心に響く「時代」や「暮らし」
|100年後まで残したい料理本[13]|

新刊の本屋さん・古書の本屋さん
東京の料理本の専門店

COOK COOP BOOKの鈴木めぐみさんにとって、料理本とは「著者の生き方や考えを知ることができる、哲学書のようなもの」だとか。やはり料理本のエキスパート書店員たちの「100年後まで残したい」は気になります!

[食の専門書店]COOK COOP BOOK

食をテーマにした本のセレクトショップ。世界各国から日本の本まで、幅広く揃えている。雑貨の販売、テイクアウトで珈琲も提供。また、キッチンスタジオも併設しており、料理教室、ワークショップなど、様々なイベントも行う。同店のブックディレクター鈴木めぐみさんに選んでいただいた「料理本」には、なんと詩集も!

クック コープ ブック
03・3264・3230
東京都千代田区紀尾井町4・5 G-TERRACE紀尾井町1F
11:00~20:00(土・日・祝~19:00) 無休
http://cookcoop.com/

【SELECTED BOOKS】

「松田美智子 調味料の効能と料理法」
松田美智子・著
誠文堂新光社・刊 1,728円

松田先生は、日々の家庭料理において、基本調味料「さしすせそ」の使い方が要だとおっしゃいます。この本は、家庭料理における調味料の使いこなしに焦点を絞り、選び方から使い方、手作り調味料、それらを使った展開レシピを紹介。また、料理を科学として捉える松田先生の説得力ある解説は、頷きと驚きの連続。すぐに台所に立って試してみたくなるものばかり。毎日の食卓を豊かにしてくれて、背筋がピンと伸びるような、そんな1冊です。

「食卓一期一会」
長田弘・著
晶文社・刊 2,484円

「一期一会は食卓にあり。人生とは、誰と食卓を共にするかということだ」。そんな言葉から始まり、詩という言葉の料理を通して、歯ごたえのある日々の悦びを食卓に届けてくれる。「クロワッサンのできかた」「言葉のダシのとりかた」「天丼の食べかた」など、食卓にまつわる全66篇の詩集。とびきり洒落ているけど、等身大でやさしい言葉で綴られる詩の数々は、心に栄養を与えてくれます。

[料理書専門古本屋]onakasuita

ご実家も古書店という店主・小川綾子さんによる料理本の古本屋。初めはオンラインショップで、やがて実店舗ができ、2013年の移転によって、閑静な住宅街に佇む日本家屋がお店となった。扱っている本は、料理初心者からプロの調理師にも対応可能。そんな小川さんの「料理本」は、憧れのあの料理家たちの著作。

オナカスイタ(2015年12月16日閉店)
03・3950・3803
東京都新宿区中落合2・25・6
11:00~20:00、日10:00~17:00 火・土定休

【SELECTED BOOKS】

「1回作れば3度おいしい 作りおきレシピ」
有元葉子・著
筑摩書房・刊 1,620円

有元葉子さんの提案する「作りおきレシピ」はキッチンに1冊常備しておきたい本です。手抜きを推奨する本ではなく、忙しくても自分の作ったおいしいものを食べさせたい(食べたい)という気持ちに計画性と知恵をつけてくれる、先生のような本です。多忙ながらも丁寧な生活にあこがれる現代女性に支持されており、時代を映す料理本だと思いました。

「ホルトハウス房子 私のおもてなし料理」
ホルトハウス房子・著
復刊ドットコム・刊 2,592円

著者の「私の料理信条」の項目では背筋を伸ばしてページを捲りましたが、気負いのないエッセイが書かれていました。ハードカバーのしっかりした装丁ですが、全体を通してエッセイが挿入されレシピ中心だけでない魅力があります。クリスマスや、春夏秋冬、ランチ、子どものパーティなどのシーンに合わせたおもてなし料理が紹介されています。当時の奥様方はこの本がバイブルだったのでしょうか。代々受け継ぎたい料理本の中の1冊です。

Photo 佐藤航嗣(TRON) Text 浅井直子
※こちらの記事は2014年9月20日発行『メトロミニッツ』No.143に掲載された情報です。

更新: 2017年5月31日

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