一日三食が無形文化遺産に!?

|語る和食[12]|
実はよく知らない!?「和食の基本」〜うま味とだし〜

普段、何気なく使う「和食」は、日本的な料理を指すだけではなく、それにまつわる行事や季節感、地域性を含む総称。つまり、和食=伝統的な日本の食文化ということで、ユネスコの無形文化遺産に登録されたわけです。そんな和食の基本を、おさらいしてみましょう。

【うま味とだし】

全国に目を向ければ、各地でさまざまなうま味食材が使われています。

和食の味わいを決める大切な役割を持つのが、だし。汁物や煮物など、さまざまな料理のベースとして使われています。江戸時代のとある料理書には「だしこそ料理の根本である」だなんて書かれていますが、だしに含まれている「うま味」が、そもそも料理の美味しさを決めるといっても過言ではありません。

うま味とは、1907年に、池田菊苗博士によって世界で初めて発見された味覚のこと。甘味・塩味・酸味・苦味に加えて第5の味覚として世界でも知られていますが、その素になるのが、アミノ酸と呼ばれる"うま味成分"。

例えば昆布にはグルタミン酸という名のアミノ酸が、そして鰹節にはイノシン酸というアミノ酸がそれぞれ多く含まれていて、例えばその両者でとった「だし」を料理のベースとして使うことで、野菜や魚など、肉や脂に比べて淡白な味わいの食材を美味しく食べる工夫が、「和食」では古来から重ねられてきました。

しかも、例えば昆布と鰹節でとる一番だしや二番だしのように、異なる種類のアミノ酸を掛け合わせることで、人間が感じるうま味が数倍にもなるという知恵が「和食」では多用されます。

昆布(グルタミン酸)+鰹節(イノシン酸)=一番だし・二番だし

[+]昆布(グルタミン酸)
だしのとり方は、魚介や野菜から水や湯を使ってうま味成分を抽出するのが一般的。だしの素材として最もよく使われるのは、昆布と鰹節。昆布の産地は主に北海道で、産地によってだしの味わいも異なります。その他、一部東北沿岸部で採れるものが出回っています。

[+]鰹節(イノシン酸)
鰹節は微生物の力を使って作られる発酵食品でもある。いぶした鰹の表面にカビ付けを4回ほどおこない、鰹本体の水分が抜くと同時に、熟成させることで、上品で豊かな魚の持つ本来のうま味を引き出します。水分が抜けきった本枯れ節は「世界で一番硬い食物」とも。

[=]一番だし・二番だし
昆布を存分に煮出した後に、削った鰹節を加えて漉す一番だし。漉したあとに再び追い鰹をしてもう一度とる二番だし。昆布と鰹節を単体で煮出しただしと比べると、昆布と鰹節が掛け合わされることで、人が感じるうま味が数倍にも膨れ上がると言います。

=====その他のうま味食材たち=====

煮干し

小魚を煮て、乾燥させて作る煮干し。材料はカタクチイワシが代表的ですが、ウルメイワシやキビナゴ、トビウオなどの比較的魚体が小さな魚を使うのが一般的。

ほたて貝

例えば「XO醤」など、中国料理にも頻繁に使われるほたて貝の干貝柱。その他、貝を乾燥させてだしに使うケースとしてはアワビを干した熨斗鮑なども。

干し椎茸

うま味成分を多く含む椎茸も、だしをとる目的で使われてきた食材のひとつ。だしに使用するのは干したもの。椎茸は乾燥させることでうま味や香り成分が増すためです。

焼き干し

あらかじめ頭と内臓を取り除いたカタクチイワシを、時間をかけて炙ってつくる焼干し。雑味のない上品なだしがとれるけれど、製造に手間がかかる稀少品です。

はまぐり

はまぐりの潮汁のように、食品そのもののうま味を活かす方法も。アサリやシジミなどは、乾燥や熟成などの加工を施さずにそのまま調理することが多い。

干しえび

煮物や汁物のだしとして、乾燥させたエビを使う地域も。頭の部分を取り除いてから使うと、雑味の少ない上品な味わいのだしがとれるそう。

Text:メトロミニッツ編集部

※こちらの記事は2014年1月20日発行『メトロミニッツ』No.135掲載された情報です。

更新: 2016年12月10日

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