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|WASHOKU GOOD NEWS[5]|
近い将来、和食が日本から消えてなくなる!?
【和食クライシス】

今、世界中で和食が楽しめるようになった一方で、「このままでは日本に本物の和食はなくなる。和食 は特別化し、日本人から遠く離れた存在のものになるでしょう」と警鐘を鳴らすのは、日本料理「銀座 小十」の奥田透さんです。一体どういうこと?その原因は、実は私たち自身にもあるんです。

他人事じゃない!あなたをドキッとさせる5つの“危機”チェック

和食の基本、どれだけ分かりますか?これらの項目は、少し前の日本ならば、いわば「常識」。自分の危機的状況が分かるかも…。

□おせち料理の「田作り」どんな意味がある?

□初ガツオ、戻りガツオ、それぞれいつが美味?

□「嫌い箸」(きらいばし)の作法を子どもに教えられる?

□みそ、しょうゆ、酢、みりん。“発酵”の力で作るのは?

□そもそも和食って食べていますか?

【1】おせち料理の「田作り」どんな意味がある?

「和食が日本からなくなる」。ちょっと衝撃的ですが、「小十」奥田さんはこう話します。「和食は身近なものと感じているのに、作っても食べてもいないという人が増えています。実は和食は身近でもなんでもない。このままでは、和食の作り方も食べる場所も日本にはなくなり、むしろ和食店が増加している海外で食べるものになりかねません」。いやいやまだ大丈夫、私は和食が好きだし!そう思ったあなた、このチェック項目にどれだけ答えられるか、まずはお試しあれ。

さて、1つめはおせち料理からの出題です。おせちにはたくさんの料理が詰められますが、ごまめに甘辛いタレを絡めた「田作り(たづくり)」は、昔田畑の肥料として小魚が撒かれたことから、五穀豊穣の願いが込められたもの。その他、数の子には子孫繁栄、海老には長生き、昆布巻きには健康長寿など、それぞれに意味があるのです。日本人は昔から、豊かな自然の恵みの中に、神、つまり霊的な存在を感じ、年中行事のたび、福招きや厄除けといった神さまへの願いを食事に込めてきました。

ちなみに年中行事には正月の他、七草粥を食べる「人日(じんじつ)」や草餅を食べる「端午」などの節句、お盆、お月見、さらにお花見も含まれています。結婚式やお食い初めといったいわゆる人生儀礼も同じこと。邪気を祓う赤色の赤飯や、「めでたい」赤い魚である鯛を用意する人も多いはずです。誰もが無意識に食べているこうした料理のベースには、和食が最も大切にしてきた、「感謝」「祈り」などの思いが込められています。和食を食べなくなることは、日本人が昔から感じていた、自然と繋がる心が希薄になることに他なりません。

おせちを食べる人が減っている

お正月におせち料理を食べた人の割合
もっともポピュラーな年中行事料理のおせちでさえ、食べる人がじわじわと減少中。1992年に86.6%だった食べた人の割合が、2014年には71.7%に。さらに男性20代のデータだけ見ると、2014年は49.1%。これは家族や親戚で集まる機会が減ったことも意味している。

出典:博報堂生活総合研究所「生活定点」調査

Text:唐澤理恵
グラフ:groovisions


※こちらの記事は2016年2月20日発行『メトロミニッツ』No.160掲載された情報です。

更新: 2016年10月23日

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