WHISKY DAISKY ! #4

常陸ネストビールの蔵が造る
新しいウイスキー
「額田醸造所」

Text: 浅井直子
Photo: 牧田健太郎

日本酒や「常陸野ネストビール」と発酵が深く関わる醸造酒のイメージが強い木内酒造。ウイスキー造りもクラフトビールとの深い関係がありました。

※写真は、ビールのタンクが並ぶなか、ウイスキー専用の発酵タンクの前でデータを記録する、蒸溜責任者のイサム・ヨネダさん。

可能性は無限大!
発酵に強い蔵が造る新しいウイスキー

最近では、フクロウのマークの「常陸野ネストビール」で、すっかりおなじみの木内酒造。2016年2月から始めたウイスキー造りの背景には、ビール麦の存在がありました。

「日本初のビール大麦、“金子ゴールデン”を契約農家さんに栽培してもらっていますが、一部ビール造りに不向きな大麦も出てきます。それを使ってウイスキーを造ろうというのがきっかけです」と、話すのは、お母様がスコットランド人、お父様が日本人という、ウイスキーの申し子のような蒸溜責任者の通称サムさんこと、イサム・ヨネダさん。日本生まれイギリス育ちゆえに、普段からスコッチを愛飲していましたが、2015年に木内酒造に入ったのは、「常陸野ネストビール」の「NIPPONIA」の美味しさに感動したため。まさに、その「NIPPONIA」の原料が「金子ゴールデン」でした。ただし、ウイスキー造りに関しては、現在トライアルを重ねている段階。まずはドイツ産の大麦で造っています。

お得意の発酵は、「せっかくなので、ここにあるものを」と、ビール酵母を使用。当初は、ビールに比べて短い発酵日数にとまどいましたが、樽詰めも順調に進んでいます。「よりジャパニーズウイスキーらしさを出すために、桜樽も3本寝かせています。他にも、栗、杉、梅などの樽を計画中」とサムさん。そう、今こちらで熟成中のウイスキーがお目見えするのは、4、5年先。酒質の方向性も、まだまだ模索している最中です。

「明確なのは、“真のジャパニーズウイスキーを造る”ということ。当初は、僕がスコティッシュと日本人のハーフということもあり、どちらの特徴も取り入れてと思いましたが、シカゴのクラフトディスティラリーと交流したりするうちに、逆に、どちらでもない、自分たちにしか造れないウイスキーを造りたいと思うようになりました。“金子ゴールデン”以外にも、茨城特産の蕎麦や、日本酒の酒米を使うなど、原料もこれからいろいろ試していくつもりです」。目下、新しくウイスキー専用の蒸溜所を建設中。日本らしさ、茨城らしさを強く意識した、サムさんのクラフトウイスキー、今から待ち遠しいですね。

初溜後の香りを確認。

木内ワインで使用した樽や桜など様々な樽で熟成中。

現在、仕込中のウイスキーがリリースされるのは、あと4、5年後。最短でも、東京オリンピック開催の2020年の予定。近辺にウイスキー専用の蒸留所を建設中で、今の10倍の量を蒸溜できるオリジナルのポットスチルを、確かな技術で知られるスコットランド・フォーサイス社にオーダーしているところ。期待度大です。

額田醸造所

「額田醸造所」

茨城県那珂市額田南郷字高岡2182
TEL:029・298・0105
蒸溜所見学は電話にて要予約
http://kodawari.cc/

 

Photo 牧田健太郎 Text 浅井直子

※こちらの記事は2017年6月20日発行『メトロミニッツ』No.176に掲載された情報です。

更新: 2017年6月20日

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