ビストロの現在地 #16

東京のビストロ

bistrot nous
[秋葉原]

Photo 野呂美帆 Text 菊地貴広(しろくま事務所)

今、東京にもビストロは無数に存在します。しかし、時代ごとに人々の心を満たしてきた、フランスのビストロが抱く“エスプリ”を知っている店となると、おそらく限られています。しかし、これよりご紹介するのはフランスで料理を学び、本場の文化を経験したことがあるシェフが手がける、東京のビストロです。それぞれがフランスのエスプリを独自の目線で店に込め、東京らしいビストロに育て上げています。

フランスの食文化を継承し 日本の「おもてなし」を追求する

磯貝喜夫さんが修業したパリ17区の「ラントレドゥジュ」は、三ツ星レストラン出身のオーナーシェフが洗練されたバスク料理を出す人気のネオビストロ。そんな本場のネオビストロを体験した磯貝さんのビストロノミーとは?

「『ラントレドゥジュ』は、料理の質は高いのに雰囲気はカジュアル。テーブルの距離も近いし、くだけた雰囲気がとても魅力的でした」と、パリでは美味しさだけでなく、食事を心から楽しむフランスの食文化を学んだ磯貝シェフ。

1皿のボリュームや盛りつけの美しさなど、見た目の豪華さ、華やかさを大切にしていることも本場仕込み。一方で、「食事のペースを見て次の皿を準備したり、お酒を飲んでいなければ塩を軽くしてみたり、お客様それぞれに合わせたサービスも大切に」と、日本人らしい「おもてなし」も忘れません。

そんな磯貝さんは、東京のビストロをどう捉えているのでしょう?「まるでレストランのような店から大衆食堂のような店まで、多様なスタイルがあるのが東京らしい。ブームではなく、東京のビストロ文化として定着していくと思いますよ」

赤ワインと野菜でホロホロ崩れるほど煮込んだ国産牛ホホ肉の赤ワイン煮込み2,700円と、旨みたっぷりのノルウェーサーモンにスパイスを効かせたマリネ950円

左/磯貝さんとの会話を楽しめるカウンター席右/ハーフポーションのオーダーもできる。値段もリーズナブルで、お1人様にも嬉しい

|CHEF|磯貝喜夫さん -Yoshio Isogai-

1981年、東京都生まれ。ダイニングバー、カフェ、レストランを経て2009年に渡仏。パリの「オーボナクイユ」や予約困難なネオビストロ「ラントレドゥジュ」などで修業し、11年、秋葉原に「ビストロ ヌー」をオープン。


ビストロ ヌー
TEL 03・3251・0080
東京都千代田区外神田2・10・8
11:30~14:00、18:00~23:00
不定休(月・日・祝はランチ休み)

※こちらの記事は2017年5月20日発行『メトロミニッツ』No.175に掲載された情報です。

更新: 2017年5月22日

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