#5 料理と教室

料理家の料理と教室

あの料理の教室 南インド料理
あの料理の教室 発酵
あの料理の教室 アウトドア料理

Photo:野呂美帆(たまな食堂)、キムアルム(蓮池さん)
Text:浅井直子(たまな食堂)、佐藤潮 effect (蓮池さん)

あの料理の教室 南インド料理

教えてくれた人たち:
カレーユニット マサラワーラー

画家の武田尋善さんとミュージシャンの鹿島信治さんによる、南インド料理を作るユニット。店舗を持たず、日本各地でイベントや料理教室を開催。2011年には現地でインド人にインド料理を作るイベントも。

“香り”と2人のキャラが教室のスパイス!

初めてのインド旅行で南インドを訪れて以来、その魅力にすっかりはまってしまった画家の武田尋善さんとミュージシャンの鹿島信治さん。二人は、南インド料理のユニット「マサラワーラー」として、日本各地でのパーティや料理教室にひっぱりだこです。

2008年から料理ユニットとして活動を始めたマサラワーラーのお二人。それまではあくまでも趣味として、料理本のカレーを片っ端から作っていたそう。次第にその情熱はエスカレートし、レパートリーも増え、南インド料理の出張料理人として、活動することになります。まるで漫才のような(!?)二人の掛け合いも楽しい料理教室は、参加者も工程を受け持つ実践型。「野菜を細かく刻むところからやってもらいます」と言う武田さんに、「それも意味があることなんです」と鹿島さんが付け加えます。なぜなら、ガスの供給が安定していないインドでは、材料を細かく刻んで火の通りをよくし、少しでも燃料を節約する必要があるから。こういった現地の食事情に触れながら学べるのも、南インドのレストランの厨房や、個人宅のキッチンに何度も足を運んだ二人だからこそ。インド料理でポイントになるスパイス使いについても、的確なアドバイスをもらえます。「皆さん、味の決め手をスパイスに頼りがちなのですが、大事なのは実は塩。スパイスの役割は辛みと苦みと香りです。まずはスパイスだけの状態で、次に、塩を足した時、最後に酸味を足した時に、それぞれ味見してもらっています」と鹿島さん。武田さんも、「今は、料理を習おうと思えば、動画で済ますこともできる時代。でも、体験しないとわからないのが、香りです。この香りが出たら火を止めるとか、僕たちの料理教室では、そういうことを伝えていきたいです」と言います。笑いが絶えない教室ながら、南インド料理の真髄もしっかり押さえているのです。

ミールスと呼ばれる典型的な南インドの昼食セット。ラッサム(タマリンドや黒こしょうが入ったスープ)や、野菜とココナッツの和え物など、5~6品を作る。

教室DATA

料理教室のスケジュール
■開催日:次回は11月の予定
■内容:西麻布KONTACTO EAST STUDIOにて開催予定。webサイト内のニュースコーナーにて確認を。http://masalawala.info/ 15人位を集めて、個別に料理教室をお願いすることも可能
■料金:6,000円 ※イベントによって異なる
■定員:15名

あの料理の教室 発酵

教えてくれた店:
表参道 たまな食堂


発酵講座を担当する講師の堤由起子さん。他にも季節ごとに、ジンジャーシロップ作りや、りんご酢作りなども人気。

発酵の基本、麹を、素材違いで食べ比べ暮らしを見直すきっかけに

味噌や醤油など、日本の発酵食品に欠かせないのが麹。その麹を使って醤油麹などを作り、家庭での活用法まで学べるのが、玄米菜食料理で知られる「たまな食堂」の発酵講座です。麹について学ぶ基本編と、醤油などの発酵調味料を作る応用編が用意されています

基本編の講座の流れは、「そもそも発酵とは?」といった知識が得られる30分の講義の後、実際に醤油麹などを仕込みます。さらに、その麹を使いこなすべく、調理を体験し、試食タイムへ。中でも、特徴的なのが、普段はなかなかできない麹の食べ比べだと、講師の堤由起子さんは言います。「講義では、同じ麹でも、白米麹、玄米麹、麦麹と3種類の原料で味わいの違いを試し、自分のお気に入りを見つけたり、熟成年数による味わいを食べ比べたりできます。初心者の方はもちろん、すでに自分で麹を扱ったことのある方も自己流で終わらずに、基礎から学び直し、発酵や麹についていっそう知識を深めてもらえているようです」。この基本編を学んだ半数が、味噌や醤油、みりん、梅酢を作る応用編に進むそうで、中には、原料の食べ比べですっかり目覚めて、味噌を、白米、玄米、麦と3種類の原料で仕込む強者も。どうやら、発酵には、のめり込んでしまうだけの魅力があるようです。「麹を仕込んで熟成させる過程は、生き物を育てているような感覚なので、そこも面白く感じるのだと思います。
これはお店用に大量に仕込んでいるのですが…」と、堤さんが見せてくださった醤油麹は、まさに「生き物」。プチプチと音を立てて発酵するリアルな工程が見られるのも、教室ならではの醍醐味です。日々、麹の世話をするには、気持ちのゆとりも必要というわけで、今までの暮らし方そのものを見直す人もいるのだとか。奥深い発酵に触れることは、新たな世界への第一歩となるかもしれません。

左/仕込み途中の醤油麹 右/試食タイムでは、炒め物のようなメインの1皿以外に、玄米ご飯、醤油麹のお吸い物、糠漬けなどの盛り合わせがセットになって提供される。

学んだ麹を使用して調理した醤油麹の野菜炒め。パプリカやレンコンなど旬の野菜を炒めて、最後 に少量の醤油麹を加えるだけのシンプルなメニュー。他にも、醤油麹や塩麹をお湯で溶いたお吸 い物など、登場するのは、すぐに家で使いこなせるレシピばかり。

教室DATE

基本の発酵講座(応用編もあり)
■開催日:現在スペース改装中のため、次回開催は9月以降を予定
■内容:塩麹、醤油麹、甘麹の3回講座で、発酵の基本が学べる。
各回、講義、仕込み、麹を使った調理実習、試食がセットになっている。
■料金:1回6,480円
■定員:10名

☎03・5775・3673
東京都港区南青山3・8・27
営11:00~15:30(14:30LO)、18:00~22:30(21:30LO)無休(9月より火定休)

あの料理の教室 アウトドア料理

教えてくれた人
料理家 蓮池陽子さん

PROFILE:
ビストロでの修業後、大手料理教室の講師に。その後アウトドア料理に目覚め、 現在は料理教室以外にもフードコーディネート、メニュー開発など多方面で活躍。著書『げんさんとよーこさんの山ごはん(山と渓谷社)が発売中。

火起こしからお弁当まで、忘れられない外ごはんを。

「食の物語を紡ぐ」をテーマに、様々な活動をされている蓮池陽子さんはアウトドアのイベント等で料理教室を行うほどアウトドア料理の講師としても評判。池袋にあるアトリエで、間もなく定期的な教室を開くという情報をキャッチし、その内容を伺いました。

「食の物語を紡ぐ」をテーマに、様々な活動をされている蓮池陽子さんはアウトドアのイベント等で料理教室を行うほどアウトドア料理の講師としても評判。池袋にあるアトリエで、間もなく定期的な教室を開くという情報をキャッチし、その内容を伺いました。
今ではアウトドアの料理本を何冊も手がけている蓮池さんですが、「昔はアウトドアなんて好きではありませんでした」と言うように元はインドア派。転機は、友人に連れて行かれた登山での食事だと言います。苦労を共にした仲間たちと、八ヶ岳の美しいロケーションで食べた冷麺の味に感 動し、今でも鮮明に記憶に残っているのだそう。それ以来、バックパックの中を食 材や調理器具でいっぱいにして、「食べること」目的の山登りやキャンプを楽しんでいます。

そんな蓮池さんが9月からスタートするアウトドア料理教室は、平日のプログラムは室内でもできるアウトドア料理が中心の予定。公園でのピクニックなどにぴったりの、火をなるべく使用しない調理法や、調理時間を短縮するコツなど、普段の料理にも応用できるアイディア満載です。週末のプログラムでは、屋外の調理で最も重要で、難しい“火”の扱い方から教えてくれます。使える薪の見分け方、調理中の火加減を見極める方法を学びながら、屋外ならではのレシピを知ることができます。
「食事は人と人をつなぐコミュニケーションツール。私の教室でり合ったメンバーと一緒にアウトドアを楽しみたいと思えるような、素敵な出会いをつくる場を提供できれば嬉しいです」。美味しさや笑顔を共有する仲間との思い出、素材に込められた生産者の想いなど、食にまつわる“物語”を持ち帰ってもらうことが、蓮池さんの教室の一番の目的なのです。

 

蓮池さんのアトリエは池袋駅西武南口からわずか4分。都会のど真ん中とは思えないほど緑に囲まれており、心地よい空気のなかで料理を学ぶことができる。外で焚火台に火を起こしてつくるダッチオーブン料理など本格的なメニューも実施予定。上の写真は、これまで蓮池さんがアウトドアで作ってきた料理のほんの一例。キャンプのお肉料 理や、ビーチでパスタを作ったこともあるそう 。

教室DATA

湯煎で作る簡単ローストビーフ、レモンオリーブオイルが決め手のモモのカプレーゼなど蓮池さん の料理はアイディア満載。調理法はシンプルながら驚きや発見の詰まった味わい。 

料理教室のスケジュール
■開催日: 9月2日(土)予定
■内容: 初回は池袋のアトリエにて、室内で調理できるメニューを実施予定。また、10月22日には厳選された調味料やだしの使い方を学び、その場で購入できる『蓮池商店』がオープン予定。詳しくはHP「Atelier Story」をご確認。 https://www.atelierstory.jp/
■料金: 5000円~
※テーマ、食材によって異なります
■定員: 7名

※こちらの記事は、
2017年8月20日発行『メトロミニッツ』No.178に掲載された情報です。

更新: 2017年12月30日

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