|東京エリートレストラン|
世界に自慢したいフランス料理のシェフ[10]
会いに行けば、世界に自慢したくなる今どきの精鋭シェフたち
『L'Effervescence』

東京のフランス料理界の最前線をひた走り、人気店となった今でも、料理と真摯に向き合い、新しい挑戦を続けている…。彼らの料理をいただけば、「美味しい」だけではない何かに出合えるはずです。

レフェルヴェソンス[西麻布] 生江史伸シェフ

人生が変わるきっかけなんて、どこに転がっているかわからないもの。マンハッタンで偶然出合った一冊の本が、それまでイタリアンの道を進み、フランス料理を学んだことのない日本人青年を、星付きシェフに変えてしまうことだってあるのです。そう、こちら「レフェルヴェソンス」のエグゼクティブ・シェフである生江史伸さんのように…。




プロフィール
Shinobu Namae
1973年生まれ、横浜市出身。大学卒業後、「アクアパッツア」勤務。2003年「ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン」へ。05年スーシェフ。08年イギリス「ザ・ファットダック」でスーシェフ、ペイストリー担当。10年「レフェルヴェソンス」シェフに。

日本人らしく思うがままに。生産者への喝采が鳴り響く皿。

「NY視察の合間にふらりと入ったマンハッタンの本屋さん。そこで目が合ったのが、後に師匠となるミシェル・ブラスの著書でした」と、転機を語る生江シェフ。それまで、イタリアン畑に身を置き、フランス料理はソースなど技巧を凝らした遠い世界だと感じていた生江シェフは、フランスを代表する料理人・ブラスの素材の味も姿形も引き立てる料理を見て「これだ!」と閃きます。もともと、大学時代から飲食店で働いていたものの、シェフへの強い憧れもないまま、日高良実シェフ率いる「アクアパッツア」へ。「今では普通になっていますが、日高シェフは有機野菜を大切に扱い、シンプルな調理で素材をいかす料理人の先駆け。現在もキャリアのマインドの半分はイタリアンです」。素材ありきの日高シェフの薫陶を受けた生江シェフが、ブラスに惹かれたのも自然な流れ。そして、ある視察で起こった、冒頭のNYでの転機。折しもちょうどその頃、ミシェル・ブラスの日本店オープニングスタッフ募集があり採用されます。「フランス本店の研修も受けたのですが、ミシェルが言うんです。“君たち日本人は、自国に日本食という素晴らしい伝統文化があるのに、なぜフランスまで来てフランス料理を学んでいるの?”と。ガーン!ですよ(笑)。でも、おかげではっきり自覚できました。これから料理を提案するときに、フランス料理然としていなくても、日本人の感覚でフランス料理の技術を使って美味しければいいんだ、思うがままに作っていいんだ、と」。それは、「自分に誠実であれ、自然や素材に誠実であれ」というブラスの教えの先に見えた地平でした。「考えに共感する農家の方たちをサポートできるのは食べてくれるお客様。我々は、料理というより良い形で手渡す配達人でありたいと思っています」。人と自然に誠実に向き合う人たちが共鳴し合う、誠実な一皿。ひと口食べるごとに、私たちもその一員になれるフランス料理なのです。

「定点 ?丸ごと火入れした蕪とイタリアンパセリのエミュルション、バスク黒豚のジャンボン セック&ブリオッシュ」ランチコース5,000円?、ディナーコース16,200円(各別途サービス料 10%加算)の全コースに登場。季節ごとの蕪を味わう定点観測的なメニュー。




Text:浅井直子
Photo:牧田健太郎

こちらの記事は2014年11月20日発行『メトロミニッツ』No.145掲載された情報です。

 

L'Effervescenceレフェルヴェソンス

L'Effervescence

住所:
東京都港区西麻布2・26・4
TEL:
電話:03・5766・9500
営業時間:
ランチ 12:00~16:00(13:30L.O) ディナー 18:00~23:30(20:30L.O) 定休日  月曜日を中心に月8日
URL:
http://www.leffervescence.jp/

更新: 2017年9月10日

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