|東京エリートレストラン|
世界に自慢したいフランス料理のシェフ[17]
『Comme A La Maison』涌井勇二シェフ

おすすめの3人を教えてください!
FAVORITE CHEF 01 脇屋友詞さん編

中国料理の伝統を軸に、西洋の食材を取り入れたり、盛り付けも洋風の食器で美しく設えたり、料理を一皿一皿で提供するなど、フランス料理の要素を取り入れた「モダンチャイニーズ」。先駆者として知られる脇屋さんは、そのスタイルを確立するため中国料理以外のジャンルも勉強され、研究のため様々なお店に食べ歩きをされたそうです。近頃では、先に行われた料理人のコンペティション「REDU-35」の審査員を務めたりと、中国料理にとどまらず若手料理人の育成にも尽力されています。そんな中国料理業界にいながらもフランス料理に精通している脇屋さんが今、気になっているフランス料理のシェフをご紹介いただきました。

脇屋友詞|Yuji Wakiya|
1958年生まれ。15歳で料理の道に入り「山王飯店」「東京ヒルトン ホテル」等で修業後、都内ホテルの料理長に。現在、「Wakiya一笑 美茶樓」「Wakiya迎賓茶樓」「トゥーランドット游仙境」「トゥーラ ンドット臥龍居」と4店のオーナーシェフを務める。

思いを込めてフランス南西部の郷土料理を伝える伝道師

「パリは家賃も物価も高いので貯金が乏しくなって、ランド地方に行ったんです。そこで食べたのがスープ・ド・ガルビュール。現地の食材で昔から作られている伝統的なスープで、それまで食べた料理の中で一番の衝撃を受けましたね。料理の原点というか、全てのフランス料理が詰まっていると思いました」。そんな涌井シェフの師匠であり恩人でもあるのが、住み込みで雇ってくれた「ラ・シャマド」の店主ミッシェルさん。作業を手伝いながら、このスープに代表される南西部の郷土料理を教えてもらい、休日はミッシェルさんの家族とともに食事をごちそうになっていたそう。そして2001年、特定の地域に限定したフランス料理店が少なかった日本で、この店をオープン。看板メニューの「スープ・ド・ガルビュール」は、師匠の味を忠実に再現したもの。生ハムを削ぎ切った後に残る骨でダシを取り、白インゲン豆やチリメンキャベツ、根セロリなど野菜をたっぷり入れて形がなくなるまで煮込んで作ります。生ハムの骨から出る濃厚な旨みがトロトロの野菜に染み渡った味わいは、骨太なのにどこか優しい。オープンからメニュー変更は一切なく、変わらぬ味を求める常連客が夜毎に小さな店内を賑わせます。「料理は作品でも自己満足でもなく、食べる人のことを考えて作るもの。お客様が何を食べて飲んでいるか全部を把握できる小さい空間で、思いのこもった料理を提供したい。みなさんが楽しそうに食べる姿が、次はもっと美味しいものを作ろうというモチベーションになっています」と語る真摯なシェフの人柄も、この店が心身とも温まれる場所たる所以なのです。

プロフィール
Yuji Wakui
1968年生まれ、東京都出身。「ル・オルレアン」、「ブラッスリー・ベルナール」で約6年の修業後、渡仏。「ジャック・カーニャ」などパリで約2年勤めた後、ボルドー「ラ・シャマド」で約1年修業。六本木「ラ・キュイジーヌ」のシェフを経て、01年に現店オープン

スープ・ド・ガルビュール1,512円。白濁した濃厚なスープで、フランスの硬水に 生ハムの骨を入れて1日煮込んだダシに6種の野菜を加えてさらに4時間煮 る。仕上げにバスク地方デスペレット村の唐辛子で優しい辛みをプラス

Comme A La Maisonコム ア ラ メゾン

住所:
東京都港区赤坂6-4-15
TEL:
03-3505-3345
営業時間 :
18:00~23:00(L.O) 定休日 日曜

Text:松本典子
Photo:加藤純平

※こちらの記事は2014年11月20日発行『メトロミニッツ』No.145掲載された情報です。

更新: 2017年9月17日

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