#8 真夏のじゃがいも読本

ペルー
アメリカ

世界一のじゃがいも大国は何処だ!?
WORLD JAGAIMO JOURNEY

世界一のじゃがいも生産量を誇る中国、フライドポテトの発祥地であることを誇るベルギーなど、「じゃがいも国」と呼ぶにふさわしい国がたくさんあります。そんな“じゃがいもレベル”の高い国々を巡りながら、各国のじゃがいも文化をご紹介します。
※各国の国土、人口データは外務省のHP、農林水産業のデータは農林水産省のHP、じゃがいも生産量は2013年「FAO, FAOSTAT: Production(2016年6月30日ダウンロード)」、1人あたり年間消費量は2011年「FAO, FAOSTAT: Food Balances(2016年6月30日ダウンロード)」を参考にしています。

ペルー

国土:約129万㎢
人口:約3,115万人
農林水産業:伝統的な作物であるじゃがいもの生産が盛んなのは山岳地帯。海岸地帯は、さとうきびやアスパラガスの生産や養鶏が盛ん。河川流域ではコメの栽培も
じゃがいも生産量:4,569,629t (世界16位)
1人あたり年間じゃがいも消費量:81.08kg(世界17位)

ペルーがじゃがいも世界一の理由

じゃがいもの歴史NO.1原産地ならではのお祭りも
じゃがいもの原産地として、紀元前7,000年からの歴史を誇るペルー。首都リマには世界中のじゃがいもの研究を手がける国際ポテトセンターの本部もあります。また、毎年5月30日を「じゃがいもの日」とし、リマにて盛大に開催される「じゃがいも祭り」では、「パパ・ナティーバ」と呼ばれる昔からの在来種のじゃがいもの収穫を神様に感謝します。祭りのために先住民たちが自ら栽培するじゃがいもを、リマまで運び、約500種類もの品種が並びます。

ペルーのじゃがいも料理

色も食感もよりどりみどり常備菜からデザートまで七変化!
「現地ではどんな市場でも10種類以上のじゃがいもが揃います」と話すのは、新橋のペルー料理店「荒井商店」の荒井隆宏さん。色や模様(日本では見かけない斑点入り!)、食感などバリエーションも豊富で、料理の付け合わせには必ず登場する存在です。さらに、高地では高野豆腐のように乾燥させた“チューニョ”、湿度の高い地域では水に漬けて発酵させ、デザートに使う“トコッシュ”など、同じじゃがいもでも地域により、さまざまな姿に変化するそう。今回作ってもらったのは、ペルー全土で食べられるポテサラ的定番おかず「カウサ・レジェーナ」。大きなバットで常備菜のように作り置きできる人気の料理です。鮮やかな黄色は“アヒ・アマリージョ(イエローホットペッパー)が由来。じゃがいもの素朴な甘さと、後からじんわり追ってくる辛さが癖になりそう!

カウサ・レジェーナ
通常はコースで提供(単品の場合は1,860円、要予約)“カウサ”はマッシュポテト、“レジェーナ”は詰めるの意味。潰したじゃがいもに、塩、アヒ・アマリージョ、レモン果汁、オリーブオイルを加え、マヨネーズで和えたツナを挟む。チキンやカニなども、現地ではよく使われる食材。

アメリカ

国土:約963万㎢
人口:約3億875万人
農林水産業:世界有数の農業大国で、とうもろこし、大豆、小麦等の穀物や畜産物の生産が盛ん。とうもろこし、大豆は世界第1位の生産量(FAO:2013年)
じゃがいも生産量:19,715,480t (世界5位)
1人あたり年間じゃがいも消費量:55.62kg(世界42位)

アメリカがじゃがいも世界一の理由

ポテトチップス発祥の地お弁当のお供にも欠かせません
アメリカと言えば、ポテトチップスが誕生した地。1853年、ニューヨーク州のレストランで出されたフライドポテトに対して、お客さんから「厚みがありすぎる」と苦情が。そこでシェフが薄く切ったじゃがいもを揚げて出したところ評判になり、広まっていったのです。米国ポテト協会広報の友田理絵さんによると、アメリカでは、小さい頃からサンドイッチにポテトチップスの小袋を一緒に持って行くのがお弁当の定番の組合せだそう。

アメリカンドリームなじゃがいも

NASAと国際ポテトセンターが火星でのじゃがいも栽培を計画中
今年3月、NASAと、リマにある国際ポテトセンター(CIP)による、じゃがいもが火星で栽培可能かを探る実験がスタート。火星の環境を想定した条件の下、ペルー産じゃがいも4,500品種の中から選ばれた100品種で実験中です。これにより、地球上でも厳しい環境に耐える品種がわかると共に、火星での野菜栽培の可能性も広がります。
右は、映画「オデッセイ」で、植物学者が火星初のじゃがいも栽培に成功した様子ですが、この光景がいつか現実となるかもしれません。
「オデッセイ」
2枚組ブルーレイ&DVD〔初回生産限定〕4,309円
発売中 20世紀フォックスホーム エンターテイメントジャパン
©2016 TwentiethCentury Fox HomeEntertainment LLC. AllRights Reserved.

アメリカのじゃがいも料理

左/アメリカ産ラセットポテトを持つじゃがいも生産者。アメリカでフライドポテトと言えばこの品種
右/スーパーにはさまざまなじゃがいもやポテトチップス、マッシュポテトの素になる粉末のパックなどが並ぶ。取材協力、写真提供/米国ポテト協会 日本代表事務所
アメリカのじゃがいも生産者による団体。日本では業務用のじゃがいも普及やポテトの情報サイト「ポテトエアラインズ」を運営。

ヴィシソワーズを生んだアメリカでは今、発酵フライドポテトが人気!?

様々な形で親しまれているじゃがいも。例えば、じゃがいもの冷たいスープ「ヴィシソワーズ」と言えば、フランス生まれと思うかもしれませんが、実はアメリカが発祥。1917年、ニューヨークの高級ホテルでフランス・ヴィシー地方出身のシェフが、母親が作ってくれたスープを思い出して作ったのがきっかけです。「ヴィシー風の冷たいクリームスープ」という意味のフランス語で、「ヴィシソワーズ」と名付けられました。最近では、発酵フライドポテトの注目度も上昇中。塩水に1~2日間漬け込んでから揚げると、じゃがいものほくほく感がアップするそうです。

荒井商店
☎03・3432・0368 東京都港区新橋5・32・4 江成ビル1F
11:30~15:00(LO14:30)、18:00
~23:00(LO22:00)日定休

※こちらの記事は2016年8月20日発行
『メトロミニッツ』No.165に掲載された情報です。

更新: 2018年6月12日

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