#2 真夏のじゃがいも読本

erba da nakahigashi(西麻布)
bépocah(原宿)
BIFFI TEATRO(白金台)

じゃがいものスペシャリテがある店

Photo:Sono(bean)、冨澤元
Text:佐藤潮、浅井直子

じゃがいものスペシャリテがある店

あまりにも身近な食材のじゃがいもは、コロッケのように日常的な日の料理がよく似合うのかもしれません。でもだからこそ、一流の料理人たちがじゃがいもを扱うならば、工夫や創意を凝らし、想いを込めないと、ハレの日の料理にはなれないのです。

erba da nakahigashi(西麻布)【鹿のラグーとじゃがいものニョッキ】

日本人としての矜持を込めた野菜のフルコースの最後のひと押し

2016年1月にオープンしたばかり。店名のエルバとはイタリア語で草を意味しており「つまり、野菜が美味しいお店です」と中東俊文シェフが気さくに応じます。彼は京都で最も予約が取りにくいと言われる日本料理店「草喰なかひがし」を営む店主の息子さん。18歳から5年ほどイタリアやフランスの星付きレストランを渡り歩き、帰国後01年間は関西の人気店で料理長として活躍を続けてきました。その多岐にわたる経験と技術を駆使し、移ろう日本の四季を繊細に表現するため、店はコース料理のみの完全予約制。ですが、食後にリクエストがあった場合、最後の押しの手として”ておきを用意していますそれ がこの鹿のラグーとじゃがいものニョッキ。京都で捕れた野生の鹿に合わせるニョッキの素材は「単品だと素直な味ですが、個性の強いジビエに負けないパワフルさもある」という京都産インカのめざめです。モチモチながら歯切れ良い食感、濃厚な甘みは、野性味のある鹿肉ソ—スと相性抜群。きちんと主張を持ちながらも協調性のあるじゃがいものことを中東さんは「日本人」に見立て、この1皿に和の精神と、それを育んだ地元京都の魅力を詰め込んでいるのでした。

土の中をイメージした内装。セラーにはヴィンテージワインを中心に日本酒の古酒など約300種類が揃う。ノンアルコールのカクテルなどソムリエが提案するペアリングも秀逸。

エルバ ダ ナカヒガジ
☎03・5467・0560 東京都港区西麻布4・4・16 NISHIAZABU4416 B1F
18:00~21:00LO 日定休

bépocah(原宿)【カウサ・レジェーナ】

じゃがいも料理の可能性を広げる伝統と洗練のペルー料理

最下層は、紫のじゃがいも、シャドークイーンのマッシュポテト。その上には蒸した鶏肉、さらに、アボカドやトマトなどの野菜を重ねた上に、インカのめざめのマッシュポテトと、さまざまな食材がレイヤードになったペルーの伝統料理が「カウサ・レジェーナ」。家族が集まる週末にお母さんがたっぷり作るリマの料理で、じゃがいもはライムと旨みのある黄色い唐辛子で味付けしています」と話すのは、ペルー料理店「ベポカ」オーナーで、ペルー出身の仲村渠ブルーノさん。ここ10年程の間にモダン化が進んだペルー料理ですが、それでもじゃがいもは相変わらずなくてはならない食材だとブルーノさんは言います。「カウサもじゃがいもありきの料理日本ではまだまだじゃがいもの使い方が限定的だと思うので、ペルー料理からじゃがいも料理の可能性を感じ取ってもらいたいですね」

左/オーナーの仲村渠プルーノさん
右/じゃがいもは主にインカのめざめを使用。カウサに使う際は、丁寧に3回マッシュして、滑らかな食感に仕上げる。各家庭で形も異なり、四角くしたり、具を巻き込んでロール状にしたリすることもあるそう。こちらでもカウサだけで、5種類のバリエーションがある。「カウサ・レジェ」1,600円。

ベポカ
☎03・6804・1377 東京都渋谷区神宮前 2・17・6
月~金18:00~翌1:00( 24:00 LO) 、土17:00~翌1:00(24,00 LO)
日、月1回月定休

※こちらの記事は2016年8月20日発行
『メトロミニッツ』No.165に掲載された情報です。

更新: 2018年6月12日

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