料理と教室#3

料理家の料理と教室

料理家
奥田ここさんの教室
栗原友さんの教室

Photo:野呂美穂 Text:立石都

出汁から盛り付けまで。
シンプル、でも奥の深い和食のいろはを学ぶ

恵比寿駅、代官山駅どちらからも歩いて5分ほど。ALの2Fにあるスタジオでは、様々な人気料理家が教室を開催しています。奥田ここさんの教室「和食の基本」では、出汁の取り方から、盛り付け までの一連の流れを見て、実践しながら、基礎をしっかりと学べます。

「日本の食卓」と聞いて誰もがイメージするのは、ご飯と、お味噌汁におかずが何点か...という形 式。シンプルで明快だからこそ、初心者の方にはもちろん、これまで家庭の味を守ってきたベテラン主婦の方も改めて知りたいこと、でもなかなか訊けないこと、答え合わせをしたかったことがきっと沢山あるのでは? 奥田ここさんがALで開いている料理教室は、そんな和食の「いろは」を学べる教室です。
築地で仕入れた旬のお魚やお野菜を使い、まずは5分ほど、ポイントをレクチャーしてもらってから先生が デモンストレーション。出汁を取るところから、直火でのお米の炊き方、煮えばなと焼きばなの丁度良いタイミング、それに盛り付けまでを、いくつかのパートは生徒さんに実践してもらい、先生のお手本も見せながら進めていきます。

料理家 奥田ここさん:外資系コンサルティング会社に勤めながら懐石料理を学び、イタリアでの滞在を通しイタリア家庭料理も学ぶ。旬の食材を中心にした、和食やイタリア料理の料理教室を主宰するほか、国籍・食習慣など、個別の要望に応じた教室も開催中。 会社員時代、「将来も公私の境なく仕事をするとしたら、何が向いているだろう?」と考えた時に、ふと、大好きな食べること、飲むことを仕事に志したという奥田ここさん。また、「伝えること」も好きなので、お料理教室を開こうと考えたそう。

「和食は、薬味の合わせ方や添え方など些細な盛り付けまでを実践しないと見えてこない部分があると思います。なので、自分で手を動かしてもらいながら調理のタ イミングなどを感じてもらいます」。奥田さん自らが持参した見本の和食器や料理など、しつらえの上手さも感じる教室です。また、外資系コンサルティング会社に勤めていたという先生だけあって、生徒さんもワールドワイド。AL以外にもご自宅で開催されている教室では、基本の「いろは」から始まり、中には懐石や茶道のポイントなどを含めたレッスンを受けるまでステップアップする海外の生徒さんもいると言います。どちらも実に和やかで豊かな雰囲気が流れる、奥田さんの人柄が表れた教室なのです。

左. お手本として見せる、お料理一式。手軽にバランス良く栄養を摂りたいから、お野菜をふんだんに使ったお味噌汁は教室でも自宅でも定番、今回は夏野菜のトマトとオクラを。お米も羽釜を使った 直火炊きの方法を実践しながら教えてもらえる 右. 出汁の取り方はいつも人気の献立。取り慣れた人にも昆布やかつおぶしの使い分けの方法を伝授

教室DATA

奥田ここさん
「和食の基本」


■開催日: 次回10月1日(日)
■内容: 和食の基礎となるレッスンを中心とした教 室。
1 0 月の回は 、合羽橋の「釜浅商店」とコラボしたレッスンを開催。
つば釜を使い、新米を炊いたり、釜の手入れ法なども学べます。
■料金: 5,000円~7,000円程度
■定員: 10~14名程度

週末は、築地直送の上等な魚を贅沢に。
本気で楽しむ料理教室

料理家 栗原 友さん:雑誌やTVで活躍する他、旅で出合った料理を手軽にできるようアレンジしたレシピを、日本全国で開催中の料理教室で発表。2017年8月に浅草 花やしき通りに居酒屋「夜のさわぎ」をオープン。料理教室の詳細はFacebookページ「栗原友 料理教室」でチェックを。

スタジオ創設以来、ALで料理教室を開催する栗原友さん。とびっきりのお魚を楽しめる教室「クリトモ教室@AL」は少し『大人仕様』。でも、ビシバシ進む過程には、愛情たっぷりの思いが垣間見えました。打って変わってゆったりした時間が流れる「平日夜のスパイス料理」も注目です。

自身も築地で働いていた経験がある栗原さん。ゆえに築地で仕入れられる魚の中でも特に上質なものを料理教室の当日に仕入れて惜しみなく使います。ALで開催しているのは、休日に魚をさばいたことのない人も実践式で覚えられる、お魚料理の教室。その特徴を栗原さんにたずねると、「スパルタ、かな」とニンマリ。「魚は、鮮度が大事。せっかく良いものを仕入れてるんだから、なるべく新鮮なまま調理できるようにキビキビ進みます。

『ちょっと○○さーん、ちゃんと進んでるー!?』なんて声が飛び交う教室(笑)。生徒さん10人で作業を分担しているから、一人ひとりが結構責任重大。ある意味、調理場の丁稚体験みたいな側面があるかも」。しかし、アンケートの結果は概ね満足度が高い結果が出てくるそう。その秘訣を聞いたところ「大人数のグループで作業を分担すると、引っ込み思案な人や初めての人は、分担できるパートが少なかったり一部の人が活躍したり...。そういった教室は私は嫌なので、みんなに楽しんでもらえるように工夫しています。やることをやれば他は自由。それに、家でしっかり復習したり、家族にもその美味しさを共有してほしいからお土産の魚をたっぷり渡しています」。つまり参加した誰もが、しっかり学んで実践できる環境を作っていることが肝のようです。また平日は、仕事が終わった後の時間にビールを飲みながら栗原さんのレッスンを見学するスタイルの、「平日夜のスパイス料理」教室も開催。雰囲気の緩急はあれど、どちらの教室も大人が真剣に学べる、貴重な時間を過ごせそうです。

左. お寿司の回は毎回、特に人気なのだとか。お土産として渡されるたくさんの魚は、お弁当に使ったりどれぐらいまで日持ちするかなど、保存方法や寄生虫対策もしっかり伝授してくれるから上手に使い切れそう。写真のサンマの棒寿司は、彩りも良く、おもたせにも最適 右.つやつやで大きなアジ! 他の料理教室ではなかなか出てこないクオリティの魚が楽しめる

教室DATA

栗原友さん
「クリトモ教室@AL」


■開催日: 次回未定 詳細はFacebookページ「栗原友料理教室」をチェック
■内容: 築地からその日仕入れた魚を使った料理を全員が実践しながら作っていく。平日に開催する会はスパイスを使った料理が中心で、栗原さんが作るところを見学するスタイル。
■料金: 平均7,000円程度
■定員: 10名程度

奥田さんと栗原さんの料理教室が開催される場所
AL

代官山・鎗ヶ崎交差点からほど近い、閑静なエリアにあるギャラリー兼スタジオ。1Fは天井の高いメインフロア、2Fにはキッチンスタジオがあり、料理教室以外にも展覧会、ポップアップショップ、各種イベントなど幅広く開催されている。写真は今春開催された中川ワニ珈琲によるコーヒーレッスンの様子。

☎03・5722・9799 東京都渋谷区恵比寿南3・7・17 1F/2F info@al-tokyo.jp 不定休

奥田さんと栗原さんの料理教室が開催される場所:AL

代官山・鎗ヶ崎交差点からほど近い、閑静なエリアにあるギャラリー兼スタジオ。 1 Fは天井の高いメインフロア、2 Fにはキッチンスタジオがあり、料理教室以外にも展覧会、ポップアップショップ、各種イベントなど幅広く開催されている。写真は今 春開催された中川ワニ珈琲によるコーヒーレッスンの様子。

住所:
東京都渋谷区恵比寿南3・7・17 1F/2F
TEL:
☎03・5722・9799
不定休
URL:
info@al-tokyo.jp

Text:立石郁
Photo:野呂美帆
※こちらの記事は2017年8月20日発行『メトロミニッツ』No.178に掲載された情報です。

更新: 2017年12月30日

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