|東京エリートレストラン|
世界に自慢したいフランス料理のシェフ[22]
Edition Koji Shimomura
エディション・コウジ・シモムラ[六本木] 下村浩司シェフ

おすすめの3人を教えてください
MY FAVORITE CHEF 03 小松めぐみさん 編

フードライターとして国内外のレスト ランを800軒以上取材。もちろんフラン ス料理にも精通している小松さん。実は それだけではなく、フランスで食べ歩き するためにフランス語を習得したり、学 生時代にはフランス料理の料理人を目 指して独学で勉強していたという経歴 の持ち主。クラシカルな王道のレストラ ンから、最前線を行く新鋭のレストラン まで、多くのシェフに取材し、愛情を持 ちながらも客観的に業界を見つめる小 松さん。個人的には素材の選び方、調理、 盛り付け、メニューの構成、レストラン を形作る全てに「シェフの情熱が溢れて いる店」がお好きなんだそうですが、今 注目しているシェフは?

小松めぐみMEGUMI KOMATSU|
東京生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスの編 集・ライターに。『GQ JAPAN』『VOGUE』などで食関連の記事を 執筆。『週刊新潮』で「記念日の晩餐」、CREA WEBで「“キレイに なれる”レストラン」を連載中。

KOMATSU’S Recommended point

素材と真摯に向き合う姿勢に感服

「肉料理でも魚料理でも、的確な火入れには素材に対する敬意が感じられます。難しい素材に挑戦するチャレンジ精神にも脱帽」と小松さん。その最たる例が、写真の牡蠣料理。下村シェフにとって10年以上にわたる不動のスペシャリテ。こちらに訪れるゲストはもちろん、海外の料理イベントでも心待ちにされるほどの逸品で、年間1万数千個の牡蠣を使用するそう。この一品を紐解けば、そこに下村シェフの料理哲学と、完璧主義で向上と追求の手を緩めない人間性が見えてきます。




 

牡蠣料理に秘められた下村流料理哲学

そもそも牡蠣は、食中毒を出しやすく最も危険と言われる食材。「それを1年中出してるから、同業者の方々から“そんな怖いことよくやるね”って言われます(笑)」と下村シェフ。現地を視察して生産者と話した末に選んで使用する牡蠣は、食中毒の原因となる生活排水の影響を受けない広島の無人島付近で養殖されたもの。さらに生産者に頼んで専用の水槽を置き、コンディションを徹底管理。自ら保健所の所員を招いて、牡蠣の処理や厨房で行う万全の安全対策を事前に理解させているとも言います。牡蠣のようにリスクのある素材にもチャレンジして最良の食材を揃え、ストーリー性を吹き込んで調理し、提供の仕方までデザインするのが下村シェフの真骨頂。このスペシャリテは「海中にいる牡蠣と海藻、海水が皿に移動」がテーマで、ガラス製の大皿は海底から浮き上がる泡をイメージしてこの料理のために特注。地中海の塩で海水濃度にした塩水でさっと茹でた牡蠣と上にあしらった乾燥海苔を、生海苔が入った牡蠣のムース、塩水に柑橘で爽やかな酸味をプラスしたジュレが繊細に繋ぎます。シンガポールやタイで実施した料理イベントやフランス大使公邸のパーティでも人種や国境を超えて愛されてきたのも納得の、見事なまでに完成された一品です。今回は冷製をご紹介いただきましたが、こちらのレストランは「最良の素材を使って風味や色彩を活かし、ゲストのお好みに合わせたメニューを作る」をコンセプトとしているので、温製やスモークなどのアレンジも自由自在。好みに合わせて縦横無尽に対応できる高度な技術が、「料理のオートクチュールと考えていただければ」という言葉を裏打ちしています。師として仰ぐ「ラ・コート・ドール」のベルナール・ロワゾー氏に「お前は決して満足しない」と言われたという下村シェフ。「上には上がある。期待以上、想像以上のものを提供したい」と、さらなる上を目指して走り続けています。

プロフィール
Koji Shimomura
 2007年、現店をオープンしたオーナシェフ(現在ミシュラン2ツ星)。JR九州クルーズトレイ ン「ななつ星」のデザートや日本航空国際線の機内食のプロデュース。デンマークにて食 のシンポジウムでの講演。食器のデザインも手掛け、独自ブランド「シモン」を立ち上げる。

「海水で軽く火を通した牡蠣の冷製 海水と柑橘のジュレ 海苔風味」は平日ラ ンチ4,320円?、ディナー14,040円?の全コースで組み入れ可能。生と乾燥を 使用する海苔は、これぞと目を付けた素材を専門店で1年分押さえておく

Edition Koji Shimomuraエディション・コウジ・シモムラ

Edition Koji Shimomura

住所:
東京都港区六本木3・1・1
六本木ティーキューブ1F
TEL:
03・5549・4562
営業時間:
12:00?15:30(13:30 LO)、18:00?23:30 (21:00LO) 不定休 (元旦休)
URL:
http://www.koji-shimomura.jp/

Text:松本典子
Photo:加藤純平

※こちらの記事は2014年11月20日発行『メトロミニッツ』No.145掲載された情報です。

更新: 2017年9月22日

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