|EAT GOOD[2]|
365日、ふだんの食事が大切になるPart2

“良いもの”を東京へ届ける、松浦さんの日常~午後の部~

料理は右上から、三浦鮮魚のカルパッチョ季節の野菜とエシャロットのヴィネグレット(1,000円)、鮮魚のプロヴァンス風スープ仕立て(魚はメバルで2,600円)、本日のパスタ(ムギイカと新玉ねぎと朝摘みクレソンのスパゲッティーニ)、農園野菜のグリルアンチョビと香草のソース(1,350円)、本日の四万十豚のお料理(自家製サルシッチャとカポナータ、2,500円)。豚肉は高知県の四万十にある四国デュロックファームからいつも半頭買いしている。野菜は、6月に入るとズッキーニ、なす、パプリカなどの夏野菜に変わりますのでぜひお楽しみに

「1人ひとり、自分の中に“良いもの”の価値観を育ててほしい」
ふつうの毎日に本質的な豊かさを添える、EAT GOOD

【14:00】
2006年、夫婦2人で「麹町カフェ」を始める時に、松浦さんと奥様の亜季さんはこう決めたそうです。「限りなく手作りで作れるものを出そう。食材は妥協せずに選ぼう」。だから、この店にとっての“ごくあたりまえの日常”は、三浦の生産者さんをめぐるだけではありません。麹町カフェをはじめ、松浦さんが手がけるエピエリ各店のキッチンでは、ソース類も出来合いのものは使用せず、パンもお菓子も、ソーセージやハムに至るまですべて自家製しています。しかも、どの店も“オーガニック”や“手作り”を特にうたってはいません。また、メニューも毎日通えるような価格帯です。人々の何でもない毎日に、安心安全で、本質的に美味しいものを届けたい、そんな思いが後押しして、険しい1本道をゆっくりと前に進んできました。「ただ、自分たちが今できることだけを精一杯やり続けていたら、自然と今に至りました。でも、いつでも思っていることと言えば、ふらりと店を訪れた人がひと口食べて『あれ?美味しい』と何かに気付いてもらえたら、それだけでも嬉しいですよね」(松浦さん)。そんな道の途中で、生まれた言葉が「EATGOOD」(イートグッド)でした。その言葉が生まれたのは、「チリパーラー9」を作った時だったそう。「チリパーラー9」は、清里にある自社農園に豆を植えたら思いのほか良く育ち、収穫量が多すぎたために生まれた店で、“ジャンクじゃないファストフード”というチリビーンズ専門店です。

三浦から麹町カフェへ。
本日の食材が到着。

「キャベツは『チリパーラー』の分。そのニンジンは『スケロク』へ」。5月6日の午後、東京地方は雨模様。三浦から麹町カフェに到着した松浦さんは、軒下で、早速スタッフとともに各店舗分の野菜の仕分け作業を始めました。これがこの店のごく日常的な風景です。

【17:30】
「でも、店舗が増えると関わる人数も増えていくので、私たちが一番大事にしている思いをスタッフ全員に伝えるのが難しくなってきたのです。そこで、イートグッドという言葉を作り、皆で共有することにしました」(亜季さん)イートグッドは、『”良い”を食べよう』というライフスタイルのこと。しかし、単に「皆さん、日常的に”良いもの”=”手作りで健康的な食事”を食べていきましょう」というだけではありません。「私たちは多くの生産者さんたちとつながっていますが、天候によっても収穫内容は大きく左右されますし、自然を相手にしているので安定した日々ではありません。だから、私たちが直接買うことで少しでも還元できたらと思いますし、一番美味しい状態、新鮮なうちに多くの人に食べてもらえたら喜んでもらえるのかなとも思います」。また、「夏野菜の場合は体の温度を下げてくれるものが多いとか、食べものの『旬』って本当に上手くできていますよね」や「例えばスーパーに買い物に行くと料理に合わせて食材を選ぶことになりますが、その日に採れたものを使うとなると、食材を見てから何を作ろうか、無駄なく使い切るには?という思考が働くようになりますよね」など、生産者、スタッフ、お客さん、皆に得るものがあるのも大切、と言う亜季さん。「本当は、食べる人たちにも1皿の向こう側にあるいろんなことを知ってもらって、自分にとって何が”良いもの”なのかをそれぞれ見つけてもらえたら…、それが私の中でのイートグットです」

麹町カフェ
コーヒー1杯からきちんとした食事まで、どんな目的であっても、どんな人にとっても日常的に使えるお店。右の写真は、松浦さんと亜季さん。左上の写真のテーブルの上に飾られているアーティチョークは、朝、松浦さんが三浦で買ってきたもの
TEL:103・3237・3434
住所:東京都千代田区麹町1・5・4
営業時間:11:30~23:00、土12:00~22:00/日定休

九段下/チリビーンズ専門店CHILIPARLOR9

朝、三浦で手に入れた食材は「麹町カフェ」に到着後、仕分けてから再出発。松浦さんは、さらに他のエピエリの店舗にも届けます。

忙しい時にこそじっくり味わいたい体に優しく舌に嬉しい豆料理の店

【14:45】
麹町カフェを出て、まず向かったのは約1㎞先にあるチリビーンズ専門店。ここでは、まず大量の春キャベツを車から下ろしました。これで作るのは、自家製コールスロー。おかわり自由のコールスローは、マスタード風ピクルスやホットソースなど同じく各テーブル備え付けです。豆と野菜をじっくり煮込んで作る名物チリとも相性抜群。

 

ファストフード形式ながら健康的なメニューが揃う。チリに使用するのは軽いスパイスと塩、オリーブオイルだけ。ビーフやベジタブルのほか日替わりメニューもありチリパーラーナイン

チリビーンズ専門店CHILIPARLOR9
TEL:03・3234・2309
住所:東京都千代田区九段南3・7・12九段津田ビル1F
営業時間:8:00~22:00(21:30LO)、土9:00~18:00(17:30LO/日・祝定休

九段下/パン工房FACTORY

国産小麦を使用した手作りパンが並ぶ。季節の果物を自家発酵させた天然酵母が味の秘訣

焼きたての香りが立ち込める店内でこだわりパンと旬の味覚が融合する

【15:15】
パン工房ながらイートインスペースがある、この店でも三浦の野菜は欠かせません。ランチには自家製天然酵母を使用したピッツァの具材になったり、ディナーには牛すね肉と煮込まれポトフになったりと大活躍。お店ではパン食べ放題の貸し切りパーティも開けます。

ファクトリー
TEL:03・5212・8375
住所:東京都千代田区九段南3・7・10アーバンキューブ九段南1F
営業時間:8:00~22:00(21:30LO)、土9:00~18:00(17:30LO)/日定休

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浅草/カフェ&ベーカリーSUKE6DINER

オープンキッチンには自家製生ハムや鴨のソーセージが吊るされ熟成中。

隅田川沿いに佇む、パン工場のある手作り食堂


【16:00】
次に向かったのは隅田川テラス沿いにあるレンガ風ビル。この1階と2階はダイナー(食堂)で、3階にはベーカリー「マニファクチュア」があります。ダイナーの名物はソーセージ、ベーコンといった燻製で、すべてが自家製。新鮮卵で作る目玉焼きと組み合わせたセット、イングリッシュブレックファストやホットドッグロワイヤルが特に好評です。四季の木々と野菜が飾られた店内は、コンセント&Wi-Fiまで完備。観光、ピクニック、ジョギングのついで、夜のちょっと1杯にまで立ち寄れる、浅草にできたばかりの憩いの空間なのです。

スケロクダイナー
TEL:03・5830・3367
住所:東京都台東区花川戸1・11・1あゆみビル1・2F
営業時間:10:00~23:00、土日祝8:00~22:00/月定休(祝日の場合は翌日)

すべて添加物不使用、100%ナチュラルで作り上げたもの

Text:佐藤潮(effect)
Photo:有賀傑、小林秀銀

※こちらの記事は2016年6月20日発行『メトロミニッツ』No.163掲載された情報です。

更新: 2016年9月23日

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