ワインとシャルキュトリ#9

「CHARCUT」「Abats」
「RIZO」
「HUGO DESNOYER」

実力派シェフの個性が光る自家製の数々

街でワインとシャルキュトリ⑤

Photo 花村謙太郎、大谷次郎、鵜澤昭彦 Text 唐澤理恵、河崎志乃、下前ユミ

CHARCUT(虎ノ門)

手間がかかるからこそ 料理の醍醐味、幸せがある

スペシャリテのカイエットプロヴァンサル1,058円は、豚の喉肉とレバー、ほうれん草、ハーブを網脂で巻いて焼き上げた1品。「シャルキュ」では冷製で提供する。修業時代、ニースで初めて食べて衝撃を受けた、町筋さんの原点とも言える味

その名も「シャルキュ」(まんま!)のこの立地、以前はP.28で紹介している「サラマンジェ・ド・イザシ・ワキサカ」のあった場所。シェフ町筋健彦さんは、「サラマンジェ~」を経て、本場リヨンのビストロやシャルキュトリで腕を磨き、師匠の店の跡地をそのまま引き継いだ生粋のシャルキュトリ職人でもあります。

オーナーシェフ町筋さん

とにかくシャルキュトリLOVEな町筋さんにとって、その最大の魅力は手間がかかること。「上等な肉は上手に焼くだけで美味しい。私たちの仕事はそれと正反対で、手間はかかるし、焼くだけの調理には適さない部位で作ったりする。でも、だからこそ料理人の仕事の意味を感じるんです」。

シンプルなグリーンピースのピュレにブーダン・ノワールを載せた、ブーダンサンジェルマン950円

高級な料理ではないからと、1皿1,000円前後のメニューがずらり。気心の知れた仲間とワイワイ、思い切り食べて飲んでお腹いっぱいに…そんな楽しみ方が正解です!

シャルキュ
☎03・6205・4177
東京都港区虎ノ門1・11・5 森谷ビルB1F
17:00~23:30 日定休(そのほか不定休あり)

Abats(本郷)

肉の奥深さをかみしめる 本格派のシャルキュトリ

自家製シャルキュトリー盛り合わせ5,900円(2名分※写真は3名分)。豚のほか、ウサギやイノシシ、蝦夷鹿、鴨など、さまざまな食材を使っている。野菜のクリュディテ1,050円、ロワールのシュナンブランと合わせて

どんな食通をも唸らせる本格派の店として見逃せないのが「アバ」。オーナーシェフの門脇憲さんは、世界の食文化を学ぶために22歳でアジアからヨーロッパへ陸路で移動し、ヨーロッパでは徒歩で移動しながら6年かけて食の修業を積んだそうです。

店先にアンドゥイエット(内臓と肉の腸詰め)を吊るし乾燥させる

中でも好きだというシャルキュトリを日本に紹介したいと9年前に「アバ」をオープン。アバとはフランス語で内臓という意味。40~50種類のシャルキュトリをはじめ、内臓料理やジビエ料理も楽しめます。猟師に直接持ち込んでもらうものも多く、全ての食材を店頭で一から仕込んでいます。年始に1年分の生ハムを仕込み、その出来上がりを見るのが一番楽しい瞬間なのだとか。

シャルキュトリのほか、ジビエ料理も充実

シャルキュトリは全て無添加。多種多様な食材の風味をじっくりと味わうことができます。全て自然派で揃えているこだわりのワインとも好相性。

アバ
☎03・6801・8771
東京都文京区本郷2・31・3 二木ビル1F
11:00~14:00、月~金18:00~23:00 (21:00LO)
土 18:00~22:00(20:00LO)
日・祝定休

RIZO(三軒茶屋)

優しい味わいの自然派シャルキュトリ

シャルキュトリーの盛り合わせ2,678円(2名分)は、バランス良く7~8種類を盛り合わせる。ハム、パテ、ソーセージ、ジュレ寄せテリーヌなど内容は常時変わります

保存料、着色料、発色剤などの添加物を一切使用していない無添加のシャルキュトリにこだわるのは、三軒茶屋にあるビストロ「リゾ」のオーナーシェフ、盛田智宏さん。こだわるのには理由がありました。それは、お店に来てもらってその場で食べてもらうから。塩分量もギリギリに抑え、肉の持つ自然な味わいを引き出すことを大切にして作っています。

注文を受けてからひとつひとつ丁寧にシャルキュトリを切る盛田さん。おすすめは、豚の肉や内臓などで作るパテ ド カンパーニュ

この店のこだわりはもう1つあります。店名の「リゾ」とはエスペラント語で「お米」という意味。食事でシメる文化のないフランス料理でもシメられるようにと、洋風ダシで炊くお米料理を用意しています。

プチサレ(塩漬けにした豚バラ肉)をオーブンの上で1日かけて乾燥させているところ。そのまま料理に使うほか、燻製すればベーコンになる

「手間のかかることも新しい挑戦をするのも、喜んでもらえるいい仕事をしたいと思うからなんですよね」と盛田さんは言います。お客さんと食材への愛情が最高のスパイスになっているようです。

リゾ
☎03・5779・9553
東京都世田谷区三軒茶屋1・39・13
18:00~翌2:00、日・祝 16:00~24:00
月定休

HUGO DESNOYER(恵比寿)

パリのカリスマ肉職人が繋ぐ肉屋レストラン

シャルキュトリー盛り合わせ1,728円。自家製梅山豚リエットと自家製梅山豚パテドカンパーニュの2つを中心に、フランス産の生ハムやサラミを添える。軽めの味わいのワインを

2015年11月、恵比寿にオープンしたパリで人気を博している肉職人「ユーゴデノワイエ」のショップ&レストラン。この店を任されているのがフランスで11年間修業を積んだシェフの齊田武さんです。

パテドカンパーニュを仕込み中の齊田さん。フランスの仔牛が手に入った時は、仔牛を使ったテリーヌが登場することもあるそう

ここ、日本でもパリの店舗同様に「肉職人の仕事は、牧場から料理まで」という哲学の下、環境、家畜、生産者を尊重した牛を使用しています。自家製の「パテドカンパーニュ」と「リエット」に使われる豚は、茨城県にある塚原牧場の梅山豚(メイシャントン)。牛と同じコンセプトで育てられた豚を使用するこだわりです。

ゴロゴロとした肉感が特徴の自家製梅山豚パテドカンパーニュなど、ガラスケースの中にあるシャルキュトリはテイクアウトも可能

「フランスでは子どもたちもシャルキュトリを朝から食べます。フランスの食文化とともに日本にもシャルキュトリを根付かせたいですね」と齊田さん。生産者から肉屋へ、そして料理人、食べ手へと、その徹底したこだわりは未来へとしっかり繋いでいます。

ユーゴ デノワイエ
☎03・6303・0429
東京都渋谷区恵比寿南3・4・16 アイトリアノン1F・2F
精肉販売11:30~17:00
ランチ 11:30~15:00(14:00LO)・土日祝 11:30~15:30(14:30LO)
ティータイム 14:00~17:00(1F席のみ)
ディナー 18:00~23:30(22:30 LO、2F席はWEB予約のみ)
月定休

※こちらの記事は2016年10月20日発行『メトロミニッツ』No.168に掲載された情報です。

更新: 2018年4月18日

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