#5 真夏のじゃがいも読本

赤津加(秋葉原)
ゆう(代々木上原)

居酒屋で、肉じゃがとポテサラを

Photo:野呂美帆、近藤信也、山本尚明 
Text:立石 郁、佐藤太志、佐藤 潮

日本のじゃがいも料理BIG 2を決めろと言われたら、ポテサラと肉じゃがではないか、と思います。そしてこの2つが美味しい居酒屋は、間違いなくいいお店なのです。

赤津加(秋葉原)の肉じゃが

乾いた心を満たすザ・おふくろの味

肉じゃがと言えば、どこか愛情を感じる家庭料理の定番。レシピが単純だからこそ、作り手の真心が如実に反映されるのでしょう。そんな胃も心も満たしてくれる1皿を求め訪れたのは、秋葉原電気街のど真ん中。ここには創業62年、居酒屋の原風景のような店「赤津加」があるのです。こちらの肉じゃがは、煮崩れのない美しいフォルムながら、ホックホク。上品な出汁が具材に絡みつき、とにかく酒が進みます。カウンターに立つうるわしい女将を眺めながらいただけば、一人酒の寂しさはどこ吹く風。母の面影を感じつつ童心に返る幸せなひとときです(実際に調理をしているのは、会席料理や割烹で修業を積んだ女将のお孫さんだそう…)。

右/料理長の寺谷光雄さん。味付けを先代から受け継ぎつつ食べやすさや盛り付けで趣向を凝らす。
左/昭和の時代から変わらない定番メニュー。旬の食材を使用した日替わりメニューも絶品だ。酒は基本的に菊正宗を頼むべし。看板や熊手など巨大な菊正宗グッズが気分を盛り上げてくれるはず。

あかつか
☎03・3251・2585 東京都千代田区外神田1・10・2
11:30~13:30、17:00~22:30 日・祝定休(土曜は隔週休み)

ゆう(代々木上原)のポテトサラダ

「 定番のポテトサラダ 常陸牛しぐれと」972円 中.店主の井本有祐さんは「リストランテ濱﨑」や「ぽつらぽつら」などで腕を磨いたそう。「和食は自分の完成予想図を超えてくるから楽しい」

ポテサラの進化系は、たぶんこういうこと。

まず材料から。農薬と化学肥料を使わずに育てられた甘みのあるメークインと玉ねぎ、枕崎のかつお節、胡椒代わりに乾物の青唐辛子をミルで砕いた粉末、旨みが強い鹿児島・喜界島の塩。混ぜ込む自家製のマヨネーズには、酢ではなくゆずの果汁、高品質な養鶏場のナカムラポートリーの卵を使う。じゃがいもは蒸して丹念につぶし、炒めた玉ねぎと和えクリーム状に。さて、いよいよひと口。しっとりと滑らかな舌触りの中にすべての味が見事に融和し、あまりのおいしさにもう唸るしかない。添えられている、同じ卵の黄身の醤油漬けと甘辛の牛しぐれがまたすごい。ポテサラだけで美味すぎるのに、この極めつけのマッチアップ。スタンダードなのもいいけど、進化を追求した先にも正解が見えた気がします。

じゃがいもをはじめ野菜は「ゆう」の料理の主役。群馬や千葉の農園から直接仕入れる

ゆう
☎03・6804・8997 東京都渋谷区西原3・22・12
17:00~翌1:00(24:00LO) 月定休

※こちらの記事は2016年8月20日発行
『メトロミニッツ』No.165に掲載された情報です。

更新: 2018年6月12日

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