|尊敬できる鮨[21]|

尊敬できる鮨の名店
【一番町てる也】半蔵門

江戸前鮨の歴史は、師匠から弟子へと技と伝統が受け継がれ、紡がれてきました。そしてそれは平成の世となった現在も続いており、また新しい歴史が作られています。ここではそんな現在の鮨を生み出し続ける職人のみなさんをご紹介します。

カウンター越しの出会いに感謝の意を込めて握る江戸前鮨

千代田区一番町に軒を構えるこの店の主は、赤坂「すし匠 齋藤」で2番手を務めていた飯田照也さん。四谷「すし匠」で研鑽を積んだ齋藤敏雄さんが営み、ミシュラン3ツ星を獲得した名店です。飯田さんが両親の仕事の都合でN.Y.に住んでいた時、バイト先だった日本料理店で働いていたのが齋藤さんだったというのがそもそもの出会い。「親方(斎藤さん)に出会ってなかったら、今の私はありません」。そうして一流鮨職人との出会いにより、この世界を歩み始めた飯田さんの店は、ゲストの様子を見計らい、握りとつまみを織り交ぜながら供す「すし匠」スタイルを継承。握りは米酢、赤酢、濃い赤酢を使用した、それぞれ3種のシャリを鮨ダネによって使い分けて提供します。その合間合間に出てくるつまみには海の幸だけでなく、漬け物や銀杏など野菜類も巧みに取り入れ変化に富み、飽きさせません。これらのつまみは、日本料理店で働いたこともある飯田さんのオリジナル。メニューはおまかせコースのみですが、好みをリクエストすれば、人懐っこい笑顔に軽妙なトークを添えて応えてくれます。「私のこれまでの人生は、親方をはじめ諸先輩方など人との出会いに恵まれてきました。そんな出会いへの感謝の気持ちを忘れずに、目の前のお客様一人ひとりが楽しい時間を過ごせるよう努めるのが、私の責任なんです」。連綿と受け継がれていく江戸前鮨の伝統もさることながら、この気さくな人柄に触れるためにファンは通い詰めるのです。

|飯田照也さん|

1973年生まれ。N.Y.での日本料理店を皮切りに、帰国してからは宮崎の日本料理店、六本木「蔵六鮨」にて修業。そして、赤坂「すし匠 齋藤」で6年を過ごした後、4年前に「一番町てる也」をオープンした。

飯田さんが一番こだわっているのがシャリ。米酢、赤酢、濃い赤酢を鮨ダネによって使い分ける。例えば米酢で締めた鮨ダネには米酢のシャリを、といった具合に

長崎産の牡蠣は一度、湯がいてから酢で洗って提供する。酢で洗うことで、クリーミーな牡蠣をさっぱりといただけます

青柳はボイルしたひもとともに。花のような香りがする青柳を存分に堪能できる1貫

6日間寝かせた氷見産のマグロの中トロは辛子を添えて

いちばんちょう てるや

いちばんちょう てるや

住所:
東京都千代田区一番町15・3 SAビルB1F
TEL:
03・3239・8363
営業時間:
18:00 ~ 24:00(22:30最終入店)月定休

Photo:sono(bean)
Text:effec(佐藤潮、いずみかな、山田彩、荒井しんご)

※こちらの記事は2015年2月20日発行『メトロミニッツ』No.148に掲載された情報です。

更新: 2017年3月11日

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