心と体を温める、上質な時間

|東京モダンおでんキュイジーヌ[ 5]|
誰にもきっと懐かしい味がある ”日本全国のおでん”
中国・四国/九州・沖縄編

出汁、種、つけだれ、食べるシチュエーションまで、各地方ごとの特色を見せるおでん。姿形は違えど、その呼び名は日本全国どこへ行っても「おでん」というから不思議です。とはいえ、地元飯として人々に愛されているのは同じ。そんな各地方の個性的な面々をご紹介します。

【中国・四国】

◎つゆの濃さ
★★

◎ダシ
魚介多め、カツオ節、
昆布

◎つけだれ・薬味
からし酢味噌( 香川)、み
がらし味噌( 愛媛)

◎おでん種
じゃこ天、てんぷら( さつま
揚げ)、いいだこ、春菊、
セリ

香川ではうどんと並ぶ県民食 魚介をつかった種が人気

さすがうどん文化の香川では、うどんのお供におで ん。東京のうどんの専門店やチェーン店でも、この 慣習に倣ってうどん鍋が置かれているところも

基本的にはカツオ節や昆布、アゴなどで出汁をとったあっさり薄口の出汁が好まれる地域。おでん種やつけだれなどに地域性が表れています。香川県では、家庭でもよく食べられていますが、うどん店にも必ずあるというくらい、サイドメニューとしてのおでんが根付いています。うどんのつゆと同じ味付けが多いので、そのままうどんの具として食べる人も多くいるとか。愛媛県の宇和島では、近海で獲れた小魚を骨や皮ごとすり身にして油で揚げたかまぼこ・じゃこ天が定番。この地方では、さつま揚げのことを“天ぷら”と呼ぶことが多いそうです。島根県・松江ではアゴなどの魚介系の出汁が強めで、春菊やセリなどの葉物の種が多いのが特徴。瀬戸内海沿岸の広島は、鶏ガラや牛すじを使ったおでんが食べられていて、九州などから伝わった食文化の影響ともいわれています。

うどん店に設置されたおでんブース。天 ぷら等と同じようにセルフサービスで提 供されます。からしや味噌などのつけタ レも傍らでスタンバイ

★★★中国・四国のご当地おでん★★★

|讃岐おでん|
うどんのお供として親しまれている讃岐おでん。串刺しにされたおでん種に味噌、酢、砂糖、辛子、ごまなどを混ぜたからし酢味噌をつけて食べるのが一般的。

|松江おでん|
おでん専門店も多い松江市で江戸時代から親しまれているという松江おでんの特徴は、セリや春菊など葉野菜が多いヘルシーおでん。観光客にも人気だそう。

おでん屋さんの数が全国トップ クラスの松江市が生んだ、斬新 な一品「おどん」。アゴ出汁のお でんの中に、うどんをイン。市内 の数店舗で提供しています

【九州・沖縄】

◎つゆの濃さ
★★★?★★★★

◎ダシ
カツオ節、昆布、鶏がら

◎つけだれ・薬味
柚子こしょう( 九州)、マス
タード( 沖縄)

◎おでん種
餃子、馬すじ( 九州)、豚
足、豚の角煮、ソーセージ
( 沖縄)

こってりつゆが人気のエリア 独自のおでん文化も育つ

九州も地域によってさまざまなおでんが楽しまれているようです。福岡・博多の屋台おでんは戦後のヤミ市からの歴史があり、今でも地元の方や観光客でにぎわいをみせています。博多では、餃子巻といわれる餃子を魚のすり身で包んで揚げた種が人気。また熊本では馬のすじなどが食べられています。出汁は、昆布やカツオ節が一般的。博多では鶏ガラ、鹿児島では豚骨ベースで出汁をとることもありますが、九州全域的にしっかりコクのある出汁が好まれているようです。家庭では練り辛子をつけることが多く、おでん屋さんでは名物である柚子こしょうを添えて出す店も。一方、南国・沖縄ではおでんは通年でよく食べられている、定番メニュー。豚足の煮込みやほうれん草、チンゲン菜などの青野菜を入れることも多いよう。豚足を入れることで、コラーゲンたっぷりのこってりとしたつゆも特徴。

大胆にも白身魚のすり身で餃子をま いた博多名物「餃子巻」。博多ではこ れがないとはじまらないおでんの主 役で、ご当地種として大手コンビニの おでんにも入っています

★★★九州・沖縄のご当地おでん★★★

沖縄のおでんといえば、やはり「てびち(とんそく)」。意外にも専門店があったり、1年中食べられたりと、沖縄県民のソウルフードの一角を担っています

|博多おでん|
鶏ガラからの濃いめでこってりとしたスープが特徴。最近は屋台も減少傾向にあるとか…。

|沖縄おでん|
豚足のほかアメリカ文化の影響でソーセージも投入。マスタードが添えられることも。

Text:辺戸名悟/河島マリア(GRINGO)、メトロミニッツ編集部

※こちらの記事は2015年12月20日発行『メトロミニッツ』No.146掲載された情報です。

更新: 2016年10月25日

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