ビストロの現在地 #11

東京のビストロ

Bistro hugo
[都立大学]

Photo 松園多聞 Text 河﨑志乃

今、東京にもビストロは無数に存在します。しかし、時代ごとに人々の心を満たしてきた、フランスのビストロが抱く“エスプリ”を知っている店となると、おそらく限られています。しかし、これよりご紹介するのはフランスで料理を学び、本場の文化を経験したことがあるシェフが手がける、東京のビストロです。それぞれがフランスのエスプリを独自の目線で店に込め、東京らしいビストロに育て上げています。

今やビストロはボーダレス。私にとっては“気軽に入れる店”というメッセージ

今年1月にオープンし、早くも話題の「ビストロ ユーゴ」。オーナーシェフの佐々木啓太さんは、日本のブラッスリーやレストランを経て、フランスの二ツ星レストランで修業。帰国後はワインバーを経て、モダンフレンチ「グリ」のオープニングシェフに就任。そんな多様なスタイルのお店を経験した佐々木さんにとってのビストロノミーとは?

「今やビストロの概念は多様化していて、ボーダレスだと感じています。一言で言い表すのは難しいかもしれませんね」というのは、様々なスタイルのお店を経てきた佐々木さんらしい言葉。

「ただ、日本のビストロは、フランス料理になじみがない方にとっての最初の接点になるような店であってほしいと思っています。ユーゴにビストロとつけたのも、“ここは肩肘張らずに気軽に入れる店ですよ”というメッセージなんです」。佐々木さんが料理を始めた頃は、フランス料理店と言えばハレの日にきちんと身支度をして行くような特別な場所でした。

ですが佐々木さんは、何カ月も前から予約をして行くような店ではなく、「今日何食べよう?」の選択肢の1つに入るような、気軽にふらりと立ち寄れる店を目指したいと言います。「ビストロ ユーゴ」では、料理も伝統的なフランス料理のレシピやフランス修業時代にシェフから学んだスタイルを佐々木さん流にアレンジし、日本ならではの食材や調味料を使って親しみのある味わいに仕上げています。

中でも人気のヌガーグラッセは、フランスのようにナイフとフォークで1人1皿別々に食べるのではなく、気軽につついてシェアする日本らしい食事シーンのイメージから生まれたスタイル。定番のヌガーグラッセよりも軽やかに、スプーン1本で食べられるようにしています。丁寧に作り込まれていて、どこかほっとする「ビストロ ユーゴ」の美味しさを、自然体で味わって。

左/ホタルイカ/ブーダンノワール/アスパラガス1,500円。ブーダンノワールをピューレ状にし、日本ならではのホタルイカと、酢味噌に見立てた八丁味噌のソースを合わせて 右/ヌガーグラッセ/クコの実/いちご800円は、おなじみのヌガーグラッセを軽やかにアレンジしている

|CHEF|佐々木啓太さん -Keita Sasaki-

1981年、東京都生まれ。フランスでは、スペインのバスク州に接する南西部、ピレネー山脈の麓の二ツ星レストラン「シェ・リュッフェ」で修業。帰国後、渋谷「シノワ」を経て、代々木上原「グリ」のシェフを立ち上げから3年半務める。2017年1月に現店をオープン。

ビストロ ユーゴ
TEL 03・5726・9728
東京都目黒区中根2・13・20 内田ビル2F
月〜金17:30~22:00(LO)
土・日・祝 12:00~14:00(LO)
17:30~22:00(LO)
水定休

※こちらの記事は2017年5月20日発行『メトロミニッツ』No.175に掲載された情報です。

更新: 2017年5月22日

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