TOKYO FOOD JOURNAL 2016 #4

KEYWORD
高架下

Text:古澤健太郎(effect)Photo:花村謙太郎

東京の街に数多ある線路や道路の高架下。駐車場や公園のほか、飲食街としても以前から利用されてきました。そんな高架下がここ最近、続々と生まれ変わっています。新しい高架下の役割とは? 今年オープンした3軒から探ってみます。

下北沢ケージ

屋外でも屋内でもないケージは
街の魅力が溢れ出る場所


近年開発が進む下北沢駅近くの高架下に、3年間の期間限定でオープンしたのがこちらの「下北沢ケージ」。高い高架下に金網が張り巡らされ、ある種異質な雰囲気を放つ施設で、どこか子どものころ作った秘密基地を思わせる空間です。昼間は公園として子供連れで賑わい、夜は併設するアジア料理屋「ロン・ヴァ・クァン」の野外席として利用されているほか、マーケットやパフォーマンス、トークイベントなど多数のイベントが開催されています。
「下北沢は人と人、あるいは人と場所との繋がりをきっかけに様々な文化が生まれてきた街で、それが1つの魅力と考えています。下北沢を初めて訪れた人も、ケージの普段の風景やイベントの様子を見て、街の魅力や独特の文化を感じられる場所に育てていきたいです」。そう語るのは京王電鉄開発担当の田原さん。確かにこのユニークな空間は、下北沢という街を知る1つのきっかけになりそうです。

「しもきたざわケージ」東京都世田谷区北沢2・6・2 13:00~23:00(火曜のみ15:00~23:00) 無休

サナギ 新宿

店内は、台湾やタイの屋台街を想起させるフードスペースのほか、各スペースにアーティスティックな装飾が施された独特の空間。冬はこたつ席でくつろぐことも。

「サナギしんじゅく」Tel 03・5357・7074 東京都新宿区新宿3・35・6 11:00~23:30

東京のニューウェーブは
新宿の高架下から始まる!?


JR新宿駅東南口を出てすぐ、丁度ニュウマンのはす向かいにあたる、甲州街道の高架下に12月9日「サナギ新宿」がオープン。約900平米の敷地内には、レセプションバーや桟敷スペース、畳スペースなど6つのエリアがあり、中でもサナギ食堂では、日本を訪れた外国人観光客も楽しめるよう、和食のほかに中華料理、韓国料理、タイ料理などアジア諸国の料理を提供します。
また、このサナギ 新宿には「サナギインキュベーション」というもう一つのテーマが。「インキュベーション(孵化場)」の名前の通り、次世代のアーティストやクリエイターが自由に表現できる場を目指し、その成長や発展をサポートする狙いが。こちらのスペースの今後の展望について、株式会社ポトマックの櫻田さんにお話を伺いました。
「イベントスペースの利用は、新宿区の地域活性化プロジェクトの一環でもあり、これから街の賑わいを創出できるイベントを順次実施していく予定です。このサナギ 新宿が、次世代のカルチャーを発信するプラットフォームになってくれると嬉しいですね」
「食」と「アート」と「イベント」が融合したサナギ 新宿。この高架下から育っていく新しいムーブメントに注目です。

中目黒 高架下

中目黒と祐天寺の間、約700mにわたる長い高架下には、新業態の人気店やエリア初 進出店など注目のお店が充実。内外装のデザインも個性的で、従来の高架下のイメー ジを覆す空間になっています。

人と人とをつなぐ、中目黒の新たなランドマーク

目黒川をまたいで南北に伸びる中目黒駅の高架下。かつては、飲食店などが立ち並び、高架下文化を築き上げたスポットでした。2008年以降、安全性の向上のため耐震補強工事などが実施されていましたが、そんな高架下が、今年11月22日、新しいスタイルの高架下施設として生まれ変わりました。
その名もズバリ「中目黒高架下」。こちらを運営する東急電鉄の杉本さんは「○○商店街というように、分かりやすくかつ親しみを持っていただくため、あえてシンプルな名前にしました」と語ります。
入居する店舗の中でも目を引くのが、正面改札を出て向かいにある「中目黒 蔦屋書店」。店内は、中目黒に縁のあるアーティストによる壁面アートや植栽でクリエイティブな空間。中目黒住民の日常に寄り添う、駅前型のBook&Cafeです。ほかにも「LONCAFESTAND NAKAMEGURO」や「二○加屋長介」などの話題店が目白押し。休日にぶらりと訪れ、北側エリアのカフェやレストランでまったりとブランチタイムを過ごし、ちょっと買い物をして家路につく。あるいは、仕事が早く終わった日には、南側エリアのバルや居酒屋に立ち寄って、一杯ひっかける。そんな中目黒での充実した生活をうまく想像させてくれます。
「仕事終わりに立ち寄れる居酒屋や、行きつけのお店を作ってもらう。お店のオープンテラスから改めて街を眺めてもらう。そんな風に、中目黒高架下が生活の一部になってくれれば嬉しいですね。同時に、街全体に魅力が拡散している中目黒の玄関口として、他のエリアから訪れる人を楽しく迎え入れるランドマーク的役割を果たすことも目指しています」
街を訪れた人が、この施設にある居酒屋で近隣の住民と繋がりを持つ。当然、中目黒住民同士が出会い、繋がっていくこともある。高架下という、普段の生活と密着しながらも忘れられがちなスペースが、人と人の出会いの場として、また街の活性剤として大きな役割を担っていく。そんなことが中目黒高架下に期待できそうです。

「なかめぐろこうかした」コンセプトは「シェア(SHARE)」。人々が時間や空間を共有し、“中目黒らしい街の楽しみ方”ができる商店街として、新たなカルチャー発信地となることを目指す。東京都目黒区上目黒1~3丁目。

写真右 テラス席から目黒川を臨める「GOOD BARBEQUE」。写真は4種のお肉とサイドメニュー2種がセットのBBQ4種コンボ4,276円。長時間スモークされたお肉は本場のアメリカンテイスト。/写真左「LONCAFE STAND NAKAMEGURO」の看板商品、濃厚クリームブリュレのフレンチトースト1,026円は、外はカリカリ、中はトロリと絶品。

※こちらの記事は、
2017年12月20日発行『メトロミニッツ』No.170に掲載された情報です。

更新: 2017年12月20日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop