#15 真夏のじゃがいも読本

東京のじゃがいも売り場で聞いた

上手なじゃがいもの入手法

Photo:松園多聞、柳大輔 
Text:三好かやの

おなじみの男爵薯やメークイン以外にも、多彩な品種があり、同じ品種でも産地や作り手によって、味わいが異なります。じゃがいも前線はただ今日本列島を北上中ですが、今味わうべき旬のじゃがいもは?作りたい料理にぴったりのじゃがいもは?
※各店の取り扱い品種は、2016年7月4日時点のものです。時期・天候により、取り扱いの品種は変更となりますので、ご了承ください。
 野菜の「目利き」の方々に教えていただきました。

豊洲 フードストアあおき 東京豊洲店

品揃えは東京随一!! 料理に合ったじゃがいもが見つかる

「東京のお客様は、トレンドに敏感です。『あおきに来たら珍しい品種があった』『この料理に必要な、あの品種がやっと見つかった』。そんな声をよく耳にします」と、フードストアあおきで、仕入れを担当する田村篤己さん。取材に訪れた6月30日の売り場には、なんと10種類のじゃがいもが並んでいました。秋口になるとその種類はさらに増え、20種類にもなるそう。 静岡県沼津市を中心にスーパーを展開する「あおき」が、東京の豊洲に出店したのは2006年のこと。元々トマトやフルーツの品揃えが豊富なお店だったのですが、今やそれも当たり前の時代に。だったら次は、地味な「根菜」のコーナーも充実させようと、3年前から取り扱いアイテムを増やしてきました。田村さんも「じゃがいもの種類にかけては、おそらく都内随一」と自負しています。
最初は「どれを、どんな料理に使えばいいの?」と首を傾げるお客様が多かったのですが、品種の特徴や、それに適した料理をPOPに書き出して、地道にアピールし続けたことで、売り場に定着していきました。「水分が豊富な新じゃがはサラダに。同じ品種でも貯蔵すると、でんぷんが糖に変わって甘みが増すので煮物に。そんな風に使い分けるのもポイントです」。価格も産地も品種も用途も多種多様。「あおき」に行けば、その日の献立や気分にぴったりのじゃがいもが、きっと見つかります。

取り扱いじゃがいも

男爵薯(静岡産)
浜松市の三方原台地で栽培。抜群の日照時間と粘土質の赤土が、皮がきめ細やかで、でんぷん価の高い男爵薯を生み出している

メークイン(静岡産)
男爵薯と同じ三方原産。肉色は淡黄白。男爵薯より黄色っぽく、キタアカリよりも淡白。俵型で細長く、芽も浅いため、皮がむきやすい

メークイン(東京産)
八王子産の「東京野菜」。メークインの肉質は緻密な粘質ぎみで、舌ざわりが良い。煮崩れせず、煮物、炒め物に適している

キタアカリ(東京産)
果肉が黄色く煮崩れしやすい。加熱時間が短い「エコ野菜」としてニーズが高まっている。ホクホクした食感で、コロッケやポテトサラダに

さやか(東京産)
芽は浅く少ないので調理しやすく、調理後黒変しにくいが、チップやフライには適さない。蒸しいもやポテトサラダに最適

 

シンシア(長崎産)
フランス生まれの品種。煮崩れしにくく味が浸み込みやすいので、「第二のメークイン」と目されている。ポトフ、おでん、肉じゃがに

グラウンドペチカ(静岡産)
見た目がレスラーのマスクに似ているので別名「デストロイヤー」。肉質はもっちりしていて火の通りが早く、煮崩れしにくい

インカのめざめ(神奈川産)
アンデスの在来種を元に日本で育種。ホクホクしっとり。小粒で甘味が強く、煮崩れしにくい。ジャーマンポテトやオーブン焼きに

ノーザンルビー(静岡産)
北海道生まれのピンクポテト。形はメークインに似ていて、皮も果肉も鮮やかなピンク色。アントシアニンを多く含み、調理後も色落ちしない

ニシユタカ(長崎産)
九州で多く栽培されるニシユタカは、果肉は淡い黄色で、親品種の「デジマ」とともに皮が薄く、芽が浅いので、調理しやすい

 

フードストアあおき 東京豊洲店
☎0120・271・044
東京都江東区豊洲2・1・14
10:00~23:00 無休

代々木公園 POCO A POCO FARM アースデイマーケット内

作り手の思いやメッセージもじゃがいもと一緒に受け止める

「このおいもは、僕たちが植えたんだよ」。アースデイマーケットの会場でじゃがいもを物色していたら、「POCO A POCO FARM」の和知心くん(9歳)が教えてくれました。その隣には絆くん(7歳)と結ちゃん(4歳)の姿もありました。3人の父の和知健一さんは、青年海外協力隊としてメキシコで活躍。現在は茨城県那珂市で、在来種を中心に自家採種を繰り返し、肥料を与えず、草も育てて土に返す「自然農」で野菜を栽培中。育てたじゃがいもを、大事に食べています。
「キタアカリは、掘り上げて時間が経つと、水分が抜けて“シワいも”になります。これはいものでんぷんが、糖に変わった印。煮物にすると美味しいですよ」6月のアースデイマーケットでは、和知さんが4種類、他の生産者も合わせると4軒で8種類のじゃがいもが売られていました。有機栽培や自然農法の生産者が中心で、珍しい品種が多いのも魅力。次回の開催は7月24日(日)。どんな人が、どんな農法で、どんなじゃがいもを作っているのか、会いに行ってみませんか?

取り扱いじゃがいも

キタアカリ(茨城産)
関東圏でも広く栽培。掘りたては、皮がパリッと張っていて、ホクホク。時間が経つとでんぷんが糖に変わって甘味が増していく

シャドークイーン(茨城産)
皮も中身も濃い紫色で、アントシアニンを含んでいるが、茹でると色が抜けてしまうので、蒸すか焼いて調理するのがオススメ

ノーザンルビー(茨城産)
茹でても色落ちしないが、果肉の色を生かしたいなら、蒸すか焼くのがベター。淡いピンクのポタージュやビシソワーズが作れる

グラウンドペチカ(茨城産)
皮は紫と赤の2色だが、果肉は鮮やかな黄色。無肥料栽培の自然農に合っていて、厳しい環境でも良くできる品種

じゃがいも好きは、7月24日(日)アースデイマーケットへ!

7月24日(日)、代々木公園けやき並木で開催される東京朝市・アースデイマーケットにて、「POTATO FAIR」を開催します! 各地から7農家さんが集まり、約15種類ものじゃがいもを販売予定。個人で販路を持つ農家さんならではの貴重な品種も多く登場予定で、色とりどりのじゃがいもが並びます。また、肉や乳製品を一切使わない話題のビーガンバーガーショップ「Terra Burgers」も出店予定。実はこちらのパテには、じゃがいもが使われています。それに加え、今回の「POTATO FAIR」のために、出店農家さんの新じゃがを使ったフレンチフライをご用意。他にも、じゃがいもメニューを提供するお店が沢山登場するので、ビールを片手に満喫してください。

 

開催日: 7月24日(日) 10:00~16:00
開催場所: 代々木公園けやき並木 アースデイマーケット内
出店農家: POCO A POCO FARM(茨城県)、農園ゆう(千葉県)、三つ豆ファーム(千葉県)、馬場修一郎
農園(静岡県)、Minowa Rice Field(千葉県)、たまきファーム(福島県)、ののま自然農園(千葉県)
出品じゃがいも: ノーザンルビー、レッドムーン、アンデスレッド、シャドークィーン、デジマ、メークイン、男
爵薯、インカのめざめ、グラウンドペチカなど
yアースデイマーケット実行委員会 ☎090・3525・8481

※こちらの記事は2016年8月20日発行
『メトロミニッツ』No.165に掲載された情報です。

更新: 2018年6月12日

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