一日三食が無形文化遺産に!?

|語る和[5]|
東京(近郊)の名店をめぐりながら、食べて学ぶ本当の「和食」

家庭的な料理で心を尽くす店
[六本木]さだ吉 鎹

「和食」が「日本の伝統的な食文化・和食」と言えるのは、下の4つの特徴が備わっているから。日本の豊かな自然の恵み"食材"、趣向を凝らした"料理"、健康的な"栄養"、食の場を覆う"もてなし"。これらをそれぞれ頭に入れていただいたなら、さあ、実際に心身共に「和食」を体験できる名店へご案内いたしましょう。

==============「和食」の4つの特徴==============

1.「もてなし」
主人からお客へのサービスだけでなく、お客の側からも主人への心配りもあることなど、食の場のふるまい全体に関わってくるのがおもてなし。器や生け花などを設え、季節感も大切にする。

2.「栄養」
動物性油脂が少なく低カロリー。生活に必要なエネルギーや栄養素が理想的なバランスで備わっている。行き過ぎた贅沢を抑制するために安土桃山時代に生まれた「一汁三菜」を基本とする。

3.「料理」
素材の味を最大限に引き出すための調理法、考え抜かれた調理器具を用いて作られた料理。特に、「和食」の要は出汁。最後の盛り付けに至るまで、日本人ならではの工夫と知恵が詰まっている。

4.「食材」
世界的に見ても、これだけ多種類の魚介類が獲れるのは貴重だという環境。また山の幸も豊か。四季折々の季節感を尊重し、それぞれの地域に根付いた新鮮な食材を料理に生かすことができる。

身体が素直に喜ぶ家庭料理で日本の旬を体感丁寧に食材と向かう姿勢が美味へと繋がる

日本には旬がある。何気なく日々を暮らしているとつい忘れてしまいがちですが、春には春の、夏には夏の彩り豊かな食材が豊富なのがこの国の魅力でもあります。「さだ吉 鎹」は、そんな季節の素材をいただく口福を味わえる店。身体が素直に喜ぶ優しい家庭料理が人気です。

「自分の手で作った安心できるものをお客様に提供したい」と、特にこだわる野菜は店主の三浦俊幸さんが店を離れ、郷里の長野県で自然農法によって育てたものが中心。"滋味"という言葉がぴったりハマります。四季の便りのごとく直送される野菜は、甘みがあってどことなく土の香りがする。

食べているだけで元気が湧いてくるような、力強い味わいです。素材が美味しいから調理法はいたってシンプル。調味料も基本の"さしすせそ"を最小限に使用する他、繊細な出汁で仕上げます。「お野菜はちゃんと存在感があるので、こちらはそれを生かすように心がけています。

余計な味付けは必要ないんですよ。日本の家庭料理はキンピラ1つとっても季節の野菜によって味わいが無限大で、同じ調理法でも"旬"の力を再確認できるのが素晴らしい。うちに来たらお野菜をたくさん食べていただきたい。翌日の体調がいい、とお客様に言われると嬉しいですね」と調理担当の春日井律子さん。

他にも京都の河北農園から取り寄せる減農薬米の釜炊きご飯や新鮮な魚介類、お酒のアテになるおつまみまでメニューは豊富。1つひとつ丁寧に作られた料理にお腹も心も満たされます。餡とカブのうま味が重なる「鱸のかぶら蒸し」、自家製の塩麹で熟成させた「鰆の塩麹焼き」など。

1.必ず最初に提供される「烹菜料理の盛り合わせ」2,000円。本日は左からコンニャクとワカメ、根ニラのしょっつる炒りと芽キャベツと寒人参の炒りつけ、中が水菜と厚揚げ煮びたしとレンコンと山エノキの辛し和え、右がカボチャとセリの白味噌和え、ゴボウと生姜の胡麻味噌和え。+1,500円で煮炊きもの、主菜、御飯、味噌汁、香の物で「おまかせ定食」に。他にも日替りの品書きから追加できる

2.調理担当の春日井律子さん。農家でありオーナーの三浦俊幸さんの右腕として料理を一手に担う

3.カウンター6席、テーブル8席の全14席。煮炊きの匂いにホッとする店内

4.京都の河北農園から取り寄せる無農薬米は鉄釜で炊きたてを提供。モチモチで甘みのあるご飯はおかずが進む味

さだ吉 鎹さだきち かすがい

さだ吉 鎹

住所:
東京都港区六本木6・2・7ダイカンビルB1F
TEL:
03・5786・4155
営業時間:
ランチ月~金11:30~14:00(13:30LO)、ディナー18:00~23:00(22:00LO)日・祝定休
URL:
http://www.sadakichi-693.com/

Text 山内聖子
Photo 柳大輔

※こちらの記事は2014年1月20日発行『メトロミニッツ』No.135掲載された情報です。

更新: 2016年10月22日

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