ビストロの現在地 #19

東京のビストロ

à table
[御茶ノ水]

Photo 野呂美帆 Text 菊地貴広(しろくま事務所)

今、東京にもビストロは無数に存在します。しかし、時代ごとに人々の心を満たしてきた、フランスのビストロが抱く“エスプリ”を知っている店となると、おそらく限られています。しかし、これよりご紹介するのはフランスで料理を学び、本場の文化を経験したことがあるシェフが手がける、東京のビストロです。それぞれがフランスのエスプリを独自の目線で店に込め、東京らしいビストロに育て上げています。

古くから伝わる伝統を守ってこそ 新しい文化が生み出される

フランスでは、星付きのガストロノミーで修業を重ねた中秋陽一さん。しかし、「フランス料理を多くの人に伝えたい」という思いから日本でビストロをオープン。そんな中秋さんに、フレンチにかける情熱とビストロノミーについて伺いました。

「高級店で働いたのは、料理の腕を磨くため。伝統的なフランス料理を今の時代に合わせるならビストロだと、最初から決めていました」と話す中秋さん。アターブルでも、ソースに酸味を加えて軽さを出すなどのアレンジを取り入れているそうです。

そんな中秋さんにとって、今のネオビストロの潮流は必然なのだとか。「できるだけ多くの人に自分の技術を知ってもらいたいと考えた星付き店のシェフたちが、クオリティはそのままに、内装やサービスを簡素化させて料理を提供する。そういう店は昔からあって、ネオビストロという言葉は後から生まれたものです」。

一方で、クラシックなスタイルも大切にしています。「日本にフランス料理の文化を伝えるのが僕の仕事。受け継がれてきた伝統を崩してしまえば、それはフレンチとは別のものになってしまいますから」

赤ワインで野うさぎをじっくり煮込む、リエーブル ア ラ ロワイヤル8,000円(写真はハーフポーション)

左/子牛、豚、鴨、鶏レバー、豚足など、10種以上の食材を使うパテ アン クルート2,000円 右/写真は2階のテーブル席。1階の吹き抜けのカウンターは本場を意識し、日本にいることを忘れる雰囲気

|CHEF|中秋陽一さん -Yoichi Nakaaki-

1981年、東京都生まれ。「レストラン・モナリザ」を経て渡仏。一ツ星店「ル・プリウレ」や二ツ星店「レスペランス」などのガストロノミーで4年半修業。帰国後、学芸大学で最初の店を成功させ、13年に現店オープン。

アターブル
TEL 050・5872・2595
東京都文京区湯島3・1・1 木村ビル1F
18:00~24:00LO(フードは23:00LO)
土・祝~23:00LO(フードは22:00LO)
日定休

※こちらの記事は2017年5月20日発行『メトロミニッツ』No.175に掲載された情報です。

更新: 2017年5月22日

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