あなたのお母さんの得意料理は何ですか?

|日本の家庭料理[2]|
もっと知りたい日本の食文化 ~後編~

永山先生が選ぶベストヒット郷土料理①

半助豆腐[大阪]
商人の街・大阪ならではの始末の料理

「半助(はんすけ)」とは鰻の頭のこと。東京では捨ててしまう部分を、無駄なく使う発想がなんとも大阪的です。頭を落として背開きにする関東風に対し、腹開きにしてそのまま焼く関西風という蒲焼きの調理法の違いから派生した、香ばしい鰻の頭。半助に豆腐とねぎを加えて煮る素朴な家庭料理ですが、半助から出るいい出汁が豆腐やねぎに染み込んで、それはそれは絶品なのだとか。鰻を扱うお店にて、頭だけパックに詰めて売っている光景が見られるそうで、舌も経済観念もシビアに発達し、無駄を出さず最後まで使い切る大阪の「始末の料理」の象徴と言えるかもしれません。

NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』で、主人公・め以子が師匠の長屋で夢中になって食べた始末の料理もこれでした

永山先生が選ぶベストヒット郷土料理②

かちゅー湯[沖縄]
かつお節スープがおばあの笑顔を作る!

「おばあたちの笑顔のもとだよ!」と永山先生が教えてくれたのが沖縄の「かちゅー湯(ゆ)」。「かつお湯」の意味で、お椀にかつお節と味噌を入れてお湯を注ぐだけ。かつお節には、必須アミノ酸のトリプトファンが含まれています。別名「幸せホルモン」とも言われ神経を安定させる脳内物質、セロトニンの生成に必要なアミノ酸が、トリプトファン。かつお節がたっぷり入ったかちゅー湯は、さしずめトリプトファンスープと言えるのかも。特に、おばあたちに好まれている郷土料理だそうですが、沖縄のおばあたちがいつもにこにこ笑っているのも、もしかしたらかちゅー湯のおかげ!?

かちゅー湯のことなら「ヤマキ」へ
だし・かつお節の会社「ヤマキ」のHP上にある「Theかちゅー湯」がオススメ。掲載されているかちゅー湯レシピの数々には、かちゅー湯の新たな魅力を感じます。ぜひご覧くださいhttp://www.yamaki.co.jp/special/the_kachuyu/

元はと言えば「握り寿司」も 江戸(東京)の郷土料理

『守貞謾稿』によれ ば、当時の寿司ネタ は卵焼き、アナゴ、 シラウオ、ヒラメ、コ ハダ、貝類など。マ グロも庶民的な魚 として定番だった

今や世界中の人々の心を虜にする握り寿司も、元 をたどれば江戸のファストフードであり、郷土料 理。「白い米、魚介、そこに醤油をつけて食べる。素材 の持ち味を大切にする和食のエッセンスが詰まっ ているんですよ。誕生時から国際化する要素があっ たんでしょうね」と永山先生。現在の握り寿司が登 場するのは1825年、江戸時代の後半。当時は屋 台で売られており、大きさは今の握り寿司の2倍程 あったそう。寿司の屋台はそばの屋台の2倍あった というから、人気のほどがうかがえます。シンプル な美味しさゆえに、瞬く間に江戸から各地へ、また 時代も国境も軽々と飛び越えた、郷土料理の国際派 スターなのです。

歌川広重「東都名所高輪廿六夜待遊興之図」(神奈川県立歴史博物館・蔵)

今やすっかり長寿の国。長野県が元気な理由

永山先生のお話に出てきた、長寿の里、長野県。そのワケはやはり食文化に特徴があるようです。「1日の理想的な野菜摂取量は350gですが、長野県はそれを上回る370g。元気アミノ酸と言われるアルギニンが多い味噌の消費量も全国1位(2008年総務省家計調査より)。そばの特産地でもある長野県は標高が高いため、収穫されるそばは紫外線を浴びて抗酸化作用が高まります」。ちなみに、高齢者が働いている割合も男女ともに長野県が1位(2012年10月1日現在総務省統計局データより)。健康な身体で働いて長生きし、天寿を全うする、そんな活き活きしたご長寿の姿が浮かび上がってきます。

味噌、蕎麦、野沢菜など、長野県の特産品は健康的。しかし塩分が高めな食生活で、控えるよう働きかけをしたことも「長寿」の一因となった

Text 浅井直子

※こちらの記事は2014年5月20日発行『メトロミニッツ』No.139に掲載された情報です

更新: 2016年10月9日

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