あなたのお母さんの得意料理は何ですか?

|日本の家庭料理[3]|
バラエティ豊かでミックスカルチャー
イマドキの「家庭料理」考

私たちの食卓には和食も洋食も中華も、場合によっては郷土料理やご当地グルメも、日々、多彩な料理が登場します。ここではそんな〝イマドキの家庭料理?について考えてみましょう。

郷土料理の家庭料理

郷土料理とは、①「その土地の特産品を用い、調理法や食べ方が伝承されてきた料理」(きりたんぽ、めはりずしなど)、②「気候や風土などの生活環境に適応するために生まれた料理」(ゴーヤーチャンプルーなど)、そして③「歴史的背景(武家料理だとか、海外から伝来したなど)や宗教の影響により作られるようになった料理」(卓袱料理、皿鉢料理など)の3つに分類されます。その中で、家庭料理は①と②である場合がほとんどです。

[沖縄] ゴーヤーチャンプルー

「チャンプルー」とは、沖縄の方言で「ごちゃまぜ」の意味。 炒めても崩れにくいという島豆腐と野菜類の炒めもので、 「豆腐」が入っていないとチャンプルーとは呼べない。なお、 「チャンプルー」は比較的強い火力で短時間に調理される 場合に用いられる言葉で、比較的時間をかけて炒め煮す る料理は「イリチー」(炒り煮)と呼ぶことが多い

[秋田] きりたんぽ鍋

硬めに炊いたご飯をすりつぶし、串にちくわ状に貼りつけて 焼いたものが、きりたんぽ。冬場には学校給食でもお馴染 みの「きりたんぽ鍋」は、比内地鶏のガラスープを用いた醤 油ベースのスープで、通常は鶏肉、ゴボウ、マイタケ、ネギ、 たんぽ、セリの6種類を入れる。きりたんぽはもともときこり や山で仕事をする人々が携行するための食料だったという

[和歌山] めはりずし

文豪・佐藤春夫に「故郷のうまいもの は、1にめはり、2にさんま」と言わし めた、熊野地方(和歌山県、三重県)、 および吉野地方(奈良県)に伝わる料 理。高菜の浅漬けの葉で包んだおに ぎりで、この地方で山仕事や農作業 をする人たちが仕事の合間に手早く 食べられる弁当として作られたもの言 われている。食べる時に目を見張る (めはり)ほどの巨大サイズだった

定番の和食

明治期に生まれた肉料理で、しかし洋食ではなく、昭和40年代には定番のおふくろの味と言われるまでに出世した〝家庭料理の雄?があります。肉じゃがです。そんな肉じゃがも、日本の東と西では使う肉が違うなど(豚肉または牛肉)、全国区の定番料理と言えども、やはり地域性があるのが「和食」らしさなのかもしれません。

地域ごと、風土に根ざした「食」を育み、四季を大切にする暮らしを受け 継いできた日本人。しかし、そんな伝統的な食文化は、高度経済成長期 に〝都市生活?が一般化するにつれ、埋没していくようになります。都市 化が〝家庭料理の全国画一化?をもたらしたのです。

つまり「食品産業が 急速に発展し、全国各地へ浸透したこと」、「核家族化が進み、伝統的な 家庭料理が伝承されにくくなったこと」、「若い主婦たちの現代気質」な どの背景があり、昭和50年代の調査で、子どもたちに「家庭の食卓にお ける好きなメニュー」を聞いたところ、オムレツ、カレーライス、サン ドイッチ、スパゲティ、ハンバーグ…という状況に。

今、家庭のテーブ ルには、和洋中、あらゆるジャンルの料理が並びます。それは世界中を 見渡しても非常に珍しいカタチの食生活で、今日は何食べよう?と思い をめぐらすのも日々の楽しみの1つです。かつての大量生産・大量消費 の時代が終焉を告げ、やがて食の安全問題に直面し、本質的な豊かさを 求めるようになってきた現代。そして最近では「和食」の真価を見直す機 会を得て、私たちの素敵なミックスカルチャー家庭料理もまもなく次な るステージに向かおうとしているのかもしれません。

[ご当地グルメの家庭料理]

特定の地域内には定着している、地元の人気料理のこと。地元食材を使用していることはあっても、 農山漁村の風土とのつながりが薄く、歴史の浅い ものが多い。よって、土地特有の料理とは言え、 郷土料理とは異なります。地域活性化を目的に生 まれる料理が多いものの、家庭料理としてしっか り浸透しているものも多数あり。なお、毎年恒例 の「B-1グランプリ」の名を思い出す方も多いで しょうが、「B」は地域ブランドの「B」であり、決してB級品ではありませんのでお間違えなく。

[宮崎] チキン南蛮

延岡市発祥。そのルーツはかつて延岡市内にあった洋食店「ロンドン」のまかない料理が原型だと言われている。この店で修業していた2人のシェフが独立し、全国的に有名な「タルタルソースをかけたチキン南蛮」と「甘酢ダレだけで味わうチキン南蛮」をそれぞれ生み出した。

[大阪]たこ焼き

その原型は昭和8年、大阪の「会津屋」が売り始めた「ラヂオ焼」。見た目はたこ焼き、具は肉やコンニャクなど。そして昭和10年、もっと美味しい大人の味にしたいと改良して生まれたのが「たこ焼き」です。たこ焼きとはソースをつけない、手も汚さない、冷めても美味しいのが本物だとか(会津屋)。現在、大阪では、たこ焼き器は〝1家に1台?に迫る程の高い普及率。

[静岡]富士宮やきそば

専用麺を用い、具には肉かす(ラードを絞った後のものを揚げたもの)を入れる、トッピングにはイワシの削り粉を振りかけるなど、個性的な焼きそば。もともと地元では昔から食べていたもので、2000年頃から、地域活性化を目的に「富士宮やきそば」と名付けられる。

[洋食・その他]

三大洋食とは「ライスカレー、コロッケ、とんかつ」と言われていますが、明治から大正にかけて、続々 と色んな「洋食」が生まれました。海外の料理にヒントを得た、日本の料理。そして、どの料理も基本的 に米飯と合うように作られています。主食・ご飯への執着を忘れない、実は洋食も日本的だと言えるのです。

各地のふるさとの味をもっと知りたいなら「農山漁村の郷土料理百選」

2007年、農林水産省が全国各地の農山漁村で脈々と受け継がれてきた「食べてみたい!食べさせたい!ふるさとの味」を、国民人気投票や選定委員による議論を経て「郷土料理百選」として選定。このページで紹介している郷土料理、ご当地グルメ(「御当地人気料理特選」として併せて選定された)も選定料理です。郷土料理にまつわるイベントも様々行っていますので、HPをぜひチェックしてみてくださいhttp://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/

Text:メトロミニッツ編集部※こちらの記事は2014年5月20日発行『メトロミニッツ』No.139に掲載された情報です

更新: 2016年10月16日

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