|“食べる”を見つめる映画[4]|
感性が豊かになる“食べる”を見つめる映画
「食」と「映画」のクロニクル

今、私たちはどんな時代に生きているのか?
1つの社会の中で、同じ時代を生き、同じ荒波にもまれながら成長してきた「食」と「映画」。それぞれの年表を並べてみたら、少し見えてくることがありました。

1955年から60年代は、世の中は高度経済成長の頃であり、日本映画界も全盛期。1958年には、年間の映画館観客動員数がなんと約11億2千万人という数を記録しました。そんな良い時代の後に続く1970年は、いわば黒船の襲来期。街には、ファミレス、ファストフード、コンビニの1号店が続々とでき、映画界にも洋画が続々と入ってきます。80年代は、ある種〝女性の時代?という側面があります。女性誌にはフランス料理のスターシェフたちが取り上げられ、街にはOLたちから支持を集めるおしゃれでリッチなレストランが並ぶように。一方、映画界でも女優たちの活躍が目立ち、女性が主役の映画も増えるようになりました。また、アート性の高い作品を扱うミニシアターもでき始め、映画もファッション化が進んだ、と言えるのかもしれません。やがて、91年にはバブルが崩壊。混迷期を経て、迎えた00年代は〝食の危機?で幕が開けます。BSE問題が発生し、追い打ちをかけるように食品偽装問題が次々と発覚。他にも、農薬や環境問題、食品添加物による健康被害、肥満・成人病の増加…これまでの時代に蓄積されてきた様々な問題に気づく人が多く現れ、大量生産された「食よりも生産者の顔が見える食材が欲しいと考える人たちが出てくるようになりました。そんな時代背景のためか、ドキュメンタリーの映画作品に注目が集まる機会もこの頃から多くなっていったような気がします。では、今はどんな時代か…、それはあと10年経って振り返ってみないとわかりませんが、今回、メトロミニッツがお届けする「〝食べる?を見つめる映画」というのは、「日々の食べることが楽しくなる」、「日々の食べることへの意識が変わる」、「毎日、誰かと食べる時間が幸せに思える」などのメッセージを持った映画の特集。2015年を生きていて、メトロミニッツではなぜかそんな作品を観たい気持ちがいっぱいで、今、そんな映画が求められている時代なのではないかと感じています。

※こちらの記事は2015年10月20日発行『メトロミニッツ』No.156掲載された情報です

更新: 2016年9月2日

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