ワインとシャルキュトリ#8

「 +ruli-ro」
「WINE & Craft Beer Bistro ミヤマス」
「格之進 Neuf」
「bistro Le Sept」

実力派シェフの個性が光る自家製の数々

街でワインとシャルキュトリ④

Photo 花村謙太郎、大谷次郎 Text 松本典子、下前ユミ、河崎志乃

本場フランスのシャルキュトリで修業をしたシェフ、1年間かけて自家製の生ハムを仕込むシェフ、50種類もの自家製シャルキュトリを作るシェフ…そう、いよいよ東京にもシャルキュトリの文化が根付こうとしています。これから日本のシャルキュトリ文化の発展のカギを握る東京の作り手に会いに行きました。

+ruli-ro(池尻大橋)

前菜も煮込みも あらゆる肉料理が迫力満点!

上はカスレ5,400円(3~4人前)。

外苑前「ドゥエ・コローリ」の姉妹店で、今年5月に誕生したビストロ。築70年の古民家で、豪快大皿料理と自然派ワインを味わえます。

シェフの渡辺博史さん。店名の瑠璃色にちなんだ内装も印象的

約30㎝の自家製ソーセージ、鴨のコンフィ、塩豚を白インゲン豆と煮込んだ南仏料理・カスレは、和牛などの炭火焼と並ぶ名物で、シャルキュトリも全て渡辺博史シェフの手作り。

自家製シャルキュトリー盛り合わせ1,728円は右下から時計回りに鶏の白レバームース、自家製サラミ、パテドカンパーニュ、ジャンボンブラン、自家製燻製豚レバー、自家製生ハム。ワインはパトリック・デプラヴォン・イ・トゥルヌ2014グラス1,026円、ボトル6,156円。

盛り合わせの中でもイチオシなのは、表面をキャラメリゼしたなめらかな旨みがクセになる「鶏の白レバームース」。実はオーナーの渡部武志さんは、以前渡辺シェフが営んでいた店のお客さんで、この1品に惚れ込んだのが「ルリイロ」誕生の始まりだったとか。

「最初の塩漬けで味が決まる」と、豚の肩ロースを4日間塩漬けして作る生ハムなどメニューの幅も拡大中で、フランス中心に200種以上、グラス15種という自然派ワインの品揃えもたまらない魅力です。

ルリイロ
☎03・5787・6662
東京都世田谷区池尻3・16・3
11:30~14:30LO、18:00~翌2:00(翌1:30LO)
土・日・祝 11:30~14:30LO、17:00~翌 1:00(24:30LO)
月定休

WINE & Craft Beer Bistro ミヤマス(新橋)

本格シャルキュトリと マリアージュを楽しむ

シャルキュトリーの盛り合わせ1,922円は、パテ2種、ハム3種、ソーセージ2種、リエット1種の8種の盛り合わせ。夏はゼリー寄せに、秋冬はジビエ肉を使うこともあるそう

JR新橋駅の烏森口から歩いて約3分。パテやリエットだけでなく、豚のホホと舌を豚の頭で巻き固めたハムのミュゾーや、アンデュイエットという豚内臓のソーセージなど、日本では珍しいものまで、自家製シャルキュトリを常時20種類以上用意する「ビストロミヤマス」。

自家製ソーセージを仕込み中の小田さん

それができるのは、シャルキュティエの小田利也さんがいるから。本場フランスのシャルキュトリ専門店で修業した日本人シャルキュティエに、その技術を伝授してもらった本格派。

2階のオリジナル熟成庫で熟成中のハム

「シャルキュトリを作る上で大切にしていることは、素材の組み合わせです」と小田さん。例えば、ピスタチオとカルダモンを加えた「冷製リヨン風ソーセージ」には、シャルトリューズという薬草系のリキュールを合わせて香り付け。

「シャルキュトリ」という言葉を聞き慣れない人に向けて丁寧な説明書きも用意されている

「より多くの人にシャルキュトリを食べてもらいたい」と、小田さんは新たな美味しい組み合わせを今日も探しています。

ワイン アンド クラフトビール ビストロ ミヤマス
☎03・5777・2730
東京都港区新橋3・15・1
17:00~翌1:00
日・祝定休

格之進 Neuf(六本木)

岩手の美味しさを余すところなく味わい尽くす

シャルキュトリー盛り合わせ2,800円(写真は一例)。生ハム、パテドカンパーニュのほか、その日のおすすめ数種が盛り合わせに。思わずワインが進むラインアップ

岩手県“門崎熟成肉”の焼肉店「格之進」が、同じく岩手の食材にこだわった「ヌッフデュパプ」とタッグを組み、2016年8月六本木に「格之進ヌッフ」をオープンしました。牛を一頭買いし、焼肉に適さない部位はハンバーグにするなどして全てを消費することをこだわりとしている「格之進」が、「格之進ヌッフ」では門崎熟成肉はもちろん、岩手県花巻市のブランド豚“白金豚”を使ってシャルキュトリとして提供。

店内でスライスして提供される生ハムは香りも味わいもみずみずしく、甘みのある脂が口の中で心地良く溶けていく

料理長の遠藤雅さんは、どこも捨てることないよう食材の命に感謝しながらシャルキュトリ作りに情熱を注いでいます。「シャルキュトリー盛り合わせ」は、どれも優しい味わいでバラエティ豊かな内容。

「格之進」が初めて手がけるシャルキュトリ。素材の味を十分に生かしつつ、優しく食べやすい仕上がりを意識している

中でも人気のパテドカンパーニュは、コース7,000円~ではお代わり可。イタリアのシャルドネや、ロゼワインと合わせて。

かくのしん ヌッフ
☎03・6459・2235
東京都港区六本木7・17・19 FLEG六本木 Second2F
17:30~23:00(21:00LO)
日定休
※2016年10月27日、六本木に新店舗「KABCO(カブコ)」をオープン

bistro Le Sept(青物横丁)

妥協を許さない下町の真摯なビストロ

自家製“シャルキュトリー”6種盛り合わせ1,800円。どれも丁寧な仕事がうかがえる端正な味わい。フランスのシャルキュトリの本場、リヨンにほど近いマコンのシャルドネと

下町の風情を残す青物横丁。品川など近隣エリアのワイン好きたちのオアシスとなっているのが、「ビストロ ル セット」です。

シェフの前川顕さん。実直な人柄が料理にも表れている。ソムリエの星さんと2人、試行錯誤しながら店の味を作り上げてきた

オーナー兼ソムリエの星雄基さんは、複数のフランス料理店で経験を積んだ後、自らの地元である青物横丁に2013年同店をオープン。“安心・安全なものを丁寧に調理し、こだわりのワインと共に召し上がっていただく”というコンセプトの下、できる限り自家製のものを提供しています。自慢のシャルキュトリも全て自家製。パテドカンパーニュは季節によって使う肉を変え、鴨の生ハム仕立ては仕込みに赤ワインを使いまろやかに仕上げています。

ロースハムの仕込み。塩漬けした豚のロースに糸をかける。この後、真空パックにして低温で調理し、しっとりとした食感に仕上げる

鶏の白レバーのムースに添えるパンデピスも自家製。香りや質感を調整し、絶妙なバランスでレバームースと合わせています。確かなこだわりとともに供される料理とワインで、大人の時間を過ごして。

ビストロ ル セット
☎03・3474・8278
東京都品川区南品川2・10・6
17:00~24:00LO、土 16:00~23:00LO
日定休

※こちらの記事は2016年10月20日発行『メトロミニッツ』No.168に掲載された情報です。

更新: 2018年4月18日

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