|TOKYO BEERNISTA 2016 [1]|
あらためましてビールって何だろう?|ビールのスタイルと楽しみ方

ビールの多様なスタイル

ビールには多種多様な種類が存在します。それらを整理してまとめたのが「ビアスタイル」。エールやラガーといった製法でまず大きく分類され、原材料(e.g.小麦を使ったヴァイツェン)や地域性(e.g.ケルン生まれのケルシュ)、液色(e.g.黒いスタウト、赤褐色のアンバー)のビールの特性に従って定義されています。さらに、同じIPAでもイングリッシュスタイル、より高アルコールでホップを強調したアメリカンスタイルがあるなど、その数は100種類以上。オーダー時やビールの会話をするための共通言語としての機能もあり、またスタイル名がそのままビールの名前になっていることも多いので、好きなビールを選ぶための羅針盤とも言えるでしょう。

ビールの種類その1:下面発酵 LAGER (ラガー)

ドイツ
ウィンナービール、メルツェン(オクトーバーフェストビール)、シュバルツ、デュンケル、ボック、ドルトムントビール、ミュンヘナー、ミュンヘナーヘレス、ジャーマン・ピルスナー

チェコ
ボヘミアン・ピルスナー

オーストリア
ウィンナービール、ウィンナースタイルラガー

アメリカ
アメリカンラガー、アメリカン・ウィート、フルーツビール、チョコレートビール、長期熟成ビール、ラオホ、スモークポーター

ビールの種類その2:上面発酵 ALE (エール)

ドイツ
アルト、ヴァイツェン、ケルシュ

イギリス
イングリッシュ、ペールエール、インディアン、ペールエール(IPA)、ポーター、スタウト、バーレイワイン、アイリッシュエール

ベルギー
ホワイトビール、ベルジャン・ゴールデンエール、セゾンビール、トラピストビール

アメリカ
アメリカン・ペールエール、アメリカンIPA、アンバーエール

ビールの種類その3:自然発酵(ランビック)

野生酵母を使って醸造される、強い酸が特徴のビール。ベルギーを代表する伝統的なビールのひとつ。

色の違い

ビールは一般的に色が薄いほどライトなボディで、色が濃くなるほどフルボディの傾向にあります。しかし、ビールの色はモルトの色により決まるため、色だけでは味わいは決まりません。ドライスタウトやシュヴァルツは色は黒いのですが軽やかな味わいです。

ビールを形づくる要素

アルコール度数

ビールのアルコール度数は、3%から10数%までバラエティに富んでいます。最近では、アルコール度数が高い樽熟成のビールが人気です。度数が高いものは味わいも濃いので、ビアパブに行った時には、アルコール度数が低いものから飲んでみましょう。

苦味(IBU)

IBUとは、International Bitterness Units(国際苦味単位)という苦味を表す単位です。高ければ高いほど苦いとされています。しかし、IBUの数値はホップに含まれるα酸からの計算値であり、人が感じる苦味は甘味とのトレードオフであるため必ずしも数値通りに苦味を感じるとは限りません。

温度

ビールの適温は、一般的にエールとラガーで違います。ペールエールなどのエールは8℃~10℃、ピルスナーなどのラガーは5℃~7℃と言われています。ポーター・スタウトは12℃~14℃。ゆっくり飲みながら、温度変化による違いを楽しむのもビールの醍醐味です。

香り

近年、ホップ由来の香りが特徴的なIPAが人気ですが、最近では酵母によるフルーティな香りを持つセゾンスタイルのビールも話題になりました。ビールは、どの麦芽、ホップ、酵母、副原料を使用するかによって香りが違うので、原材料に注目。最近は香りを楽しむためワイングラスで出す店も。



ビールの泡には苦味成分を集める働きがあります。そのため、泡を多く作るほどマイルドな味わいになります。また、ビアスタイルによっては、まったく泡がないビールもあります。泡の違いは、自分の好みとビアスタイルに従って楽しんでみましょう。

 

クラフトビールとは?

「クラフトビール」という言葉はアメリカ発祥のキーワードです。それは、
単一の製品を大量に生産し提供するという時代へのアンチテーゼであり、ブルワー(醸造士)が自分が理想とするビールを、作り方に工夫を凝らし、少量生産するというスタイルのビールです。ブルワリー毎に違うビールができあがるので、バラエティに富んだビールが市場に出回ります。日本においても新規のマイクロブルワリーが次々に醸造を開始し、大手も続々と参入、クラフトビールの輸入も多くなり、多数の専門店がオープン。消費者もビールに関する知識を持ち、自分自身の好みに従い、飲むビールを主体的に選択しています。今現在のビールの盛況の大きな一因になっているのです。

Text川野亮(クラフトビール東京)
※こちらの記事は2016年3月20日発行『メトロミニッツ』No.161に掲載された情報です

更新: 2016年10月11日

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