|前衛派日本酒[4]|
初心者からマニアまで!
美味しいお酒を愉しめるテーマ別厳選おすすめ店!Part2

続いては、日本酒の知識はもちろん、お酒への愛情や情熱がすごい店主・女将さんがいるお店。お猪口を片手に話をすれば、きっとこっちも日本酒のことがもっと好きになっているはずです。

日本酒をこよなく愛する 店主がいる店1軒目:[銀座一丁目]佳肴 みを木

(左)全量純米の酒造りに取り組む「神亀酒造」に出会い、燗で飲む純米酒のよさを実感したという渡辺さん。今では、燗酒の名手として知られる。( 右)神亀酒造のにごり酒 かるくいっぱい1,050円(350ml)は、「ビール代わりにもいけますよ」というドライな味わい。いちじくの天ぷら 白ゴマソース680円の甘みともマッチする

日本酒の味わいを“開かせる”名手あり

近年の品質向上により「日本酒が格好いいイメージになってうれしい」と語る、女将の渡辺愛さん。芸大卒業後、広告会社勤務を経て、「神田新八」で修業ののち独立したという異色の経歴の持ち主です。普段は身体に負担の少ない燗酒推奨派ですが、いわゆる前衛派のお酒は、そのままか冷やして提供することが多いそう。「燗で開いて味わいが増すお酒があるように、冷やすことで開くものも」。師と仰ぐ埼玉「神亀酒造」の社長から、お酒は料理に助けられるのではなく、料理を助けるものと教えられた渡辺さん。「日本酒はあくまで料理を引き立て、楽しい空間を作る手段。美味しければいいんです」。その懐の広さと親しみやすさに惹かれ、店には今日も多くの人が集います。

店舗名:佳肴 みを木
TEL:03・3563・6033
住所:東京都中央区銀座2・2・4ヒューリック西銀座第2ビル B1F
営業時間:17:00 ~23:30(22:30LO、金はバータイム延長あり)/日定休(第3日曜は営業)

日本酒をこよなく愛する 店主がいる店2軒目:[代々木上原]さかな 幸

(左)元々は魚屋だった実家の1階部分が店。今でも魚は父上が仕入れ、店内の黒板には旬のメニューが並ぶ。(右)しゃきしゃきの歯触りが小気味よい、長芋の明太子チーズ焼700円には、風の森 純米しぼり華 800円(グラス)を合わせて。フレッシュでいきいきとした酸、するりと入る飲み口は、色々な料理と相性がよく、食中酒に最適

一日の〆に、美味しいお酒と楽しい会話を

女将の大久保さんは元々ワイン派。日本酒は苦手だったそうですが、「ある時、無濾過生原酒のフルーティーさに衝撃を受けて日本酒好きに。気づけば日本酒メインのラインナップになっていました」。もちろん、無濾過生原酒を多く揃えます。小さい酒蔵の銘柄を大切にしたいと話す大久保さん。「誠実な作り手だと味も誠実なように、お酒は人となりが出るもの。小さくても頑張っている蔵元の素顔を、飲む人に伝えるのが使命」。カウンターのみの店ですが、女将の人柄に、ひとり客でも自ずと会話が弾むとか。ちなみに凛と若々しい美しさの秘訣は、「やっぱり日本酒。美容にもおすすめ」。美味しいお酒と女将に会いに、「ただいま」と立ち寄りたくなる名店です。

店舗名:さかな 幸
TEL:03・3469・0359
住所:東京都渋谷区西原3・21・2
営業時間:18:00 ~ 22:30最終入店(23:00LO)/日・祝定休

日本酒をこよなく愛する 店主がいる店3軒目:[下北沢]こうぜん

(左)最近は、奥様の地元である青森の酒蔵のものが充実。ひと昔前に比べ、質のよい生原酒が増えてきている。(右)定番おつまみ、トマトおから 550円は男性にも人気。ほのかな酸味が前衛派のお酒と相性抜群。六根 純米吟醸 無濾過本生900円(グラス)はさっぱり飲みやすく、「日本酒に馴染のない人の入門編としてもおすすめです」

知識も経験も豊富な店主夫妻が切り盛り

日本酒好きに絶大な人気を誇る三軒茶屋「赤鬼」で10年ほど経験を積んだ店主と、カフェなどで料理を担当していた奥様が、2年前に開店したのがこちらの「こうぜん」。純米や純米吟醸の生原酒を中心に40種前後揃うリストは、定番を押さえつつ随時入れ替え、季節ものも豊富。閉店後の店で一緒に晩酌しつつ、扱う銘柄やメニューを試行錯誤しています。若者の街下北沢にありながら、大人が落ち着いて飲める店として、現在じわじわと口コミが拡大中。「日本の食文化に合うとか、日本酒のよさは色々あるけれど、一番は自分が好きだから。それだけで店をやっているようなもの」とご主人。ここはひとつ、夫妻の目利き力に身を委ね、日本酒の世界に浸るべし。

店舗名:こうぜん
TEL:03・3485・1642
住所:東京都世田谷区北沢2・33・2 第二周和ビル1F
営業時間:17:00 ~翌1:00(24:00LO)/火定休

日本酒をこよなく愛する 店主がいる店4軒目:[下高井戸]居酒屋おふろ

(左)店名に居酒屋とつけたのは、「どんなお酒と料理でも”居酒屋”といえば出せるから。自由でいいでしょう」と相良さん。(右)店のオリジナル、結人 うすにごり本生純米吟醸700円(グラス)は、熊本産馬刺しのタルタル仕立て 1,000円とともに。熟した和梨のような甘さと香り、その後のキレのよさが、濃厚な馬肉と溶け合う

フリースタイルな提案でお酒の個性を引き出す

なんとワインのストックが4,000本近いという「おふろ」ですが、実は日本酒派の信頼が厚いことでも知られます。厳選されたリストは常時25種前後。新政の天蛙、醸し人九平次、王禄…まさに前衛派の銘柄がずらり。「僕は今30代後半で、日常的にワインを飲んできた世代。同世代の蔵元さんも、うちに来るとワインを楽しむ人が多い。ワインと日本酒を同列で語れる彼らのような存在が、日本酒を変化させたと実感します」と店長の相良隆行さん。店では、前菜にワイン、主菜に日本酒を合わせて提案するなど、カテゴリーを超えたお酒の個性を、相乗効果で引き出します。開店19年を迎える今も、当時と変わらぬ姿勢と自由な発想が、支持される秘訣のようです。

店舗名:居酒屋おふろ
TEL:03・5300・6007
住所:東京都世田谷区赤堤4・45・10 安心堂ビルB1F
営業時間:17:00 ~翌1:00(24:00LO)、金・土~翌3:00(翌2:00LO)/火定休

Text:唐澤理恵
Photo:キッチンミノル、加藤純平、今井広一

※こちらの記事は2013年9月20日発行『メトロミニッツ』No.131に掲載された情報です。

更新: 2016年10月21日

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