「いただきます」を世界へ。未来へ。
|WASHOKU GOOD NEWS[3]|
史上最大規模で世界に広がる和食

2013年のユネスコの無形文化遺産への登録と、昨年のミラノ万博をきっかけに和食ブームが加速。まさに日本のガストロディプロマシーは今、全盛期を迎えているのではないでしょうか。「寿司、刺身、天ぷら」だけでなく、四季の移ろいを感じながら、自然と調和した料理を。そんな和食の「真髄」が、世界に広まろうとしています。

2013年和食がユネスコ無形文化遺産に登録される

料理としての和食ではなく、「自然を尊重する」という日本人のこころに基づいた日本人の食習慣が、「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、2013年12月ユネスコ無形文化遺産に登録されました。そこには、次に挙げる4つのような、他国にはない特長と、尊重すべき文化が息づいているのです。

1.多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重

国土が南北に長く豊かな自然が広がっているため、地域に根ざした多様な食材が存在し、素材の持ち味を引き出し、引き立てる調理法が発達しています。

2.健康的な食生活を支える栄養バランス

一汁三菜のスタイルは、理想的な栄養バランス。出汁のうま味をきかせ、油脂を多用せずとも満足度の高い味付けが、長寿や肥満防止に役立っています。

3.自然の美しさや移ろいの表現

食事の場で、自然の美しさや四季を表現できるのも特徴の1つ。季節に因んだ器に旬の素材の料理を盛り付け、花や葉をあしらい、目でも楽しめます。

4.年中行事との密接な関わり

日本の食文化は、お正月などの年中行事と密接な関係があります。節目に食を分かち合い、共に時間を過ごすことで、家族や地域の絆を深めてきました。

2015年ミラノ万博にて和食の魅力を世界に発信

会期/2015年5月1日~10月 31日
参加国/145カ国・3国際機関
全入場者数/2150万人(日本館は228万人)
メインテーマ/Feeding the Planet, Energy for Life 地球に食料を、生命にエネルギーを
日本館テーマ/Harmonious Diversity 共存する多様性

2015年5月から10月までの半年間、イタリア・ミラノで開催されたミラノ国際博覧会には148の国と国際機関が参加しました。中でも日本は参加国中最大級の4170㎡のパビリオンで出展。和食は世界に通じる「地球食」であり、未来を築く「未来食」であることをアピールしました。会期中、来場者数は全体で2150万人。特に日本館の人気は高く、入場者は228万人。長蛇の列ができ、10時間待ちの日もあったとか。優秀なパビリオンを決定する褒賞制度で、展示デザイン部門の「金賞」を受賞しました。日本館の中でも人気が高かったのは、和食の魅力を疑似体験できる「ライブパフォーマンスシアター」。事前に箸の使い方を学び、「いただきます」「ごちそうさま」を合唱して気分を盛り上げます。箸でパネルをタッチすると、目にも美しい懐石料理が順を追って現れます。パフォーマーが全体を盛り上げ、会場は一体に。誰もが和食を食べずにはいられなくなり、併設されたレストランやフードコートへ直行する人が続出しました。今回はそれまでEUへ輸出できなかった「鰹節」の持ち込みが「特例措置」として認められ、日本産の鰹節の出汁が使えたことも"快挙"と言えるでしょう。ミラノ万博を機に、ホンモノの和食の魅力が伝わったことで、世界の注目度は急激に高まっているのです。

日本館の外壁に岩手県産カラマツの集成材を組み合わせた「立体木格子」を採用。木と木を組み合わせ、耐震性に優れた構造体を実現した。行列の苦手なイタリア人が、最長10時間待ちの日も

映像で和食を体感する「ライブパフォーマンスシアター」。アテンダントの指導で箸使いを学び、歌詞に「いただきます」「ごちそうさま」を盛り込んだ曲を歌い、気分を盛り上げる

タッチパネルをお箸で触れると、画面に京懐石が現れて、先付け、八寸……と、ヴァーチャルで味わえる。出てくる料理の美しさに、ため息がもれるシーンも。来場者は食べずにいられない気分に

「LEGACY」のコーナーでは、一汁三菜、出汁、発酵など、伝統的な和食の材料や技法を紹介。多彩な味噌汁や寿司を「食玩」で紹介すると、来場者が殺到し、食い入るように見ていた

フードコートには、定番の和食メニューに加え、壱番屋(ココイチ)のカレーやモスのライスバーガーも登場。中でもお寿司や、てんぷらそばの人気が高く、来場者が箸を巧みに操って、味わう姿が見られた

展示やイベントはもちろん、日本館ではレストランが大人気。本格的な懐石料理を提供する日本食レストランと、カジュアルなフードコートを出店。バラエティ豊富な和食が味わえると評判に

Text:三好かやの
グラフ:グルーヴィジョンズ

※こちらの記事は2016年2月20日発行『メトロミニッツ』No.160掲載された情報です。

更新: 2016年9月1日

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