心に響く「時代」や「暮らし」
|100年後まで残したい料理本[12]|

10冊の本が再び書店に
「復刊プロジェクト」から生まれた料理本

プロジェクトが始まったきっかけは、当時、代官山蔦屋書店の料理本コーナーのコンシェルジュだった、勝屋なつみさんからの呼びかけでした。「料理フロアでお客様からの要望を聞いていると、“絶版”が多いことを痛感する」と。

2013年、復刊ドットコムと代官山蔦屋書店の料理本フロアがコラボして、「料理の名著 復刊プロジェクト」が始動しました。
「レシピ本は母から子へ受け継がれていくもの。例えば蔦屋でも、娘さんが結婚される時に、お母様が〝私が読んでいた料理本を持たせたい?などと探しにいらっしゃることがあるそうですが、絶版になっていることが多いんです。レシピ本は、料理を作りながらめくったりするので汚れやすく、古書市場にも出づらいジャンルで、入手しづらいことも。そこでこのプロジェクトが始まりました」(復刊ドットコム編集部、政田美加さん)。そして、復刊ドットコムのサイトと蔦屋店頭で集めたリクエストをもとに、この1年間で復刊させたのがこのページの写真のラインアップです。

「辻調グループの辻静雄さんの著書は毎月1冊、全7巻を出しました。専門家というより一般の人へ、誰が読んでも面白くて為になる作品を集めて、1冊ずつ再編集しています。辻さんは日本にフレンチを広めた立役者であるばかりか、名著をたくさん輩出し、料理人たちに影響を与え、日本の食文化を豊かにした功労者の1人です」

そして、これからも料理本の名著を復刊させていきたいと言う政田さん。
「単にレシピだけでなく、著者の背景、その人らしさが表れている本が良いですね。料理本は、わが家の味とともに代々伝えていきたいもの。これからも、継続的にリクエストを募集していきます」

「辻静雄ライブラリー」
辻静雄・著
復刊ドットコム・刊 全7巻 各2,052円

調理学校の創始者でありながら、もと新聞記者という異色の経歴を持つ、辻静雄。文筆家としても優れ、日本に西洋の食文化を広げた。2013年は生誕80周年・没後20年のメモリアルイヤーだった

「決定版 新パスタ宝典」
ヴィチェンツォ・ブオナッシージ著
復刊ドットコム・刊 8,640円

本の厚さは約5㎝、総ページ数は約650Pで、1,347種類もの究極レシピを収録している。ページ内には写真はなく、しかし文字だけのデザインがむしろ非常におしゃれ。原書はイタリアで1973年初版

「綿の国星ケーキの本」
大島弓子、今田美奈子・著
復刊ドットコム・刊 1,728円

大島弓子の漫画『綿の国星』の様々なシーンに合わせ、洋菓子研究家の今田美奈子がオリジナルレシピの可愛いお菓子たちを提案している。漫画の名シーンも満載。原書は1981年初版

「亜土のおしゃれ料理」
水森亜土・著
復刊ドットコム・刊 1,728円

亜土ちゃん語で言えば、楽しいナー、嬉しいナー的な文章で綴った、可愛らしくゆるい空気感のエッセイ+レシピの本。見返しにある「スープの歌」の楽譜も必見。原書は1978年初版

ー復刊ドットコムー

絶版・品切れの本を一般の人々から寄せられたリクエスト投票により、復刊させるサービス。2000年から始まり、これまでにおよそ5,000タイトルを復刊させた
http://www.fukkan.com/

Photo 佐藤航嗣(TRON) Text 浅井直子
※こちらの記事は2014年9月20日発行『メトロミニッツ』No.143に掲載された情報です。

更新: 2017年5月24日

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