TOKYO FOOD JOURNAL 2016 #3

KEYWORD
フードホール

Text:佐藤太志 Photo:小林秀銀、平尾健太郎

フードホールとはNYで発展を遂げたフードコートの進化版。地元の人気店や職人気質な専門店が軒を連ね、その味を気軽に楽しめる複合型の飲食施設です。今年、東京にもこのスタイルが上陸、さらに独自の変化を遂げています。

恵比寿 EBISU FOOD HALL

朝は通勤前のビジネスマン、昼は近隣の人のランチで、夜はお酒やディナー利用で一日中混み合う店内。外にも20席ほどのテラス席がある。

「自由」な過ごし方を満喫
日本版フードホールのお手本

自分で野菜やデリが組み合わせられる、MIXサラダとお野菜デリ2品プレート1,059円が楽しめる「グルメサラダ」の店舗。

コンクリートや木を組み合わせた、都会的なイメージのマテリアルが彩る、見通しのいい空間。中央にはテーブル席やハイチェアが並ぶロングテーブルがあり、左右両側の壁には業態の異なる4つの店のカウンターが見えます。
平日午後4時、100席以上ある店内はほぼ満席。おしゃべりに興じる女性同士や遅いランチを楽しむ一人客、Macを前にミーティングする男性グループなど客は様々。同店を手がけるグルメブランズカンパニーの広報、山田彩夏さんに聞くと今年9月のオープン以来、連日この賑わいだと言います。「感度が高い恵比寿の方々に響くお店を目指しました。来てみるとわかる、過ごし方の『自由さ』が魅力なのかもと考えています」(山田さん)
今回の店舗の開発に当たり、2010年頃からNYに登場したフードホールに注目し、数年前から視察を行うなどしてお店作りの参考にしたそうです。4つの店も力の入ったものばかり。ハンドドリップコーヒーとバリスタによるラテアートが自慢の「自家焙煎コーヒー」、上質なハード系から毎朝店内で焼き上げる総菜パンまで約30種が並ぶ「ベーカリー」、野菜に魚や肉、穀物などのデリを組み合わせられる「グルメサラダ」、世界のワインや新鮮なシーフードなどが味わえる「バル」と多彩なシーンに対応してくれます。NYに比べると小規模ですが日本版フードホールのお手本ともいえそうな店舗。今後このスタイルが全国の都市で広まる可能性は高いかもしれません。

「エビスフードホール」 Tel 03・5773・5959 東京都渋谷区恵比寿南1・1・9 岩徳ビル1F 営業:コーヒー8:00~23:00、サラダ11:00~22:00、ベーカリー8:00~22:00、バル16:00~23:00 不定休(1月1日休)

写真左 「自家焙煎コーヒー」にはバリスタが常駐している。/写真右上 「バル」の人気メニュー、イベリコベジョータの生ハム 1,080円(手前)、ラクレットチーズ843円(奥)

新宿 NEWoMan FOOD HALL

「ニュウマンフードホール」 Tel 03・3352・1120(ニュウマン代表) 東京都渋谷区千駄ヶ谷5・24・55 7:00~翌4:00(ベーカリー&レストラン 沢村のベーカリーのみ7:00~22:00)無休 (1月1日~2日は20:00までの営業)

何度も訪れたくなる魅力満載
センスある大人が集うスペース

今年4月にオープンした話題の商業施設のフードホール。店内に入ると、4m近い高い天井で圧倒的な開放感。「青山や恵比寿などをよく訪れている、ファッション感度の高い方や外国人が気軽に集え、朝から深夜まで利用できる場所を創りたかったのが根本です」と教えてくれたのは、ルミネ本社業態マネジメント部・部長の鈴木和馬さん。同社として初めてお酒のあるシーンを強く想定した店舗で、パブリックスペースの設計は男性的でインダストリアルなテイストに仕上げているそう。
各店は「実際足を運び、感動を覚えたかどうか」(前出・鈴木さん)をポイントに選定。軽井沢発の人気店「ベーカリー&レストラン 沢村」や、シンガポールから初上陸した「Oyster Bar wharf」。他にアメリカ西海岸のエッセンスを加えた料理が揃う「tavern on S〈és〉」や、西麻布の人気店プロデュースの「SUSHITOKYO TEN」、南青山のフレンチの名店「LAUBURU」の櫻井信一郎シェフ監修の「SALON BUTCHER&BEER」という全5店です。「通りがかりよりも、こちらを目指して来るお客さんがほとんど」(前出・鈴木さん)だそう。何度も訪れたくなる魅力を備えたスポットです。

品川 FOOD & TIME ISETAN

写真上「食べる」エリアは他に「Guzmany Gomez」など全部で7店/写真左 「Antenna America」では約6種のドラフトを用意。/写真右 「Gri&Pain クラシックバーガー」850円。

三越伊勢丹の食のこだわりを発信する
ライフスタイルストア

「フードアンドタイム イセタン」 Tel 03・6717・6262 東京都港区港南2・18・1 アトレ品川 3F クイーンズ伊勢丹10:00~22:00、フードコート&デ リ/カフェ8:00~22:00、土・日・祝10:00~22:00 無休 (1月1日~2日休)

「FOOD&TIME ISETAN」は改札からはフロアを1つ上った場所に位置。取材に訪れた平日午後6時、仕事終わりの男女やキャリーバッグを持った旅行帰りのお客さんが続々と訪れ、活気にあふれていました。
同店舗は三越伊勢丹フードサービスが今年11月にオープン。「嗜む」「作る」「食べる」「過ごす」の4エリアで構成したライフスタイルストアで、中でも注目が110席あるフードコート。「スーパーマーケット併設型として、生鮮品を含め、今までに培ってきたネットワークを最大限に生かした店舗を目指しました」と、経営戦略部・事業創造部長の小坂健太さんは言います。小坂さんがまず案内してくれたのが、フロア中央にある「AntennaAmerica」。クラフトビール専門のナガノトレーディングがアメリカから冷蔵で直輸入するビールが楽しめます。次は同社の新業態、サラダバー「FARMER’S GREEN」。全国の選りすぐりの農園の新鮮で高品質な野菜をケースから選び、100g 324円から自由にカスタムできます。アメリカを意識し多国籍なメニューが揃うデリカテッセン「DELI CHEF’sSELEQ」も新業態。また軽井沢の老舗ベーカリー初挑戦のバーガーショップ「Gri&Pain」など新しい試みの店舗が並びます。
「三越伊勢丹の『食』を発信する1号店」と小坂さんが言うように、同社の気合いを感じるこだわりが詰まった店。東京の玄関口の新名所になりそうです。

※こちらの記事は、
2017年12月20日発行『メトロミニッツ』No.170に掲載された情報です。

更新: 2017年12月20日

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