を味わうことができるのも贅沢。ちなみに、料理とワインの相性を最も感じられる食べ方は、料理を飲み込んでからその香りや余韻の中でワインを流し込み、口の中で咀嚼することだそう。

「料理もワインも懐の深いもの。教科書通りに合わせるだけでなく、会話の流れの中で自然に〝美味しい?と感じていただけるのが一番嬉しいですし、それが和食とワインの理想の形だと思います」と大祐さん。「フォアグラ大根」と「牛ヒレ炭火焼」以外のコース内容は日替わりなので、「次はどんな組み合わせが出てくるんだろう」と予想するのも愉しい時間。次々に登場する期待以上のマリアージュは、和食とワインが織り成す美味なる懐へグッと引き込んでくれます。

(写真右)シャルトーニュ タイエ
フランス/シャンパーニュ
シャルドネ、 ピノ・ノワール
【1品目 先付け】
スルメイカの塩辛 イカの甘みと柚の香り、泡がきめ 細かく旨みの強いシャンパンの酸 味が相乗効果を生む

(左写真) シャトー ルーミュー 2009
フランス/ボルドー
セミヨン、 ソーヴィニヨン・ブラン他
【4品目 フォアグラ大根】
フォアグラ大根大根の旨みがフォアグラの脂を 和らげ、貴腐ワインの甘みが料 理のソースになって旨みを増幅

|2品目「先付」

わかめとくらげの酢の物
グリューナーヴェルトリーナー2011
オーストリア/トライゼンタール
グリューナー・ヴェルトリーナー
酸味とミネラル感のあるスッキリした白ワインが酢の物の酸味と同調して味わいが倍加

|3品目「前菜」

蟹の羽二重豆腐といわしの甘酢漬け
ペルナンベルジュレス2008
フランス/ブルゴーニュ
シャルドネ
酢漬けとアクセントのトマト、ワインの酸味が同調し魚介や大豆の旨みを膨らませる

|5品目「お造り」

鮪と平目の刺身
モレサンドニ2007
フランス/ブルゴーニュ
ピノ・ノワール
優しく上品な香りのブルゴーニュの赤と醤油に共通する香ばしさが刺身の甘みを際立てる

|6品目「煮物」

帆立とあさりの揚げ真丈と春野菜の炊き合わせ
キャンティ2009
イタリア/トスカーナ
サンジョヴェーゼ
揚げ真丈が持つ魚介の旨みと春野菜の旨みに、重すぎず優しい渋みの赤ワインが同調しながら絡み合う

|7品目「メイン」

牛ヒレ炭火焼
ロックドカンブ2010赤
フランス/ボルドー
メルロ、カベルネ・ソーヴィニヨン他
レアに焼いた血の滴るヒレ肉とフルボディの赤の鉄分や渋み、コクが相乗効果で溶け合う

小田島おだしま

1976年の創業時より「和食とワイン」を提唱する割烹料理店。日替わりのおまかせコース(7,000円)と、グラスワイン5~6杯飲んで15,000円が目安。ワインはフランス中心にヨーロッパ各地から厳選した約100種を用意

小田島

住所:
東京都港区六本木7・18・24
TEL:
03・3401・3345
営業時間:
18:00~24:00(22:00LO)日・祝・第2・第4土定休






Text:松本典子
Photo:sono(bean)

※こちらの記事は2014年3月20日発行『メトロミニッツ』No.137に掲載された情報です。




更新: 2016年10月25日

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