TOKYO BEERNISTA 2017 #9

東京ビールの店ガイド 2017
「麦芽大学」
「タヰヨウ酒場」
「Birreria Luppolo」

#9|TOKYO BEERNISTA 2017|東京ビールの店ガイド

Text:河崎志乃
Photo:大谷次郎、よねくらりょう

ビールと料理を組み合わせて愉しもう!
個性豊かなビールがあり、それにぴたっとはまる料理がある。そんな口福の時間を過ごせる注目店をご紹介します。ビアニスタの皆さま、ぜひご体験を!

中野 ビール×居酒屋メニュー

「麦芽大学」

「ビールだいがく」
Tel 03・4291・8571
東京都中野区中野3・34・23 辻ビル2F・3F
17:00~24:00 日定休。
ビールは基本的にキリンラガービール。ゲストビールとして他の製品や、日曜限定で他社のビールが登場することも。サーバーの特性とテクニックを駆使してビールを注ぐ山本さん。

同じビールを13種に注ぎ分ける
名注ぎ手の1杯を体験して

2016年9月、中野に開校した「麦酒大学」。ここは日本で唯一、キリンラガービールの“注ぎ分け”を飲み比べ、ビールについて学ぶことができるお店です。ヱビスビール記念館に保管されている昭和8年当時のものを忠実に再現したレプリカなど3基のサーバーを駆使して、キリンラガービールを様々な味わいに注ぎ分けてくれるのは、店主の山本祥三さん。山本さんは、約20年間飲食店にビールサーバーのメンテナンスをレクチャーしてきたビールのプロで、広島の名店「ビールスタンド重富」の重富寛さんに注ぎ分けの技術を学びました。キリンラガービールを使うのは、苦味の奥に甘味や旨みが隠れていて、注ぎ分けによってあらゆる味の表現ができるため。現在「麦酒大学注ぎ」「一度注ぎ」「二度注ぎ」「三度注ぎ」の基本の4種をはじめ、なんと泡だけのビール「ミルコ」や、デザートにもぴったりの苦くない「メルティ」など、13種類の注ぎ分けを提供中。それぞれに、キレのある味わい、クリーミーで美味しい泡、マイルドな味わいといった特徴があり、ビールはちょっと苦手という方にも、ビールが大好きという方にも、必ず新しい発見があるはずです。「ビールは苦手だけど、ここのビールなら飲めるとか、同じビールとは思えないと言ってくださるお客様も多いですね」と山本さん。自分が注ぎ分けたビールの美味しさに驚くお客様の笑顔を見るのが大好きだそうです。そして、ビールの細かな味わいの違いに合うよう、料理にも工夫やこだわりが。鱈よりも脂の多い鮭のハラスにビール入りの衣をまとわせたフィッシュアンドチップス、中野の老舗焼鳥店直伝の昔ながらの串焼き、玉ねぎの甘味と辛味を効かせたアボカドディップ、ホップが練り込まれたソーセージなど、どれも「麦酒大学」のビールに合う、オリジナリティ溢れる料理が揃っています。「麦酒大学」でビールの奥深さを学びながら、マリアージュのバリエーションも制覇しちゃいましょう。

4種の注ぎ分け別!
相性の良い料理 。

麦酒大学注ぎ(648円)
現代のサーバーを使い、山本さんならではのテクニックで格別の味わいを実現する注ぎ方。しっかりとした炭酸感とシャープさが特徴。
   ✕
鮭ハラスのフィッシュ&チップス(918円)
濃い味わいの鮭のハラスを、ビールを使った衣でフリットに。コクのある脂を麦酒大学注ぎのキレのある炭酸でクリアにする爽快感を楽しんで。

一度注ぎ(648円)
昭和8年当時の復刻ビールサーバーを使い、一気に7:3の割合に注ぐ昔ながらの注ぎ方。ガツンと飲みごたえのある、ビール好きに人気の味。
   ✕
串焼き おまかせ 3串(626円)
大ぶりで甘辛いタレの、食べごたえのある昔ながらの焼鳥。飲みごたえがある一度注ぎとは赤提灯を感じさせる昭和の組み合わせ。

二度注ぎ(648円)
極限に細かい泡の、舌に当たるなめらかな感触が特徴。一度注ぎの飲みごたえと、クリーミーな泡の両方が味わえるよくばりビール。
   ✕
トルティーヤチップス L(810円)
玉ねぎとコショウの辛味が効いたアボカドディップをつけて食べるチップス。二度注ぎのなめらかな泡がディップの辛さを包み込む。

三度注ぎ(648円)
約5分間かけ、三度に分けて注ぐことで、泡を落ち着かせる。それにより苦味と炭酸が抑えられるためビールが苦手な方にもおすすめのマイルドな味わいに。
   ✕
ビアフライトソーセージ(972円)
ホップの若芽などを練り込んだソーセージのセット。ソーセージの苦味に、三度注ぎの柔らかい甘味が合い、絶妙のバランスに

[BEER PROFILE]
キリンラガービール
生産地:日本 ブルワリー: キリン
スタイル:ピルスナー アルコール度数:5%
苦味がしっかりとしているが、その奥に甘味や旨みが隠れている。注ぎ方によってそれらを引き出せるポテンシャルの高さがある

西小山 ビール×居酒屋メニュー

「タヰヨウ酒場」

「たいようさかば 」
Tel 03・6886・4533
東京都品川区小山5・23・16
火~土16:00~23:00(フード22:30LO、ドリンク23:00LO)
日12:00~21:00(フード20:00LO、ドリンク 20:30LO)
月定休(月に一度、日曜休み)

居心地良い日常の中で味わう
クラフトビール

西小山の住宅街に、2016年5月にオープンした「タヰヨウ酒場」。大きな赤提灯が目印の大衆酒場で、暖簾をくぐってまず目に入るのはカウンターと串焼きの焼き台。さらに日本酒の瓶がずらりと並び、壁にはハムカツ430円、マカロニサラダ280円などの貼り紙、座るのはパイプの丸椅子という店内。ここでふとビールサーバーに目をやれば本格クラフトビールがずらりと繋がっているのだから、思わず驚きの声を上げてしまいそう。実はこのお店の店主、鳴岡哲哉さんは、ベアードブルーイング出身。ですが、開きたかったのは外国風のパブではなく、古くから愛される“日本の酒場”。そこにクラフトビールが自然に溶け込んでいるのが「タヰヨウ酒場」なのです。「好きなように飲んでつまめるのが日本の酒場のいいところ。最初はクラフトビールで次にレモンサワー、って飲み方もいいじゃないですか」と鳴岡さん。日常の中に当たり前にあるクラフトビール。それを楽しむ快さに身を委ねてみては。

[BEER PROFILE]

ジューシーIPA(500ml 1,080円)
生産地:日本 ( 東京) ブルワリー:デビルクラフト
スタイル:IPA アルコール度数:7.0%
アメリカンスタイルを意識して造られたIPA。大量のホップを凝縮させたトロピカルな香りと苦味、モルトの旨みのバランスが良い。
※ビールは樽生数量限定のため、入れ替わる可能性があります

Menu
鳴岡さんの故郷の味を再現した店主想い出の焼きそば626円は、ウスターソースがポイント。ソースのほのかな酸味が、ビールのモルトの旨みや苦味を引き立てる。麺は一度揚げてあるため食感も良く、つまみとしても楽しめる。

大岡山 ビール×イタリアン

「Birreria Luppolo」

「ビッレリア ルッポロ」
Tel 03・6425・9237
東京都大田区北千束3・28・6 YUKI大岡山1B
17:00~24:00(23:30LO)火定休
ビールは30~40種類(タップ2種類、他は全てボトルで、イタリアと日本が半分ずつ)。主な取り扱いは、ビッラデルボルゴ、バラデン、玉村本店(志賀高原ビール)など

本格料理とビールで
気分はイタリアの太陽の下

クラフトビールと言えばベルギーやドイツ、アメリカのイメージがありますが、イタリアにも今や800を超えるブルワリーがあることをご存知ですか? 大岡山に2015年7月にオープンした「ビッレリア ルッポロ」は、そのイタリアのビールが豊富に揃うお店です。「イタリアのビールは麦芽の程良い甘味があり優しい味わいなので、料理と合わせるのに向いているんですよ」とソムリエの山根拓也さん。キッチンでは、イタリアのミシュラン三ツ星店などで約4年間修業を積んだ大橋昌彦シェフが腕を振るいます。ボローニャやトスカーナ、ナポリなど、イタリアの中~南部のスタイルをベースにした大橋さんの料理は、とてもシンプルでイタリアのビールのように優しい味わい。また自家製のパスタのレパートリーは20種以上、その中から日替わりで約6種がいただけます。本場の料理とクラフトビールのマリアージュが楽しめる「ビッレリア ルッポロ」でイタリア気分を満喫して。

[BEER PROFILE]

レアーレ(330ml 1,296円)

生産地:イタリア
ブルワリー:ビッラデルボルゴ
スタイル:IPA アルコール度数:6.4%
やや濃いめの琥珀色で、柑橘を思わせるホップの香りと麦芽の甘味が合わさった、温州みかんのような優しい甘さの軽やかな味わい。


Menu

イタリアでは屋台で食べられているティジェッラ(ラルドのホットサンド)1個216円と、パ
ネッレ(ひよこ豆ペーストのフライ)1人前540円。どちらも軽やかな味わいで、同じく軽
やかなレアーレ330ml 1,296円に合う。

※こちらの記事は、
2017年3月20日発行『メトロミニッツ』No.173に掲載された情報です。

更新: 2017年3月20日

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