|おいしい匂い漂う。メキシコの風、吹く[2]|
世界に浸透する”メキシコ料理”-Part2-

《スペイン》

食の帝都に新たな伝説が生まれる!?
アルベルト・アドリアの挑戦

16世紀の大航海時代にスペインがメキシコに進出した際、トウモロコシや唐辛子などを中心としていたマヤ、アステカといったメキシコ古代文明の時代から伝わる伝統料理に、スペインの豚肉やタマネギなどを使う料理が融合。こうして生まれたのがメキシコ料理とあって、スペイン国内でも多くのメキシコ料理店がひしめき、500年にわたって愛される存在になっています。近年は、伝説のレストラン「エル・ブリ」の天才シェフ、フェランとアルベルトの兄弟がメキシコ料理店をオープンするとのニュースが世界中を駆け抜け、大きな注目を浴びました。2013年には弟のアルベルト氏の手によって、バロセロナに「ニーニョ・ビエホ」「オハ・サンタ」の2店がオープン。ここでは、従来のメキシコ料理を徹底的に磨き上げた上品なメニューが味わえるとか。世界的な食の都・バルセロナでは今、新たなレジェンドが生まれつつあります。

スペイン・カタルーニャ州にあった〝世界一予約のとれない?レストラン「エル・ブリ」。その天才シェフ・フェラン・アドリア(左)とアルベルト・アドリア(右)兄弟

ニーニョ・ビエホ
2014年8月にオープンしたタコスショップ。カジュアルなバルスタイルで洗練されたタコスやメキシコ料理を提供

オハ・サンタ
レストランスタイルでタマルや豚肉のオレンジ煮「コチニータ・ピビル」など本格的なメキシコ伝統料理がいただけます

こちらがNinoViejoのタコス。トウモロコシで作られたトルティーヤは全て手作りで、写真は絶妙な火入れの牛肉を使用したもの。爽やかなサルサの辛味と酸味、シアントロの香りが弾ける、本場メキシコのタコスとはまた違った味わいの上品な美味しさです

《イギリス》

カレーから国民食の座を奪取!
自宅で作れるタコスキットも人気

インド系の移民が多いことから、カレーが長く国民食として君臨していたイギリス。一方、着々とファンを増やしてきたのがメキシコ料理です。近年は、「タコキット」などの材料の売り上げでカレーに2倍の大差をつけたとのニュースも。「タコキット」とは、パリパリのハードタコスと、牛肉を炒めるときに入れる味付きシーズニング、トマトベースのサルサソースなどがセットになって、肉と野菜、チーズを用意すれば手軽に本場の味を楽しめる、ロンドンっ子の間ではすっかりお馴染みの商品。イギリス人の興味は今、カレーからメキシコ料理へと移り変わりつつあるようです。人気を裏付けるのが、メキシカンレストラン「ワハカ」。イギリスで人気の料理番組「マスターシェフ」で優勝したことのある実力派・マイアーズ氏がプロデュースを手がけ、2007年のオープン以来、ロンドンで瞬く間に10店舗以上を構える急成長を遂げました。

スーパーマーケットにずらりと並ぶ「タコキット」。ポピュラーなブランドは「オールドエルパソ(OLDELPASO)」。日本でも輸入食品店で見かけることができます!

《日本》

沖縄から全国区となった
タコライスは何料理?

豚の挽き肉をチリパウダーで味付けしたタコミートにトマト、玉ねぎ、チーズ、レタスと、タコスの具材をご飯の上に載せたタコライス。これは沖縄に駐留する米軍のために、金武町の「パーラー千里」「キングタコス」の創業者である儀保松三さんが考案した創作料理。当時、沖縄でTex-Mexのお店が流行っていた影響で、さながらメキシコ風アメリカ料理風沖縄「琉球-Mex」といったところ。今や全国の飲食店でも見られるメジャーなメニューに。

次なるメキシコ発のキーワード「BAJA-MED」とは何か?

バハ・カリフォルニア半島にあり、アメリカのカリフォルニア州との国境にほど近い「ティファナ」。最近はグルメな街として知られ、クラフトビールも盛んに造られています。このエリアは地中海と気候が近く、収穫される野菜も豊富、さらに魚介類も多彩で、その食材の豊かさから若手のシェフが集まり、彼らがメキシコの伝統料理に地中海料理の食材や調理法、アジア料理のハーブやスパイス使いをフュージョンした「バハ・メッド」という新しいコンセプトを作り出しました。その波はカリフォルニアへと波及し、今後ニューヨーク、そして日本へとやってくるかも?

タコスやセビーチェなどベースとなるのはメキシコ料理。ヘルシーゆえ現代の人々の健康志向にもマッチ

Text:矢口あやは

※こちらの記事は2015年6月20日発行『メトロミニッツ』No.152掲載された情報です。

更新: 2016年10月14日

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