TOKYO BEERNISSTA 2017 #10

東京ビールの店 ガイド 2017
「谷中ビアホール」
「風乗りメリー」
「BeerBar 富士桜 Roppongi」

#10|TOKYO BEERNISSTA 2017|東京ビールの店ガイド

Text:佐藤潮(effect) Photo:花村謙太郎

ビールと料理を組み合わせて愉しもう!
個性豊かなビールがあり、それにぴたっとはまる料理がある。そんな口福の時間を過ごせる注目店をご紹介します。ビアニスタの皆さま、ぜひご体験を!

日暮里 ビール×土鍋料理

「谷中ビアホール」

「やなかビアホール」
Tel 03・5834・2381
東京都台東区上野桜木2・15・6
11:00~20:30 月定休。
タップの数は全6つだが、その内2つは谷中ビール専用。他4種はオリジナル(ラガー)、ホワイトエール、インディア・ペールエールなどアウグスビールの人気商品が揃う。

ノスタルジックな古民家で
気ままに和のバーベキュー

古寺が並ぶ谷中霊園前と上野公園の中継地点であり、若手アーティストの工房、ギャラリー、カフェなども点在する上野桜木エリア。その裏路地、かつて新婚時代の川端康成が暮らした場所は、現在では築80年の古民家が連なる複合施設『上野桜木あたり』に生まれ変わっています。そして1号棟には純和風という珍しいスタイルでクラフトビールが楽しめる『谷中ビアホール』が。暖簾をくぐった後も、カウンターにずらりと並ぶ土鍋に驚かされるはず。こちらは伊賀焼の老舗窯元である長谷園の作品で、一つ一つ特性や機能が異なるそう。例えば燻製用は、フタを閉めた時の隙間を水で塞ぐことで煙が漏れ出さない仕組み。一気に香りを浸透させることができるため、食材中心部の水分を逃さず、スモーク料理が滑らかな食感に仕上がるのだとか。その他「和のバーベキュー」というコンセプトの下、焼く、煮る、蒸すなど、まるでダッチオーブンのように土鍋を活用。フランクフルトのロースト、えびのアヒージョといった欧風土鍋料理を、情緒あふれる和の空間で楽しむのも面白いでしょう。そして飲み忘れてはいけないのが、歴史ある壁の木目に溶け込むような色合いが特徴の名物、谷中ビール。湯島に本社を構えるアウグスビールが手がけたオリジナルメニューであり、このビアホールのためだけに作られた一品です。広々とした一軒家であるためテーブル席、テラス席、立ち飲みスペース、お座敷が揃い、好みの雰囲気を選べる自由度の高さも魅力。散策途中の休憩やランチタイムに立ち寄り一杯いただくも良し、はたまた料理とビールをテイクアウトして街に繰り出すも良し。見どころ盛りだくさんの谷根千&上野公園をめぐる拠点としてもぴったりなお店です。

ここ最近は欧米からの観光客が急増中。酵母が生きている無ろ過樽生のアウグスオリジナルをは じめ、ビール5種が飲み比べできるテイスティングセット1,500円も人気を集める。

[BEER PROFILE]

スモーク盛り合わせ600円。うずらの卵、ベーコン、チーズはどれも香ばしく中はしっとり柔らか。熟成感のあるビールに合わせたい。

谷中ビール Sサイズ(235ml)600円
生産地:日本(静岡)
ブルワリー:アウグスビール
スタイル:ピルスナー
アルコール度数:5.5%
通常のアウグスビールのピルスナーに比べて倍の量のホップを使用。熟成期間も35日間と5倍。豊かな香りと深いコクがあり、まろやかで後味すっきり。

下北沢 ビール×カレー

「風乗りメリー」

「かぜのりメリー」
Tel 03・6407・1507
東京都東京都世田谷区北沢2・9・3三久ビル2F奥
15:00~24:00(23:30 LO) 火定休
タップ数は20、樽生ビールを常時16種類ほど揃える。取扱いは京都醸造、ファイアーストーン・ウォーカーなど国内外を問わない。うしとらブルワリーのビールも健在。

強い個性をぶつけ合う組み合わせを

2017年の正月にオープンした新しい店舗ですが、早くもお客さんは常連ばかり。それもそのはず、元々ここは10年前から下北沢のクラフトビール文化を牽引し続けているビアバー『うしとら』の壱号店があった場所であり、居心地の良い内装や雰囲気も今まで通り。店長兼シェフだった中野貴仁さんがオーナーから店をそのまま引き継いだのです。大幅に一新されたのは料理のメニュー内容。大衆酒場の定番料理だけでなく、インド、東南アジア、南米などのエッセンスがふんだんに盛り込まれています。なかでも周期的に入れ替わるカレーライスは、専門店顔負けのこだわりぶり。「パンチの効いた味わいですが、それに合わせてクラフトビールも香りや酸味の強いものを入荷しているので、絶妙なバランスで互いを高め合うでしょう」と語る中野さんの哲学は、共に店に立つパートナーがクラフトビール専門紙『TRANSPORTER BEER MAGAZINE』の元編集長、白石達麿さんというところからも伝わります。強力なタッグが提案するペアリングは、下北沢のクラフトビール文化にどのような新しい風を吹き込むのでしょうか。

[BEER PROFILE]

アッベヒ・デ・セイント・ボン・シェン(250ml)1,430円
生産地:スイス
ブルワリー:BFM
スタイル:サワーエール
アルコール度数:11%
ビールながらワイン樽を使用して1年熟成。さらにブレンドして半年寝かせてから出荷される。果実は使用されていないがベリー系の香りが強く、酸味も豊か。


Menu
メリーさんの山羊カレー1,080円。西インドの郷土料理がベースのオリジナルカレーで鋭い辛味と酸味が特徴。フルーティで酸味のある力強い味わいのビールが最適。

六本木 ビール×サラダ

「BeerBar 富士桜 Roppongi」

「ビアバーふじざくらロッポンギ」
Tel 03・5411・3333
東京都港区六本木4・8・7 嶋田ビルB1F
17:00~23:30、土16:00~23:30 日・祝日定休
タップ数は12、樽生ビールを常時11種類ほど揃える。富士桜高原麦酒以外にも志賀高原ビール(玉村本店)、箕面ブリュワリー、伊勢角屋麦酒など多彩なゲストビールを取扱う。

個性的で包容力もある富士の恵みのビール

十数年もの歳月を経て、富士山の地下に染み出した清らかな天然水を使い、100年以上の歴史を誇る本場ドイツの名門「デーメンス醸造専門学校」にて技術を習得した醸造士達が仕込む、富士桜高原麦酒。1998年の醸造開始以来、国内外のさまざなコンテストで賞を獲得してきた人気ブランドが、2016年3月にオープンさせた山梨県外初となる直営店がこちら。料理はすべてビールとの相性を考え抜かれて開発されたもので、信玄鶏の柔らか揚げ、富士桜ポークのコンフィ、甲斐サーモンのカルパッチョなど山梨県の特産物を多用。パクチーを中心に季節の野菜やベーコン、砂肝のコンフィが盛り付けられた一皿も、一度に多彩なペアリングが楽しめると評判を集めています。イタリアの窯元製というドイツスタイルのビアサーバーが並ぶ白木の10mロングカウンター、掘りごたつ式の個室といった和洋折衷の空間も使い勝手抜群。海外から訪れる観光客も増えており、クラフトビールをじっくりと味わうための環境づくりにおいてもワールドクラスと言えそうです。

[BEER PROFILE]

富士桜高原麦酒 RAUCH
ラオホ Mサイズ(350ml)756円
生産地:日本(山梨)
ブルワリー:富士桜高原麦酒(富士観光開発)
スタイル:スペシャリティー
アルコール度数:5.5%
ビール界のオリンピックと言われる「ワールド・ビアカップ」にて金賞を獲得。スモーキーな香りは幅広い料理と相性抜群。

Menu
砂肝 ベーコン パクチー1,058円。生姜風オリジナルドレッシングでパクチーの個性的な香りをなじみ深いものに近づけている。多彩な味にラオホの香りを絡めて楽しもう。

※こちらの記事は、
2017年3月20日発行『メトロミニッツ』No.173に掲載された情報です。

更新: 2017年3月20日

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