ワインとシャルキュトリ#4

テイクアウトで簡単に
フランス風食卓を実現

家でワインとシャルキュトリ②

「AU BON VIEUX TEMPS」
「Charcuterie du Mangenton」
「La Boutique Café by Le Cordon Bleu」

Photo 花村謙太郎、大谷次郎、有賀傑 Text 河島まりあ

「シャルキュトリ」という言葉は、本来は肉の加工品を指しますが、本場フランスでは時が経つにつれ、食肉加工品だけでなく簡単なお惣菜を作って販売するお店のこともシャルキュトリと呼ぶようになりました。ここ東京でも最近、フランスのようにシャルキュトリを販売するお店が続々登場。ワインのお供を調達できる都内の注目店をご紹介します。

AU BON VIEUX TEMPS(尾山台)

食べる人に寄り添った逸品で
シャルキュトリのこれからを切り開く

日本におけるフランス菓子界の第一人者であり、日本にパティスリーの文化を根付かせた立役者でもある菓子職人・河田勝彦さん。そんな河田さんが手がける「オーボンヴュータン」は、2015年4月に移転し、シャルキュトリのコーナーを新たに併設したことが話題となりました。

フランス料理店での経験から牛肉の赤ワイン煮込みやシュークルートなどの料理も揃う

こちらを担当するのは、河田さんの次男・力也さん。フランス菓子店に生まれながら料理の道に進んだ理由はというと「昔から甘いものが得意じゃなくて」と苦笑い。とは言え、フランス菓子を極める父の姿を見て、自然とフランス料理の世界を目指すようになったのです。そして、日本のフランス料理店で約4年修業した後に、渡仏。パリ随一の人気を誇るシャルキュトリ「ジル・ヴェロ」などで経験を積み、腕を磨きました。ゆえに、オーボンヴュータンのシャルキュトリはフランスの伝統的なラインナップが中心です。しかし、こちらは本場よりも少し塩分が控えめ。というのも「フランスのレシピそのままだと脂や塩が日本人には濃すぎるんです。日本人の味覚に合わせて作らないと、シャルキュトリの文化が日本に根付いていきませんから」(力也さん)。「ジル・ヴェロ」のヴェロ氏が来日し試食した際には、「塩気が少ない」と指摘されたことも。それでも、日本の食生活の中に馴染ませていくには塩気が強すぎてはいけないと、このこだわりを守っているのだとか。

5種以上とソーセージの種類も豊富

まだ、日本においてのシャルキュトリはブームの状態。パティスリーやブーランジェリーのようにシャルキュトリが当たり前に街にある、そんな未来を作るシャルキュティエの1人として注目です。

イートインもできる。ワインもあるのでシャルキュトリと一緒に楽しむのも◎

<SHOPPING LIST>
●テリーヌアマッチ 100g 604円
力也さんがバスクのお店で考案し採用された思い出のメニュー。意味はおふくろの味
●トマトファルシー 702円
トマトソースで煮たひき肉とバターライスをトマトの器に。ソースもトマトを使用
●タブレ 100g 540円
ミントを煮出したスープで戻したクスクスのサラダ。清涼感があり箸休めにぴったり

<OTHER MENU>
●パテ ド カンパーニュ 100g 496円
●ブーダン ブラン 1本 486円
●ジャンボン ブラン 100g 637円
●ポワトリヌ フュメ 100g 637円
●プーレ ロティ オーゼピス 810円
●ソーモンフュメ 100g 810円
●キッシュ オーシャンピニオン 648円

オーボンヴュータン
☎03・3703・8428
東京都世田谷区等々力2・1・3
9:00~18:00火、水定休
イートインスペースあり

Charcuterie du Mangenton|神宮前

3人のプロが集い生まれた
スペシャルな豚のシャルキュトリ

2016年6月17日にオープンしたばかりの「シャルキュトリ デュ マンゲントン」は、その名の通り“マンゲントン”のシャルキュトリのお店。さて、マンゲントンとは何かというと、やわらかい肉質と甘みのある脂が特徴の銘柄豚・萬幻豚のこと。そんな萬幻豚の製造販売をする「さの萬」の佐野佳治さんと、手作りのソーセージやハムの専門店「シュタットシンケン」の2代目・中山弘治さん、そしてフードソムリエの髙谷華子さんがコラボし誕生したのがこのお店です。

イートインはランチやアペリティフ利用に便利

「ソーセージに始まりパテなどを学ぶうちに、シャルキュトリの“食材のすべてを使い切る”という考え方が自分に合っていると感じました」と語る髙谷さんが、中山さんとシャルキュトリの講習会で、佐野さんと友人の紹介で出会い、そこから縁がつながりました。シャルキュトリを使ったキッシュやサラダなどは髙谷さんがお店で手作りし、豚肉を使ったシャルキュトリは、中山さんがシュタットシンケンで製造したものが届きます。

20種前後のシャルキュトリと惣菜が揃う。「シャルキュトリは肉の良さが命。萬幻豚はお肉の旨みがしっかりとあるので、香辛料に頼らない美味しいものが作れます」と髙谷さん。無添加、または添加物が最小限なので日持ちはしませんが、体に優しいのも人気の理由です

「ワインと一緒にいただくイメージが強いですが、ワインに詳しくなくても食べて欲しい。そしてもっと日常に寄り添っていきたいと思っています」と髙谷さん。そのため、そのまま食べるだけでなく、料理への応用も提案しているそう。その効果もあり開店してからまだ3カ月ほどにもかかわらず、常連客が多く、それぞれのメニューにファンがいるのだとか。フランスでは平日の簡単な夕食などとして食卓に欠かせないシャルキュトリ。プロフェッショナル3人によるお店から、じわじわと日本のテーブルへと広がりを見せているようです。

<SHOPPING LIST>
●パテパンタン 100g 800円
肩やレバーなどのさまざまな部位をパイ包みに。かつては旅のお供だったそう
●リエット 100g 650円
肉を煮詰め脂の旨みがぎゅっと詰まったペースト。バゲットと一緒にいただきます
●カシスのサラミ 100g 1,150円
オリジナルのメニュー。塩気とカシスの甘さのバランスが良く、後を引くおいしさ

<OTHER MENU>
●野菜のマリネサラダ 100g 350円
●キッシュ 100g 800円
●トゥールーズのソーセージ 100g 450円
●燻製ソーセージ 100g 450円
●白カビコッパ 100g 1,600円
●鶏ささみとドライフルーツのテリーヌ 100g 700円
●アスピックジャレ 100g 800円

シャルキュトリ デュ マンゲントン
☎03・6804・2971東京都渋谷区神宮前2・6・6秀和外苑レジデンス104
12:00~19:00、金・土12:00~20:00 不定休
イートインスペースあり

La Boutique Café by Le Cordon Bleu|代官山

名門フランス料理の学校が手がける
押さえておくべき正統派

パリで設立され100年以上の歴史を持ち世界中にスクールがある、フランス料理・菓子の教育機関「ル・コルドン・ブルー」。数々の食のエキスパートを輩出してきた東京校の1階には、スクールの講師がレシピを考案したデリやパン、スイーツがテイクアウトとイートインで楽しめる「ラブティックカフェバイルコルドンブルー」があります。

シャルキュトリがリーズナブルに買えるのもこちらの魅力

こちらのシャルキュトリ部門を担当するのは、テクニカル・ディレクターのジル・コンパニー氏。フランス中部のディジョン出身で、ミシュラン三ツ星のシェフの元で修業後、イギリスの有名四ツ星ホテルのフレンチでエグゼクティブヘッドシェフも務めた実力派。そんなコンパニー氏が、スクールのカフェで監修するシャルキュトリというだけあって、トラディショナルな味わいのソーセージやパテ・ド・カンパーニュなど本格的なフレンチのメニューがずらり。自家製のフォンを使うなどの、フレンチに特化した教育機関としての細部へのこだわりが光ります。

惣菜は季節の野菜を使ったものが中心で、またアヒージョやムースなど様々。1食分ずつカップに入れられているので、そのままテーブルに並べても映えます

また、そんなシャルキュトリを使ったトレトゥール(惣菜)やサンドイッチも用意。前菜からメインまで多彩なラインアップで、思い思いにチョイスしてプリフィクスコース気分を味わうこともできそう。ただし、その日何があるかは行ってみてからのお楽しみ。また、フランスの地域ごとの名物料理を紹介するフェアを10月から開催中。10月30日(日)までの第1回は「イル・ド・フランス」と題してパリを中心とするエリアを紹介しています。地方ごとに美食が生まれるのもフランスならでは。それぞれの魅力を楽しんで。

<SHOPPING LIST>
●パテ・ド・カンパーニュ 650円
凝縮された肉の旨みがワインに合う。新鮮な食材を選び、伝統製法と自家製にこだわり
●キャロットラペ 495円
伝統的な家庭料理。彩り良く見た目も美しいから、ホームパーティに欠かせない
●鴨砂肝のコンフィ/ジャガイモのサラダ580円
やわらかな仕上がりのコンフィとジャガイモを合わせた優しい味。日替りの品

<OTHER MENU>
●シャルキュトリーの盛り合わせ 1,500円(日替り)
●ソーシソンセック 40g 650円
●自家製黒胡椒のソーセージ 100g 360円(日替り)
●ル・マン風リエット 650円
●根セロリのサラダ 550円
●生ハムと根セロリのサンドイッチ 600円
●日替りキッシュ650円

店内に入るとすぐショーケースが。パンやスイーツの種類も豊富で目移り必至/お得な盛り合わせも用意。内容は日替り

ラ ブティック カフェ バイ ル コルドン ブルー
☎03・5457・2407
東京都渋谷区猿楽町28・13ROOB-1
10:00~19:00(18:30LO)月定休
イートインスペースあり

※こちらの記事は2016年10月20日発行『メトロミニッツ』No.168に掲載された情報です。

更新: 2018年3月29日

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