TOKYO BEERNISTA 2017 # 3

飲みながら考えた、おいしいもの

Text:浅井直子 Photo:大谷次郎

「食」に精通し、ビールとともに日々を楽しんでいるビアニスタの皆さんは、今日もお気に入りの1杯を飲みながら、何を“食べたい”と思うのでしょう。6名のビアニスタに、まずはイチオシのビールとおいしいもの、おいしい話をアレコレ伺いました。

大木正幹×ゴールデンエール

酒屋時代には洋酒や日本酒を中心に学び、「パーラー江古田」でパンを担当した際には、醸造酒とパンに共通する発酵への興味が湧いたという、オーナーの大木正幹さん。そんな大木さんが選んだ1本は、2011年、神奈川県川崎市に設立され、その品質の高さと美味しさで瞬く間に日本のクラフトビール界に知れ渡ったブリマー・ブルーイングのビールでした。

{BEERNISTA PROFILE} 
MASAMOTO OHKI
「正幹」オーナー。酒屋勤務を経て、「パーラー江古田」でパンを学んだ後、姉妹店「まちのパーラー」の立ち上げに関わる。2016年、実家の「大木酒店」近くに、角打ちを併設した酒屋「正幹」をオープン。

{BEER PROFILE}
BRIMMER BREWING
ゴールデンエール
生産地:日本(神奈川)
スタイル:エール
アルコール度数:5.5%ごくごく飲める軽やかさと、しっかりした味わいが両立。ホップの苦味は控えめなため、クラフトビール初心者にも人気。

Menu
軽やかな味わいのブリマー・ブルーイング ゴールデンエール650円に合わせたのは、自家製パンにルッコラ、ミラノ産サラミ、たっぷりのパルミジャーノチーズを挟み、仕上げにも惜しみなくパルミジャーノチーズをふりかけた、サラミとルッコラ、パルミジャーノチーズのサンドイッチ950円。かぶりつくと、肉とチーズが織りなす旨みが溶け合い、口の中にコクが広がります。

自由な風が吹く角打ちで、
自由なビールを飲む幸福

店内の入口付近の様子は、カフェのよう。でも、その奥のカウンターは、バーの雰囲気。よく見ると、冷蔵庫にはクラフトビールなど酒類が並び、どうやら、購入もできるらしい。「どれも正解です」と、笑うオーナーの大木正幹さんは、昨年4月、パーラー江古田仕込みの自家製パンをつまみに、クラフトビールが飲める自由な場所を作りました。
今回選んだブリマー・ブルーイングは、大木さんが毎日飲みたい定番酒。実際に、醸造所にも足を運んだところ、スタッフの方たちに温かく迎えてもらい、醸造所全体を包むフレンドリーな空気に触れ、ますますファンに。「何を飲んでも旨みと苦味のバランスが素晴らしく、飲み疲れしません。特にこれからの季節は、軽快なビールが飲みたくなりますよね」とゴールデンエールをチョイス。
そのビールに合わせて選んだメニューは、自家製リュスティック(田舎風ハードパン)で作る、サラミとルッコラ、パルミジャーノチーズのサンドイッチ。ふわふわに削ったパルミジャーノは、具材にも、最後の仕上げにもたっぷり使用し、食べごたえがあります。「パンは酒のつまみにもなるよう、粉の配合や水分量などを調整し、比較的あっさり仕上げました。サンドイッチをがぶっと食べたら、ビールをごくっと飲む。そんな気軽な組み合わせです」。柔軟で風通しのいい酒屋さんと、自由なクラフトビールの感性には、どこか通じるものがあるようです。

多彩な表情を持つ「まちの酒屋」さん

自分の名前を付けたのは、好きなスタイルが貫けるから。その結果、様々な側面を持つ、ニュータイプの酒屋&角打ちに。パン以外に、つまみのパテも自家製。「酒屋」なので、定番のブリマー・ブルーイング以外にも、箕面ビールやえぞ麦酒などのクラフトビールは小売り価格で提供。日本酒やワインのボトルは小売り価格に+500円で飲める。まさに、生活の中に溶け込む「まちの酒屋」さんです。
自然光がたっぷり入る店内。クラフトビールは常時5~6社を扱う。日本酒は実家で扱う稀少な銘柄、ワインはヴァンナチュールをセレクト。

「正幹」角打ち 東武練馬
Tel 03・6906・8313
東京都練馬区北町1・26・12
月~金 15:00~23:00、
土11:00~23:00、日11:00~18:00
不定休

菅原祐輔さん×COEDO 白-Shiro-

ガラスの特質を知り尽くした職人が、ハンドメイドで造るガラスブランド「Sghr」。様々なアーティストや、食ブランドとのコラボレーションも盛んです。その1つが、COEDOビール。プロジェクトの開始から3年経った先月、ついに、COEDOビール5種類(伽羅、漆黒、瑠璃、紅赤、白)全てに合わせたグラスが完成。そのきっかけは、代表の菅原裕輔さんからのラブコールでした。

{BEERNISTA PROFILE} 
YUSUKE SUGAHARA
祖父の代から続く菅原工芸硝子株式会社社長。「ガラスの美しさを最大限に引き出した製品作り」をコンセプトに、自社工房を持つ。2015年には、「Sghrスガハラショップ 青山」隣に、新しくカフェ「reStbySghr」をオープン。

{BEER PROFILE}
コエドブルワリー COEDO白-Shiro-
生産地:日本(埼玉)
スタイル:ヘフェ・ヴァイツェン
アルコール度数:5.5%
通常より小麦をたっぷり使用した、贅沢なビール。厳選された酵母による、爽やかでフルーティな香りときめ細やかな味わいが人気。

Menu
噛めば噛むほど旨みが広がるバスク豚のサラミやリエットに、大阪のシュクレ・クールから取り寄せたバゲット、カボチャの種や胡麻入りパン、レーズンやクルミ入りパン。その他、イタリア産パルミジャーノ、野菜のピクルスなど、少しずつ、でも、とびっきり美味しいものを揃えた、オードブルプレート1,296円。カフェでは、COEDO白864円のために作られた、優雅なフォルムのグラスで提供。

クラフトビールとクラフトグラス
のコラボレーション

元々、プライベートでCOEDOを愛飲していた菅原さんからのアプローチが、COEDOとのコラボレーションの始まり。全5種類のビールをデザイナーも兼ねるガラス職人たちが試飲し、イメージを膨らませたそう。「例えば、個人的に最も好きなCOEDO白は、無濾過のためやや白濁しています。
それを美しく表現することがテーマでした」と菅原さん。結果、グラスに注ぐと、アンバー〜ホワイトのグラデーションが現れる、シャンパングラスのようなフォルムを採用しました。
そこに合わせたのは、オードブルの盛り合わせ。しかし、これが只者ではありません。プレートには、バスクの伝統的シャルキュトリー、ピエール・オテイザのバスク豚のサラミや、パン好きが泣いて喜ぶ、大阪、シュクレ・クールのバゲットなどが並びます。サラミの旨みや、極上のパンを、COEDO白が優しく受け止め、ゆったりくつろげるマリアージュ。「女性1人でも、ちょっと贅沢に1杯を楽しめるようなイメージです」。それは、菅原さんがクラフトビールに抱く思いにも通じています。
「ビールは、日常を幸せにしてくれる飲み物。クラフトビールが一般化したことで、ビールにも様々なタイプがあり、グラスによって味わいも変わると気付く方が増えました。ビール文化が豊かになってきたのだと思います」。クラフトビールと手作りのクラフトグラス。お互いのもの作りへの情熱が繋いだプロジェクトに、要注目です。

ガラスブランド
「Sghr」 スガハラ

ハンドメイドのガラスを日常に
「Sghr」の製品は、全てハンドメイド、オリジナルデザイン。その数は4,000種類にも上り、現在も毎年新作を発表。

COEDOビールのための5種のグラス「ザ・ビアー」。左から、白、瑠璃、伽羅、紅赤、漆黒にそれぞれ合わせた、haku6,480円、hour3,240円、likka 3,456円、su3,024円、nido3,240円。
TEL 0475・76・3551
千葉県山武郡九十九里町藤下797青山店(左のカフェに併設)、松屋銀座店など、全国9つのショップを展開。オンラインショップでも購入可能。
www.sugahara.com

「reSt by Sghr」青山カフェ&ラウンジ

ガラスの魅力に気付く、青山のオアシス
暮らしの中にガラスを取り入れて欲しいとの願いから、2015年に青山のフラッグシップショップの隣にオープンしたカフェ。食器類はもちろん「Sghr」製です。

平日17~19時限定で、オードブルプレートとCOEDOビールまたはグラスワインのセットが1,836円に。さらに2杯目のアルコールは200円引きに。
TEL 03・6427・7732
東京都港区北青山3・10・18北青山本田ビル1階
11:00~20:00(19:30LO)
火定休

※こちらの記事は、
2017年3月20日発行『メトロミニッツ』No.173に掲載された情報です。

更新: 2017年3月20日

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