# 10|赤ワインと風土料理

上質な日本ワインを

東京で発信する店

Photo 松園多聞 Text 菊地貴広(しろくま事務所)

「国内で生まれたぶどうのみで造る日本ワインは、国内醸造ワインの中のわずか18.4%」と右のページでお伝えしましたが、そんな日本ワインを全国から集め、東京で私たちに届けてくれるお店がこちらの2軒です。日本の個性を反映した上質な日本ワインに出合えます。

セキ ハナレ [世田谷/和食]

おまかせコース(5,400円)の2品。薬味と生七味を添えたカツオのたたきと、プラス1,000円でグレードアップできる「のざき牛」のローストビーフ

ワイン関係者がこぞって通う人気和食店

「セキ ハナレ」の店主・川久保賢志さんが日本ワインの魅力を知ったきっかけは甲州です。「高品質、かつ安定的に供給される甲州ワインこそ評価されるべき」だと考え、約10年前に三軒茶屋で1号店「セキ」をオープン。休みと給料の大半をワイナリー訪問に費やし、まだ注目する人の少なかった日本ワインを100種類以上も扱ってきました。今では、ワイン関係者に「東京で日本ワインと言えば?」と聞くと、多くが川久保さんの店を挙げるほどに。そして、2014年に「落ち着いて飲める店を」とはじめたこちらの「セキ ハナレ」では、ワイナリーの数を10カ所ほどに絞り、より厳選した日本ワインを楽しめるようにしています。ただし、店の主役はあくまで料理。山梨県の農家から届く野菜、旬の魚や肉を使った料理を引き立ててこそ、ワインも生きると川久保さんは言います。

川久保さんおすすめの日本ワイン

左/ヴィノダ万力 マスカット・ベーリーA 2012(山梨県/金井醸造場)6,480円
自社畑で減農薬栽培したマスカット・ベーリーAを天然酵母で醸造した自然派ワイン。華やかで軽い口当たり

中/城戸ワイン オータムカラーズ ルージュ 2016(長野県/Kidoワイナリー)6,264円
メルロ、マスカット・ベーリーA、カベルネソーヴィニヨンのアッサンブラージュ。熟成させず新鮮な味を保つ

右/バウ!(山梨県/ドメーヌ・オヤマダ)4,860円
カベルネ・フランとマスカット・ベーリーAのアッサンブラージュ。ラズベリーのような軽く優しい香りと味わい

左/1階のカウンター席は川久保さんとの会話も楽しめる特等席 右/落ち着いた雰囲気の2階は貸切も可

セキ ハナレ
☎03・5450・5870 東京都世田谷区世田谷3・1・3
営18:00~翌1:00(24:00LO)
月定休

蔵葡 [築地/和食]

ハーブを食べさせて肉に香りをつけたハーブ鶏のもも焼きグリル1,058円と、日替わりのおばんざい5種盛り950円

200本のボトルに思いを込めた酒屋の直営店

蔵葡は、他ではなかなか体験できない約200種もの日本ワインと出合える店。1962年創業の酒屋「いまでや」の直営店として、「日本の酒と日本の食」をテーマに2013年にオープンし、北は北海道から南は宮崎県まで全国の日本ワインを楽しめます。豊富な種類の理由を「酒屋として、新しいお酒に出合ってほしいから」と語るのは、総料理長の岩川直己さん。いまでやのネットワークから最新のワイン情報が入ってくるのも強みです。日替わりで10種のグラスワインも用意しているため、県比べ、ぶどうの品種比べなど、いろいろな銘柄を試せるのもポイント。お料理は丁寧にだしを効かせた和食ベースの創作料理で、「日本ワインの雑味のないきれいな味わいは、やさしい和食とよく合います。しょうゆ系には赤ワイン、だし系には白ワインがおすすめですよ」と岩川さん。

岩川さんおすすめの日本ワイン

左/那須ワイン ソワレ 2006(栃木県/渡邊葡萄園醸造)9,180円
1884年創業の老舗ワイナリーから届いたバックヴィンテージ。メルロ特有の熟した黒い果実のような香りを持つ

中/ヴァン・ヴァン・ヴィンヤード(山梨県/シャトー酒折ワイナリー)6,372円
マスカット・ベーリーA100%。フレッシュベリーのようにフルーティな香りとキレの良さが特徴

右/くらぼっこ(岩手県/くずまきワイン)5,292円
酸味や野性味のあるヤマブドウと華やかなマスカット・ベーリーAが調和した、バランスの良さと適度な飲み応え

ワイン選びに困ったら、岩川さんに相談を/入り口のワインセラーが圧巻。一見むき出しだが、イオンカーテンでしっかり空調を管理

くらぶう
☎03・6264・1759
東京都中央区築地1・5・11
営17:00~23:30(23:00LO)
日祝定休

※こちらの記事は2017年10月20日発行『メトロミニッツ』No.180に掲載された情報です。

更新: 2018年4月20日

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