心と体を温める、上質な時間

|東京モダンおでんキュイジーヌ[4]|
誰にもきっと懐かしい味がある "日本全国のおでん"
東海・関西編

出汁、種、つけだれ、食べるシチュエーションまで、各地方ごとの特色を見せるおでん。姿形は違えど、その呼び名は日本全国どこへ行っても「おでん」というから不思議です。とはいえ、地元飯として人々に愛されているのは同じ。そんな各地方の個性的な面々をご紹介します。

◎つゆの濃さ
★★★

◎ダシ
カツオ節多め、牛すじ多め、
昆布

◎つけだれ・薬味
だし粉( 静岡)、八丁味噌
(名古屋)

◎おでん種
黒はんぺん(静岡)、牛すじ
(名古屋)、大根、たまご

東海真っ黒おでんに、味噌づくしこってりおでん2トップが登場!

こちらが静岡おでん。だし粉や青のりの風味で、しっかりとおかずとして成立する料理に仕上がっています。黒はんぺんは鰯が原料のためこの色に

 

東海地方の2大おでんといえば、「静岡おでん」と「どて煮」。真っ黒いつゆが印象的な静岡おでんの起源は大正時代とされていて、今でも黒いツユが静岡おでんのトレードマークになっています。当時、廃棄処分されていた、牛すじや豚モツなどを屋台で煮込んで安価で提供していたんだとか。また焼津などの港町から、静岡おでんの代名詞でもある黒はんぺんなどの練り物が登場したようです。一方、八丁味噌で煮込んだ「どて煮」と呼ばれるおでんは、愛知県の中でも特に名古屋で食されています。愛知県の他の地域は、昆布出汁などのつゆだくおでんに八丁味噌ベースのたれを付けて食されているそう。他の東海地方は、こういった“個性派おでん”ではなく、しょうゆベースや薄口のつゆだくおでんに練り辛子などをつけて、家庭で楽しむことが多いようです。

静岡おでんは串刺しスタイル。ご覧のとおりツユは真っ黒です。おやつに食事にと、生活に密着した静岡県民のソウルフードと言えるでしょう

★★★東海のご当地おでん★★★

味噌文化の名古屋はやっぱりおでんにも味噌。写真のような味噌おでんと区別するため、こちらでも醤油ベースのつゆだくおでんを関東煮と呼ぶそう

|静岡おでん|
おでん種に竹串を刺し「だし粉」と呼ばれるいわしの削り節やかつお節、青のりをかけて食べます。駄菓子屋でも売られているとか

|名古屋おでん|
かつおだしに八丁味噌を加え、すじ肉や里いもなどのおでん種を入れて煮込む。味のついた練り物などは使わず、具材にも味付けしない

【関西】

◎つゆの濃さ
★~★★★

◎ダシ
カツオ節、昆布、牛すじ

◎つけだれ・薬味
練りからし、生姜しょうゆ
( 姫路)

◎おでん種
サエズリ、コロ、クジラの
すじ、牛すじ、ひら天

出汁+薄口しょうゆがベースにクジラなどの珍味系おでん種も

関西風のおでんは、その呼び方、起源など諸説あります。一般的に家庭などで親しまれているのは、出汁と薄口しょうゆで作った淡い色をしたスープのおでん。特に京都では、昆布やカツオ節でとった上品な出汁のおでんが好まれているよう。また、大阪の岸和田などでは、濃口しょうゆとみりんで甘辛に味付けしたおでんつゆも食されています。有名なだんじり祭りの前日に「関東煮(かんとだき)」として、各家庭で作る風習もあるそうです。おでん種はサエズリ(ひげクジラの舌)、コロ(マッコウクジラの本皮)やクジラのすじなど、クジラと使った具材が多かったのですが、クジラの入手が難しくなると牛すじが代わりに入るようになって今では定番のおでん種となっています。京都の高級なおでん店では、ぎんなん串や湯葉を使ったオリジナルの種を出すところもあるとか。

うどんをはじめ関東は濃い味、関西は薄味と言われますが、おでんもまた然り。昆布が主体の透き通った出汁で、素材そのものの味を引き立て、ツユもしっかりいただきます

大阪おでんの代表格「たこ梅」のさえずり。20年程前までは、家庭で作るおでんにも入っていたくらい、関東煮に欠かせない存在でした

★★★関西のご当地おでん★★★

2014年11月に、姫路では「姫路食博2014&第2回全国ご当地おでん・地酒サミット」を開催。ゆるキャラや、「姫路おでんの歌」を作るなど、盛んにPRしています

|姫路おでん|
姫路では、濃口しょうゆの甘辛と薄味の2つのおでんが食べられてきました。その両方とも濃口しょうゆに土生姜をといたタレをつけていただきます。

Text:辺戸名悟/河島マリア(GRINGO)、メトロミニッツ編集部

※こちらの記事は2015年12月20日発行『メトロミニッツ』No.146掲載された情報です。

更新: 2016年10月18日

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