#14 真夏のじゃがいも読本

東京のじゃがいも売り場で聞いた

上手なじゃがいもの入手法

Photo:松園多聞、柳大輔 
Text:三好かやの

おなじみの男爵薯やメークイン以外にも、多彩な品種があり、同じ品種でも産地や作り手によって、味わいが異なります。じゃがいも前線はただ今日本列島を北上中ですが、今味わうべき旬のじゃがいもは?作りたい料理にぴったりのじゃがいもは?
※各店の取り扱い品種は、2016年7月4日時点のものです。時期・天候により、取り扱いの品種は変更となりますので、ご了承ください。
 野菜の「目利き」の方々に教えていただきました。

笹塚 QUEEN’S ISETAN 笹塚店

産地でバイヤーが厳選した“名人”が 手塩にかけたじゃがいもが狙い目

日本のじゃがいも産地は、春先の九州に始まって、6~7月は静岡県や関東近圏へ移っていきます。そして8月のお盆を過ぎる頃、大産地の北海道産がいよいよ登場。かつてはホクホク系の「男爵薯」と、粘質で煮崩れしにくい「メークイン」が、代表的な品種でしたが、近年は質感や味の異なる多彩な品種が、続々と登場しています。
「中でも今、1番のオススメは、静岡県三方原の農家“岡田さん”の男爵です!」と断言する、クイーンズ伊勢丹のバイヤー木村和俊さん。三方原は昔から食味の高い男爵薯の産地として有名ですが、中でも地元で「名人」と呼ばれ、親子3代で栽培している岡田ファミリーの男爵薯を直接仕入れ、全店で販売しています。「畑で掘り上げたイモを手で拾い、芽に詰まった土は1つひとつ綿棒で取り除く。岡田さんはじゃがいもをまるで自分の子どものように愛する人たちなんです」。岡田さんの男爵薯は8月上旬まで。お盆になると産地は北海道へ飛んで、函館や、今金町の「早掘り」男爵薯が登場します。この秋は、どんな「名人」のじゃがいもに出合えるのか、今から楽しみです。

取り扱いじゃがいも

男爵薯(静岡産)
静岡の中でも名産地と名高い三方原産。左で紹介した農家岡田さん作。ホクホク系の代表格で、コロッケ、マッシュポテトに最適

キタアカリ(静岡産)
「男爵薯」と「ツニカ」を交配して誕生した品種。男爵薯より黄色味を帯びていて、甘味が強い。ビタミンCが豊富でサラダ向き

ニシユタカ(長崎産)
「デジマ」を母、「長系65号」を父として交配。やや粘性で、甘味があり、火の通りは遅いが、煮崩れしにくいので、肉じゃがなどの煮物に

メークイン(静岡産)
長卵形の見た目と、しっとりした食感が特徴。煮崩れしにくく、今なお煮物やカレーに欠かせない、息の長い定番品種

とうや(茨城産)
果肉は黄色くやや粘質で、舌ざわりはなめらか。煮物、炒め物向き。主な産地は北海道。笹塚店では、有機栽培のものを販売

 

クイーンズ伊勢丹 笹塚店
☎03・3485・1251 東京都渋谷区笹塚1・48・14(笹塚ショッピングモール21/B1F)
10:00~22:00 無休
QUEEN’S ISETANは、笹塚店の他、新高円寺店、白金高輪店、小石川店、目白店など、都内に12店舗を展開しています

二子玉川 Natural House 二子玉川東急フードショー店

オーガニック栽培のじゃがいもをセレクト野菜ソムリエが調理法、保存法を伝授

「ポテトサラダや、マッシュポテトを作るなら、ホクホク系のデジマ。カレーや煮物なら、煮崩れしにくいニシユタカがオススメですよ」と、教えてくれたのは、野菜ソムリエの資格を持ち、「ナチュラルハウス」の売り場に立つ鵜藤佳奈さん。国産の有機野菜や食品を中心に販売する同店は、都内に15店あり、店頭ではスタッフが野菜の選び方や使い方について、気軽に相談に応じています。売り場に並ぶのは有機JAS認定を取得した生産者が栽培したじゃがいもたち。いずれも環境に配慮して、永続的な農業を目指す人たちが栽培したものです。
「小さなお子さんに食べさせたい。丸ごと素揚げしたい。そんな理由で有機栽培のじゃがいもを選ぶ方が多いですね」。春先から7月末まで、主力となるのがこの2品種。デジマはニシユタカの母品種でもあるので、見た目はよく似ています。それでも味や食感は違うので、品種の違いを見極めてから選びましょう。じゃがいもは、土の中で育つので、陽の当たる場所に置くと芽が出たり、表面が緑化する性質があります。保存に適した温度は3~5℃なので、夏場は新聞紙に包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に保存するようにしましょう。8月の中旬頃には、九州産に代わり、いよいよ「とうや」や「男爵薯」など、北海道産の新じゃがが登場します。

取り扱いじゃがいも

デジマ(熊本産)
食味の良い暖地向きの品種。長崎、鹿児島など九州地方で栽培されている。扁球型で、果肉の色は淡い黄色。やや粉質

ニシユタカ(熊本産)
こちらは熊本の益城町産。4月の震災の時は畑で揺れていたが、無事収穫を迎え、売り場に到着した。春に新じゃがとして多く出回る

ニシユタカ(長崎産)
九州で3~5月に収穫。みずみずしい新じゃがは、皮ごと食べられる。煮崩れしにくいので、カレーやシチューなど、煮込み料理に良い

ナチュラルハウス 二子玉川東急フードショー店
☎03・6431・0231
東京都世田谷区玉川2・21・1 RISESHOPPING CENTER B1F 東急フードショー
10:00~21:00 無休
Natural Houseは、青山店、荻窪ルミネ店、日本橋髙島屋店、北千住丸井店、有楽町イトシア店、池袋東武店など、都内15店舗でオーガニックな食品を販売中

※こちらの記事は2016年8月20日発行
『メトロミニッツ』No.165掲載された情報です。

更新: 2018年6月12日

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